L→R クロダマサヒロ(Dr&Cho)、ミカテラ(Key&Vo)、チヨチヨイヤマ(Ba&Cho)、タナカユーキ(Vo&Gu)

L→R クロダマサヒロ(Dr&Cho)、ミカテラ(Key&Vo)、チヨチヨイヤマ(Ba&Cho)、タナカユーキ(Vo&Gu)

【SPARK!!SOUND!!SHOW!!】この4人の
スパイスで化学反応を起こしたかった

大阪発“スサシ”ことSPARK!!SOUND!!SHOW!!が初の全国流通盤ミニアルバム『Chemical X』をリリース! 現在の勢いがあふれんばかりに詰め込まれた今作は、聴く者に衝撃を残すこと間違いない一枚に仕上がった。
取材:高良美咲

SPARK!!SOUND!!SHOW!!は、どういう経緯で結成されたのですか?

チヨチヨ
僕と(タナカ)ユーキくんが同じ高校に通っていて、彼がふたつ上の先輩だったんです。その頃から彼はバンドをしていて、地元じゃ少し有名なバンドだったんです。僕はバンドをやりたかったけどメンバーがいなくてずっとできずじまいで。僕が高校 3 年生の時にユーキくんがやっているバンドが解散しちゃって、そのタイミングで新しいバンドするから一緒にやらない?って誘われたのがきっかけ。
タナカ
結成当初は5人メンバーで、1カ月だけライヴをして、当初は幻のピンヴォーカルがいたんですが、ラッパーになって辞めていきました。今ではオリジナルメンバーが俺とチヨだけ!(笑)

結成当初はどのようなバンドを思い描いていたのでしょうか? また、活動を行なう中で大型フェスに出演を果たしたり、2014年末には魔女っ子ミカちゃん(Key&Vo)が加入したりといろいろな経験を経たことでどのような変化がありましたか?

タナカ
ひたすら、“CHILD SCHOOL TV!!になりてぇ!”と思っていました。メタルコアとレゲエにハマっていたので“合体させたらやばいんじゃね!?”ってやろうとしてたらその年の『PUNKSPRING』にSiMが出てて、“おい、先にやるなよ!(笑)”って。サビがなくて誰もついてこさせない!みたいなことを当初はひたすらやってましたが、大きいフェスとかに出て、“なんでついてこーへんねん!”ってなりました。そういう曲もある程度作って何周かして、逆に普通のことをやったら気持ち悪いんじゃない?となって現在って感じです。自分の聴いてる曲や好きなものからのスパイス的なものを普通のポップにどれだけ忍ばせるか、みたいなのがマイブームですね。
チヨチヨ
当初はその当時、共通で好きだったアーティストCHILD SHOOL TV!!やEnter ShikariやRIZEとかだったような気がします。正式な流通音源がない状態で『FUJI ROCK FESTIVAL』やFACT主催の『Rock-O-Rama』などに出演させていただけるなんて、すごく貴重な経験をさせていただけたなと思っていますね。そんな中、昨年末にミカテラ(魔女っ子ミカちゃん)が加入して、バンド内のモチベーションやバンドのバランスがかなり良くなりました。今作は自主レーベル『SPA!DUPA! Inc.』を立ち上げてのリリースなんですが、この4人じゃなかったら、自主でやろうとは思えてなかったような気がします。それくらいミカテラの存在は大きいですね、他の3人とはまったく違うタイプの人間なので。各々自然にバンド内での役割分担ができていますね。意識面でも製作面でも、今はひとつひとつの動きやアクションにも明確なイメージや意味やプランがあり、いろんな側面から物事を考えられていると思います。

今作は初の全国流通盤ということですが、制作はどのように?

タナカ
流通盤のレコーディングの日程が決まってから、曲数、既存曲の数、そことのバランスや曲順を見て作った新曲4曲といった感じで、あとはその時のマイブームと“こんなバンドがいたらいいのに”をかたちにした感じです!
チヨチヨ
まず、どこのレーベルからリリースするのか、これからどのような動き方やどのようなプランで動くのか、っていうのをギリギリまでメンバーと話し合ってから、レコーディングの日程や曲の製作を始めたのでかなり急ピッチでしたね。

幕開けを飾る、尖った言葉が印象的な「ドツク」のように音の響きを意識した歌詞が多いですね。

タナカ
「ドツク」はもともとドラムのキックとハイハットの音に似た言葉を言いたくて、“ドツク”になりました。誰もドツきたくないんですが、折角そんな言葉になったのでなぜかヘイトな感じになりました! その言葉の持つ表面上の響きが先に来て、耳障り、口触りのいい言葉を選んでます。いつかメッセージ性の強い胸に突き刺さるようなことも言えるようにします!

衝動的な「BRUSH UP」は、ライヴではどのような光景を見られるのか楽しみになる一曲でした。

タナカ
確かにライヴで盛り上がれるようなところも意識しながら、自己満足も程良く混ぜてって感じです。ヴォーカルのキーの問題でレコーディング寸前にチューニングを1音下げてしまったので、メンバーのヤレヤレ顏をよく覚えてます…頭が上がりません!
ミカテラ
真っ平らなコンクリートに最初の一撃を入れた感じ。これがきっかけに次々と曲で粉砕していくことでしょう!
チヨチヨ
いい意味で、シンプルにリラックスして作れた曲になったのかなと思いますね。

「スーパーボール」は今作の中でポップさが際立った曲ですが、その中でもいろいろな要素が混ざっていて、バンドの幅広さが垣間見える楽曲だと思いました。

タナカ
この曲のテンポが速いヤツがスサシっぽいと思って、最初スタジオに持っていったけど、個人的にはテンポを遅くしたバージョンのほうがやってて気持ち良いから“息抜きでこんなんしたらあかん?”みたいな提案をしたらわりとすんなり通ってラッキーでした! さらに周りの評判もいいのでまぐれ当たった気分っす! ラッキー!
チヨチヨ
この曲は今までの僕らにはなかったアプローチだったので、新しい側面を見せれたかなと思っています。めちゃくちゃ揉めましたけど…(笑)。

軽快な「dararatt」は賑やかなコーラスだけではなく、サウンド面も聴きどころ満載ですね。

タナカ
既存曲のキーボードアレンジですね。もともとキーボードを入れた曲にしたかったんですが、今まではキーボードがいなかったのでやむを得ずギター2本でこの曲を作ったんです。僕としてはコレがほんまにやりかったことなので完璧な出来です! 完璧!
ミカテラ
楽しさ全開。ライヴ中もだけど、この曲をやる時は楽しむだけ、それだけ。
チヨチヨ
リズムは4つ打ちで、遊び心満載の楽曲なので好きですね。少し80~90’sの洋楽のダンサブルな感じが出せてるかなと。ちなみに、《boogie wonder land》と歌っているところはEarth, Wind & Fireの「Boogie Wonderland」からきています。ここに気付いてくれる人がいたら、すごくセンス良いです。僕はデモの旧バージョンも今作の新バージョンどちらも好き。

最後を締め括る「スサシのマーチ」は、最初はどのような楽曲にしようと思ったのでしょうか? 現在、スサシは魔女っ子ミカちゃんを含めた4人なのに《五人の草食系男子》というフレーズなどが気になったのですが…。

タナカ
これこそ、冒頭に話したCHILD SCHOOL TV!!が「チャイスクのテーマ」っていうのをやっていたので、俺らは「スサシのマーチ」をやろうってなりました! 展開が多いのになぜか気に入られて、未だに何でか分かりません! しかも歌詞は初ライヴから変わってないので、メンバー紹介をしてるくだりがあるのですが、全部旧メンバーのことを歌ってます。変えたら良かった…(笑)。
ミカテラ
なんか、妖しさが増したよね?
チヨチヨ
特にラストのほうのシンフォニックなキーボードの音色がめっちゃ妖しいよね。(笑)。この楽曲を作ってた頃はいかに展開が多いかということやキモい曲にするかに照準を合わせてましたね(笑)。確かに、歌詞も恥ずかしいよね。ぜひ歌詞カードを見ながら聴いて笑ってほしいですね。

アルバムのタイトルに名付けた“Chemical X”という言葉の意味は?

チヨチヨ
4曲目の「BUBBLES」が『パワーパフガールズ』のバブルスがモデルやからですね。そこから話を膨らませて、ストーリーに出てくる“Chemical X”からとりました。この4人のスパイスで化学反応を起こせたらなと思って。
タナカ
僕以外がノリ気だったので、“それで!”って感じです(笑)。今では気に入ってます! 「BUBBLES」がもともとカートゥーン ネットワークで流れているような曲を意識した楽曲で、Chemical Xと素敵なものを混ぜるとパワーパフガールズという可愛い女の子が生まれるという話もポップでキュートだったので!

今作で注目してほしいところや聴きどころがあれば教えてください。

ミカテラ
幅広さを楽しんでほしいです。1種類だけだとつまらない、新しい発見がないからね。まだまだ出してない部分もあるから次も楽しみにしててください。
チヨチヨ
今作は今の僕らが出せる、僕らなりのポップさをイメージして制作したので、僕たちなりのポップを聴いて楽しんでもらえたら嬉しいな。そして、楽曲以外にもMVやトレイラー映像、アートワーク全てをSPA!DUPA! Inc.のメンバー(スサシメンバーと友人クリエイター数名)で製作しているので、“SPARK!!SOUND!!SHOW!!”“スサシ”っていうブランドとしてこれから注目してほしいですね。

作り終えて、現在の心境は?

タナカ
フルアルバム作りてー!と思いました。キーボードにも慣れてきたので、その辺の勉強にはすごくなりました。2枚目に向けた反省を活かしまくっていきます! 昔、散々捻くれた上で、今さらポップをやってますね。この作品のコメントをいろんな方にもらったのですが、RAZORS EDGEのKENJIさんが“開き直ったかのようなポップさに逆に不良を感じる”とコメントしてくれまして…やっぱナニワのレジェンドは見透かしてますなぁと思いました。頭が上がりません。
ミカテラ
個人的には幅が広がりました。ユーキが作る曲って私の中にあるものとはまったく違うから。曲は一緒なのにアレンジが違う、みたいな感じで面白いです。
チヨチヨ
たくさん得るものがありましたね。個人的には僕がほとんど自主レーベルの運営をしていて、自分で考えてマネジメントをして動いていくので、どこかのレーベルに属して活動していると知り得なかっただろうことがたくさんですし、尊い経験をさせていただけて面白いです。

ミニアルバムの6曲で約15分というスピード感には清々しさも感じるし、最初から最後までハイテンションに突き抜けたアルバムになりましたね。

タナカ
このインタビューで、初めて15分だって知りました! 1曲3分前後で濃く仕上げたいってタイムキーパーは自分の中にいますね。名刺代わりにぴったりなんで、友達や家族に勧めやすいと思います!
ミカテラ
他にも入れたい曲はあったけど、選びに選んで“まぁ、1発目だしこれぐらいにしといてやんよ、これで耳慣らしとけよ”って感じの一枚になりましたね。今思えばやけど(笑)。
チヨチヨ
素敵なアルバムに仕上がったなと感じています。分かりやすく、今のスサシはこれだよっていうアルバムかな。

7月からは今作を引っ提げてツアーを行ないますね。ツアーでの楽しみなどがあればお願いします。

タナカ
ツアーが夏なので、異臭騒ぎには気を付けたいですよね! 夏のライヴが似合うバンドだと思うので、今観といてや! もし、物販に欲しいものがなかったら俺にビール奢ってほしいです!(笑)
ミカテラ
全開でいきますので、楽しみにしていてほしいです。全国流通ということで初めてスサシ観に来る人もいると思うので、どんな人たちが来るのか楽しみですね!
チヨチヨ
今作を聴いて良いって思っていただけたら、ぜひライヴに遊びに来てほしい。僕らの一番の良さはライヴだと思うので、ぜひ体感してほしいです。
『Chemical X』
    • 『Chemical X』
    • SPDP-001
    • 2015.06.17
    • 1620円
SPARK!!SOUND!!SHOW!! プロフィール

スパーク・サウンド・ショー:大阪を中心に活動している男女4人組バンド。メンバーチェンジを経て、2014年末にミカテラが加入。“スサシ”と呼ばれ、無所属ながらも大型フェスにも出演。過去に出した1stデモ&2ndデモは計2,000枚以上を売上げる。15年6月17日、待望の全国流通盤ミニアルバム『Chemical X』をリリース。SPARK!!SOUND!!SHOW!! オフィシャルHP

OKMusic編集部

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