L→R 座覇 誠(Ba)、とみー(Dr)、菊池秀一(Vo&Gu)

L→R 座覇 誠(Ba)、とみー(Dr)、菊池秀一(Vo&Gu)

【スカーフ】いろいろな経験をしてき
た上での“今の自分たち”

メンバー3人で共同生活を送るスカーフが、ミニアルバム『やさしい音楽』をリリースした。昨年11月に急病でライヴ活動を休止し、先日無事に手術を終えて1月24日に行なうリリース記念ライヴにて復帰直前の、スカーフの紅一点ドラマーとみーに初の単独インタビュー!
取材:高良美咲

まずは結成のいきさつを教えてください。

菊池が福岡時代の友人のバンドにギタリストとして誘われて上京したのですが、合わなかったようで、その後ひとりで曲作りをスタートしたみたいです。共通の知人から、九州出身というだけで宮崎出身の私が紹介されました。その後に、菊のデモに惚れ込んだまこっちゃんが加入して、今に至ります。

当時はどのような活動をメインに行なっていたのでしょうか?

結成当時は、なぜか御徒町のライヴハウスに出演していましたね。対バンのジャンルや年齢層が今では考えられないくらい幅広くて。渋いおじさま方や弾き語りふたり組みなのに背面弾きをする方たちとか…。昔は“バンドをやる=当然メジャーデビュー!”という考えだったので、“ここにいては自分たちの目指している場所には辿り着けないんじゃないか”という話になり、活動の場を下北沢に移しました。当時は、菊池の書く歌詞や音楽性はちょっと暗くて、意味不明なアレンジをしたり、ライヴでも歌詞が聴き取れないと言われることが多くて。今改めて聴くとちょっとひとりよがりな楽曲が多かったと思います。今はだいぶ歌詞も分かりやすく、相手の存在が見える楽曲になってきたかなぁと。菊池は心身ともに丸くなったなぁと(笑)。余談ですが、仲良くさせてもらってるバンドは下北時代に出会ったバンドが多くて、今でも刺激をもらえるバンドばかりです。

現在はメンバー3人で共同生活を行なっているそうですね。

小型犬のみオーケーの賃貸に住んでいながら、20キロのプードルをこっそり飼っていた私は“いつかばれて追い出されるのではないか”と日々憂鬱だったんです(笑)。犬も2015年に12歳を迎えて、とても元気だけどエレベーターなしの4階というのは今後可哀相だなと思っていて引っ越したいなという気持ちが高まっていたところ、まこっちゃんのTwitterのプロフィールに“都民予定”と書いてあることに気付いて。話を聞いたら“友達と暮らすかも”とのことだったのですが、結局その話が流れたということを知り、思い切って3人で暮らすことを提案したところ、すんなりオーケーしてくれて。“一緒に暮らすことで喧嘩別れになるかもしれない”と一番渋っていた菊池も、いつも利用しているスタジオの近くということでメリットを感じ始め…まぁ、私が一度言い出したら聞かないというのもあるのですが(笑)、最終的に納得して共同生活がスタートしました。

メンバーで暮らすことによって何かメリットやデメリットは感じていますか?

メリットは、やはりバンド関連の作業分担がスムーズってことですかね。直接話せるので、出来上がってきたミックスについて3人の意見をすぐに擦り合わせて、直しを的確に注文できることなど、効率が良いです。当時、念願の『SAKAE SP-RING』で初の名古屋に遠征しつつ、引越し準備をしながらレコーディング準備も進めて…と、かなりバタバタしながらの新生活スタートだったのですが、夜中にドラム録りをして、朝方みんなで同じ家に帰ることがなんだか不思議で。でも、結束力が高まった感じはありましたよ。デメリットは、10年以上一緒にバンドをやっていても会うのは週にスタジオでの1~2回だったので、一緒に暮らしてみて初めて知る面も多々あり、戸惑うことが多かったです。ふたりは言わないと何ひとつ掃除などをやってくれなかったので、5カ月間はひとりでトイレ掃除をしていましたし、まこっちゃんなんて、未だに床の掃除を1回もしたことないと思います(笑)。デメリットと言いましたが、嫌な部分も含め家族のように話し合ったり受け入れることができるようになったので、結果、一緒に暮らして正解だったと私は思っています。他のメンバーがどう思っているかは分かりませんが…(笑)。そう言えば、デメリットがもうひとつ! 私はお風呂上がりはパンツ一丁でいたいんですけど、さすがに今の家では裸でウロウロできなくて。それが一番のデメリットですかね(笑)。

ミニアルバム『やさしい音楽』はどのようなテーマから制作を始めたのですか?

アルバムのコンセプトはなくて、それまであったたくさんの曲たちを、いい音で多くの人たちに聴いてもらいたい!というのが一番でしたね。実は当初、フルアルバムとして10曲録り終わっていたのですが、レーベルとの話し合いの結果ミニアルバムでのリリースになりました。今後も昔の曲はよりいいかたちでお披露目したいですが、次回はアルバムコンセプトを明確にして作ってみたいという思いもあります。

全5曲が収録されていますが、今作にはどのような楽曲が収録されているのですか?

「ライフ」「やさしい音楽」は前作(アルバム『GREAT FUTURE』/2014年9月24日リリース)を録った後にできた曲なんです。今作で一番新しいのは「やさしい人」で、今作のレコーディング直前に作りました。当時は1カ月に1曲は作っていたんじゃないかな? “今後のアルバムのために曲をたくさん作る!”という意識が強かったように思います。菊池は新曲ができたらすぐにでも聴いてもらいたい人なので、前作のインストアライヴなのに、なぜか「やさしい音楽」をやっていました(笑)。「僕らのkeep walking」は2013年に初めてライヴで演奏しているので、その辺りに作られた曲ですね。一番古い曲は2011年に出した自主制作音源に収録されている「あなたがないているから」です。

タイトルや収録楽曲にも出てくる“やさしい”というワードですが、ここで描かれているのは単純なやさしさではなく、喜怒哀楽を踏まえた上での感情なのかなという印象を受けました。

“やさしい”って何なのかは単純にひと言では言い表せないけれど…必ず誰しもが感じたことがあるものだと思っています。誰かの“やさしさ”に触れて強くなれたり、それを一瞬でかき消すような嫌なこともあったり。でも、やさしさを思い出すことでまた強くなることもできる。いろいろな経験をしてきた上での“今の自分たち”を表している一枚かなぁと。それと、やはり菊池は心身ともに丸くなったなぁと…(笑)。

印象深い楽曲はありますか?

MVにもなっている「ライフ」ですね。冒頭の弾き語りの部分は完全に後付けなので、ミックスもほぼ終わっている段階でしたが、スタッフからの提案で試しにやってみました。チーム内でも賛否両論だったのですが、冒頭の弾き語りがあることで、イントロから全員が入るところがバーンと勢いを増して、結果良かったなと思っています。

ずばり聴きどころはどこでしょう?

派手なアレンジはないけれども、いつの間にか頭から離れなくなっている“良質なメロディー”です。私は、曲作りの段階で結構厳しくダメ出しをしてボツにしようとするのですが(笑)。難関を突破してかたちになった曲たちは、気付いたら必ず脳内リピートしています。

リリース後にはツアーを行ないますね。

ツアーで今まで行ったことのない場所へ行って、たくさんの方に『やさしい音楽』を聴いていただきたいです。そして、次のアルバムにつなげたいです。“やさしさ”とはあくまでも受け取る側が感じるもので、それをこちらから発信するということはすごく勇気のいることでした。でも、今回はレーベルに正式に所属しての1枚目なので、多くの方たちの協力で出来上がった作品で、たくさんのやさしさが詰まっていると思っています。“やさしい音楽”と言い切ることに戸惑いもありましたが、今ではこのタイトルで良かったなと思えます。聴いてくださる方の思う“やさしさ”と少しでも交わることができたら嬉しいです。
『やさしい音楽』
    • 『やさしい音楽』
    • LFRE-0001
    • 2016.01.20
    • 1404円
スカーフ プロフィール

スカーフ:メンバー 3人+犬の民生で共同生活をしながら、マイペース&インドアに音楽制作を続ける男女混合3ピースロックバンド。15年10月25日に初のワンマンライヴを行なう。翌16年1月20日には、Low-Fi Recordsより1st ミニアルバム『やさしい音楽』を全国リリースした。スカーフ オフィシャルHP

OKMusic編集部

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