L→R しかぎしょうた(Dr&Cho)、モリヤマリョウタ(Vo&Gu)、秋吉ペレ(Ba&Cho)

L→R しかぎしょうた(Dr&Cho)、モリヤマリョウタ(Vo&Gu)、秋吉ペレ(Ba&Cho)

【Dear Chambers インタビュー】
自分が“好きだな”と思える
3曲にはなった

2017年の始動以降パンキッシュな音楽性と怒涛のライヴ活動で多くのリスナーを魅了し、2023年9月に「環七ラプソディー」がフジテレビ音楽番組『Love Music』のED曲に採用されたことも話題を呼んだDear Chambers。そんな彼らのニューシングル「オレンジロード」は洗練感とパンクテイストを巧みに融合させて、独自の魅力を創出した3曲が収録されている。モリヤマリョウタ(Vo&Gu)をキャッチして、新章に歩みを進めたことを感じさせる同作について語ってもらった。

Dear Chambersは友達の
延長線上みたいな感じで組んだ

music UP's/OKMusicでインタビューをさせていただくのは初めてですので、まずはバンドのプロフィールなどをお聞きしたいです。Dear Chambersはどんなふうに結成されたのでしょう?

僕らはもともとみんな違うバンドをやっていて、バンドというのは打ち上げがあるじゃないですか。打ち上げの時に違うバンドのメンバー同士なのに、ずっと一緒に呑んでいたのが今の3人なんです。当時は今よりも若かったのでスレていた部分もあって、それぞれ自分のバンドのメンバーの悪口とか、バンドへの不満とかをずっとしゃべっていたんですよ(笑)。その後も3人で呑みに行ったりしていて、そうしたら全員そのバンドを抜けることになって、“じゃあ、俺ら3人でバンドやるか”みたいな。だから、Dear Chambersは友達の延長線上みたいな感じで組みました。

ウマが合ったんですね。Dear Chambersを結成した時点で、目指す音楽性は見えていましたか?

いえ、“こういう音楽をやろう”というのは特になかったです。他の人に言うと多すぎると言われるんですけど、僕らは月に8本くらいライヴをしていて、昨年までは月に12本とかやっていたんです。要は3日に1回くらいライヴをしていた。そうなると、メンバー同士で話す時間が増えるじゃないですか。そういう中で、僕が“最近こういうのを聴いていて、Dear Chambersでもやってみたいんだよね”みたいな話をふたりにすることが多いんです。僕が好きな音楽を3人で共有して、それを自分たちなりのところに落とし込む。だから、友達同士の“めっちゃいい音楽があるんだよ”を、ただひたすら続けているようなイメージです。

メンバー同士の会話が多いことも含めて、いい状態でバンドをされていることが分かります。モリヤマさん自身の音楽的なバックボーンは?

僕のお爺ちゃんが結構破天荒な方で、自分でログハウスを作ったり、ハーレーに乗っていたりしたんです(笑)。その人がよくMDとかをくれたんですよ。“聴け!”みたいな感じで(笑)。それは、レイ・チャールズとか、ジャズでしたね。あとは、お爺ちゃんの息子…叔父さんが↑THE HIGH-LOWS↓を聴かせてくれたりとか。それに、MDは自分のプレイリストみたいなのを作れるじゃないですか。それを友達同士で貸し合ったりしていて、いろんな音楽を聴くようになって、最初にハマったのはビジュアル系でした。

えっ、そうなんですか!? どの辺りのビジュアル系ですか?

X JAPANとか、LUNA SEAとか。でも、Janne Da Arcが一番好きでしたね。あとは、SHAM SHADEとか、PIERROTとか。90年代のビジュアル系を掘りに掘りました。それが小~中学校くらいで、みんながBUMP OF CHIKENとかELLEGARDENとかを聴いている時に、僕らはビジュアル系を聴いていたんです。その後、高校に入って変わったんですよね。海外のパンクバンドとかが好きな先輩と出会ってThe Damnedとかを知って、そういう流れから銀杏BOYZとか地下パンクとかに影響を受けました。その後もいろんな音楽が好きになっていったから“これです!”というのはあまりないですね。それこそWANDSとかも好きですし。

自分の中の謎がかなり解けました。Dear Chambersはパンクが香っていますがメロディアスですし、“泣き”を活かされていますよね。音源を聴かせていただいて、パンクというひと言では括れないバンドだと思ったんです。

本当ですか? そう感じていただけたなら良かったです。

感じました。では、ここまでの話を踏まえてDear Chambersの最新シングル「オレンジロード」について話しましょう。今回シングルを作るにあたって構想などはありましたか?

僕らは前作の「環七ラプソディー」から曲の作り方を変えたんです。昔は一曲に対する密度が高くて、例えば6曲入りのミニアルバムを出すとなったら6曲しか作らない感じだったけど、僕がめちゃくちゃたくさん曲を作って、その中から選定するかたちに変えたんです。しかも、僕が選定しないという。事務所の方と僕らメンバー、それにアレンジャーのKubotyさんがいて、それぞれが1曲ずつ選ぶようになったんです。“いろんな曲をいっぱい作ってみて”と言われて、僕は曲を輩出するのが遅かったんですけど、どんどん早くなっていきました。そういうやり方だと曲を作るのが楽しいから。

よりプロフェッショナルな作品作りをされるようになったんですね。では、今作のリード曲の「オレンジロード」はどんなふうに作られた曲でしょう?

「オレンジロード」は↑THE HIGH-LOWS↓みたいな曲を作りたいと思ったんです。そういうところから入っていって、僕の高校時代の話をしているだけの曲というものにしました。

確かに↑THE HIGH-LOWS↓の匂いはありますが、独自のものに仕上がっています。特に、サビは上質なJ-POPという印象を受けました。

僕は90年代のビーイング系が好きだったので、サビはそういうイメージです。サビのパンチ力をどの曲でも大事にしていて、今回の作品に限らずサビが異常にJ-POPというのは増えていますね。僕はさっきおっしゃった“泣き”が入っているJ-POPが、すごく好きなんです。

曲を作る時はメロディーから入っているのでしょうか?

そうです。僕はいつもメロディーからですね。

ギターを弾きながら鼻歌を歌ったりとか?

いえ、ギターは持たないです。曲のテンポを決めて、とりあえず8ビートを打ち込んで、それをずっと聴いているとメロディーが降ってくるんです。それを打ち込んで、最初は歌メロとベースとドラムだけのデモを作る。それを聴いて“いいな”と思ったら、そこから僕らの好きなギターを入れたりするようにしています。

ということは、メロディーに対してコードをつけることになりますよね。メロディーが降ってきた時点で大まかなコード感も一緒に鳴っているとは思いますが、コードを見つけるのに苦労することもあるかと思います。

よくありますね。“ムズッ!”みたいな(笑)。僕は“このコード進行はギター的に気持ち良い”というところでやっていないんです。メロディー至上主義で、メロディーを犠牲にする気はまったくないので、コードが分からない時も粘り強くコードを探していきます。
L→R しかぎしょうた(Dr&Cho)、モリヤマリョウタ(Vo&Gu)、秋吉ペレ(Ba&Cho)
シングル「オレンジロード」

OKMusic編集部

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