【Cloque.】誰かの人生と重なって届
いたらうれしい
初の全国流通盤ミニアルバム『今日を越えて』から約半年で、ミニアルバム『この蒼い日々を』をリリースするCloque.。結成から2年、まだまだ意欲と貪欲さを感じるバンドに話を訊いた。
取材:高良美咲
2015年2月に結成されたCloque.ですが、活動を2年間続けてきた中で何か変化はありましたか?
村松
そんなに大きな変化はないですかね。自分たちがバンドをやりたいからいい曲作って、いい音源作って、いいライヴしたい、ってそれだけでやってるんです。けど、ライヴに来てくれる人やCDを買ってくれる人たちからいろんな嬉しい言葉を言ってもらえて、自分の“好き”が誰かの“好き”になって、誰かのためになってるのかと思うと、以前に増して“もっともっと”って気持ちは大きくなってますね。
2016年12月にリリースした1stミニアルバム『今日を越えて』は初の全国流通盤ということで、これまで以上に多くの人に届いた作品になったと思うのですが。
村松
CDを持ってツアーを回って、いろんな人に出会いながら何回もライヴをして歌っていくうちに、いろんな思い出とかもたくさん曲に詰まっていって。1枚目っていうのもあるのかもしれないですけど、個人的に思い入れ深いCDになりました。
前作から約半年振りとなるミニアルバム『この蒼い日々を』は、制作開始時に何か構想はありましたか?
村松
制作はいつもしていて、次はどんな曲を作ろうかな?って考えているんですが、曲を並べてみて“こういうアルバムを作ろう!”ってよりかは、“自分が作った曲たちがどんな色を出してくれるのかなぁ?”っていうほうで楽しんでました。個人的には自分の人生みたいなものがアルバムとして表われているので、誰かの人生と重なって届いたらいいなぁって思います。
では、メンバーそれぞれ今作の聴きどころや挑戦したことがあれば教えてください。
村松
以前にデモとしてリリースした曲も入ってるので、聴き比べて楽しんでほしいですね。あと、久しぶりにバラードもあるので、歌を楽しんでもらえたら嬉しいです。
古田
今回の曲に関してはわりと歌に寄り添った感じというか、難しいことはあまりしていませんね(笑)。けど、耳に残るフレーズをちょこちょこ入れてるので、聴き慣れてきたらベースも意識して聴いてみてほしいです!
吉見
今作のドラムは8ビート中心なんですけど、曲によって疾走感だったり、バスドラムのパターンだったりは工夫しましたね。あとは、「君の声」の俺と秀人さんのシンガロングは注目ポイントです!
メロディーが耳に残るのはもちろん、Cloque.の楽曲は歌詞に人間味やリアリティーがあって、“根拠のないポジティブ”じゃないからこそ一層心に響いてくるのだと思いました。
村松
作曲を始めた時から本当のことや実体験のことしか歌わない、嘘はつかないっていうテーマでやってきてます。だから、妄想とか想像の歌詞は今までないんですよね。いつもは自分と誰か…友達だったり、恋人だったり、ライヴハウスだったりの歌を書くことが多いんですけど、ひとつ新しいこととして「ポートレイト」だけは“自分のために”っていうテーマで書きました。人と人との幸せの歌じゃなくて、“自分の幸せって、自分の人生って何だ?”っていうふうに自分と向き合う曲になりました。
「蒼」では“こんな自分でも変われた”という思いを語りかけていますね。
村松
“ひとりじゃない”とか“大丈夫”っていう曖昧な言葉を100パーセント信じることってすごく難しいと思うんです。けど、その言葉を信じることができた時に何かいつも疑って生きてた部分も変わっていったし、自分にとってすごく大切な人ができたんだなぁって。大切な人が迷った時には、今度は自分が“大丈夫、ひとりじゃないよ”って言ってあげれるように強くありたいし。ずっと一緒にいてくれる友達を思ってバンド人生を全部振り返りながら作りました。
「重なり重ねて」も“遠回りをしたけど、いろいろなことを重ねてきた”ということを認めてあげるような楽曲で。
村松
テーマは歌詞にもあるんですけど、《上手くいかない今だけが 君の全てじゃないから》なんです。上手くいかないことがあると、今も未来も過去も否定してしまいがちだけど、振り返ればきっと幸せな日もあって悪いことばかりじゃなかったし、未来を見ればきっとそんな日が待ってる気がして。だから、失敗も後悔も痛みも傷も全部重ねて生きられるように作りました。
引っ張っていくようなドラムのビートが印象的な「君の声」はライヴで盛り上がりそうですね。
村松
ライヴハウスで誰かと誰かをつなぐ曲になったらいいなって思いました。いつもイントロの部分で“あなたに出会えて良かった”って叫ぶんですけど、それでしかないですね(笑)。大きい声で“あなたに出会えて良かった”と言える、そんな人が増えたらもっといい人生になると思うので、みんなで仲良く一緒に歌ってほしい曲です。
最後を締め括る「2つの影」はミディアムテンポながら緩急のある展開が印象的でした。
村松
日に照らされたふたりの影が日が沈むにつれて伸びていくのを見て、“このままどこまでも伸びて消えなければいいな”って。少し切なさを混ぜて、大切なものを噛み締められるような曲にしたいと思っていました。
今作のタイトルの“この蒼い日々を”に込めた想いを教えてください。
村松
「蒼」の歌詞から取ったんですけど、“蒼い日々=青春”をイメージしています。でも、青いだけじゃなくてもっと温かいものにしたかったんですけど、これまでの2枚のデモのジャケの青色と黄色を1stのCDのジャケで使っていて。“蒼”は色が限りなく緑に近い青色なので、“この蒼い日々を”にしました。出来上がってから聴いてみて、切ない青い部分と温かい黄色い部分もしっかり表現できていたので個人的にはしっくりきてます。
では、作り終えたことで改めて発見できたことはありましたか?
村松
それは特にないかもしれないです(笑)。まだライヴでもやってない曲が多いので、このCDを持ってツアーを回ってどうなっていくのかが楽しみです。
最後に、今作を通して初めて出会う人や、これから出会う人たちにCloque.がどんなバンドであるかを伝えるとしたら?
古田
曲はやさしい感じですが、あくまでもライヴバンドなので、ライヴハウスで出会ってくれた方には良い意味でギャップを与えられると思います。それも楽しみにライヴハウスに遊びに来てくれたらと思います。
- 『この蒼い日々を』
- WELL-1003
- 2017.06.07
- 1620円
クローク.:2015年2月結成。同年8月にライヴ活動を開始。2枚のデモを制作し、16年12月に初の全国流通盤ミニアルバム『今日を越えて』を発表。17年6月7日に約半年ぶりとなるミニアルバム『この蒼い日々を』をリリースする。Cloque. オフィシャルHP