【青野美沙稀】ロカビリーを知ってい
る人には懐かしさを、知らない人には
楽しさを伝えたい

モデルやシンガーとして活動していた青野美沙稀が、50~60年代に大ブレイクしたロカビリーを現代のサウンド、解釈でリバイバルしてレコーディングしたミニアルバムを全国リリース! 「バンビーナ」や「フレンズ」のカバー曲も必聴!
取材:吉田可奈

ミニアルバム『1959 ~Magical Rockabilly Night~』をリリースすることで青野美沙稀としてのキャリアをスタートしますが、どんなビジョンを持って活動されているのですか?

これまでもモデルや歌手としても活動してきましたが、今はシンガー・パフォーマーとしてしっかりとロカビリーというジャンルの音楽を、自分にしかできないかたちで表現していきたいと思っています。

なぜロカビリーを選んだのですか?

私の父がロカビリーバンドをやっていたこともあり、生まれた時から聴き続けていたんですよ。あまりにも自然に耳にしていたので意識をしていなかったんですが、よく考えるとそのロカビリーが私の音楽やファッションのルーツとなっているんですよね。

同世代でロカビリーを聴いているような子はいましたか?

いませんでした。そして、今でもいないです(笑)。だからこそ、私がこのジャンルの魅力を広めていきたいと思ったんです。

そこまで好きだと思える魅力とは?

ファッションも個性的で可愛いですし、何よりウッドベースの音がすごく好きなんです。これまでいろんなことをやってきたんですが、最終的に自分に何があるのかと考えた時に、小さな頃から傍にあったロカビリーに挑戦しようと思ったんです。きっと、ここまで側にロカビリーの音楽があったアーティストっていないと思うんですよね。それが私の強みです。

お父様は娘さんがロカビリーを選んだことにすごく喜んだと思いますが。

すごく喜んでくれました。それに、プロデューサとして父親が関わってくれているので、すごくいい作品ができたと思います。でも、最初は小さな頃から聴きすぎていたので“古い音楽”だと思い込んでいたんですよ。父から“今の音楽として生まれ変わらせることができるんだよ”というアドバイスを受け、今回のアルバム制作に臨みました。今作はロカビリーが好きな人には懐かしいし、若い子には新鮮な気持ちになってもらえると思います。

曲選びや歌詞はどんなふうに?

このアルバムはひとつの物語になっているので、そこに当てはまるような曲を選んでいきました。

それはどのような物語なのでしょうか?

ロカビリーが大ブームだった1959年に女の子がタイムトリップをするというコンセプトで作られているんです。その主人公が男性と出会い、恋をするという物語になっているので、ラストの曲「Love Forever」は“永遠はあるのかな?”と思いにふける曲になっているんです。きっと、どの曲も女の子なら共感できるんじゃないかな。

どこの歌詞が気に入っていますか?

「Midnight of trip」に《「好き」のカードの出し合いと ケンカの「ごめん」は一緒だね》という歌詞があるんですが、その表現の仕方がとても素敵で大好きなんです。作詞は坂詰美紗子さんが手掛けてくれたんですが、書いていただく前にたくさん恋愛の駆け引きについて話し、この曲が生まれました。

「ガールズ狂想曲」もインパクトのある曲ですね。

この曲は女の子が出かける前の気持ちを描いているんです。歌詞には《可愛いが大変》ってあるんですが、本当にそうだなと共感していて…。デートでなくても、ただお買い物に行くだけでもオシャレにこだわる女の子の気持ちが描かれているので、ぜひ女の子に聴いて共感してもらいたいです。

何度も鏡の前でチェックする様子がすごくリアルに描かれていますよね。

はい。私も服が少しでも嫌だと外に出たくなくなるので、この気持ちはすごくよく分かります。まさに、今の自分が詰まった曲ですね。

「sweet drive」も可愛らしい曲ですよね。

ありがとうございます! この曲では《好きが 邪魔をする》と歌っているんですが、その台詞が似合うような、ぶりっ子な女の子のイメージで歌いました。ぶりっ子な感じは苦手だったんですが、この曲はとてもいい仕上がりになりましたね。

歌詞のイメージで歌い方を変えているのですか?

その物語の主人公が自分というイメージで、キャラクターを変えています。私はいただいた曲に対して勝手にその主人公の物語を考えながら、その人の生活や恋愛への妄想を膨らませて、妄想しながら歌うのが大好きなんです。今回はその妄想力が思い切り発揮されて、全ての曲に感情移入して歌うことができました。

「バンビーナ」と「フレンズ」のカバー曲も収録されていますが、この選曲はどのように?

最初に言った物語に沿うような曲を選びました。「バンビーナ」は布袋寅泰さんが歌うのと女性が歌うのとでは、全然雰囲気が違うんですよね。女性の声になるとすごく小悪魔な世界観になるんです。その雰囲気を感じてもらえるような歌声になるように頑張りました。そして、「フレンズ」は昔からすごく好きな曲で、いつも歌っていたんです。それをロカビリーバージョンに仕上げてみたら、さらに印象的な曲になったので驚きました。

好きな曲を自分の歌として歌うのは難しくなかったですか?

そうですね。切なさの表現やブレスの位置などに一番苦戦しました。さらに、カバーだからこそ自分の色を出さなくちゃいけないというか、自分らしさを大事にしていきたいと思ったんです。かなり大変なレコーディングだったので、完成した時の達成感は今までにないものでした。レコーディングが終わってホッとしたのを覚えています。

ありがとうございました。では、最後にメッセージをお願いします。

まずはロカビリーという音楽を、今作を通じて知ってもらえたらいいなと思っています。若い子たちでも絶対に楽しめると思うので、何度も何度も聴いてもらえたら嬉しいです!
『1959 ~Magical Rockabilly Night~』
    • 『1959 ~Magical Rockabilly Night~』
    • POCS-1519
    • 2016.11.23
    • 1944円
青野美沙稀 プロフィール

アオノミサキ:モデル、歌手、そして、作詞やWebマガジン編集長をはじめとしたクリエイターなどマルチな才能で活動。2016年、音楽、ファッションにおける新たな出会いから、父のルーツである“ロカビリー“を自らもアイデンティティーとして、音楽活動への専念を決意。同年11月23日、ミニアルバム『1959 ~Magical Rockabilly Night~』をユニバーサルGEARから全国リリースする。青野美沙稀 オフィシャルHP

OKMusic編集部

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