L→R 萩原健太(Ba)、齋藤知輝(Vo)

L→R 萩原健太(Ba)、齋藤知輝(Vo)

【Academic BANANA インタビュー】
“Academic BANANA=
俺の生きてきた道”

2ndアルバム『Love Letter』が完成! “ネオ歌謡曲”を掲げて“愛と哀とi”を綴った今作はAcademic BANANA(以下、アカバナ)の最新型かつ、全曲の作詞作曲を務める齋藤知輝(Vo)の表現の最新型と言える挑戦的な一枚となった。

ラブレターの括りって
ひとつではない

1stアルバム『SEASON』から1年強振りのアルバムリリースですが、まずうかがいたいのがメンバーが齋藤くんと萩原健太くんのふたりになっての再スタートなんですね。

コロナに入ったくらいから僕の中に、“Academic BANANAという生き物をより高みに上げていくためは、今のかたちでやっていくのはベストではない”という想いがあって。5周年ライヴや今回のアルバムを制作する中で、“どうするか決めないと一生後悔する”と思って話し合った結果、ふたりが卒業することになりました。みんなアカバナが好きだし、愛があることは変わらないんですけど、“全てを賭けられるか?”というのはまた別の話なので。

形態や意識の変化も影響しているかもしれませんが、今作を聴かせてもらって、すごく齋藤くん自身が出た作品になっていると思ったんですよ。資料に“愛と哀とiを綴った”とありますが、“愛”という一貫したテーマはありつつ、“i=自分”から滲み出るものを正直に反映できているのを感じて。かと言って、齋藤知輝のソロワークスとして出したら、また違うだろうし、Academic BANANAのフィルターを通すからこそ意味がある。アカバナで今やりたかったこと、現在のかたちを表したのが、今作なのだろうと思いました。

すごく嬉しいです。自分がシンガーとして参加しているコンテンツもあったりするので、“Academic BANANAの齋藤”として見る人もいれば、“齋藤がやってるAcademic BANANA”と見る人もいて、その隔たりをいかになくすかを自分の中ですごく考えたんですよ。これはわざとですけど、アカバナで書く歌詞って俯瞰してるというか、自分自身のミュージシャンとしての内面を曝け出していなかったんです。でも、今回は曝け出した部分もあったり。

前半は切ないラブソング、後半は「この街で…」や「君の街まで」といった自身が見える曲が並んでいて、そんなノンフィクションとフィクションのどちらもが見える面白さがある作品を、ラストに収録された「i」が締め括っていると思いました。

“歌う”とか“届ける”とか、自分の動作を伝える言葉をずっと避けていたんですね。歌がみんなのものにならなくて、僕の歌でしかなくなってしまうという気持ちがすごくあったので。でも、今回はそういう言葉を使っているので、それもあるかもしれないですね。

アルバムのタイトルは“Love Letter”で、曲タイトルや歌詞にも“手紙”や“ラブレター”というワードが出てきますが、これはアルバム制作前にあったテーマだったんですか?

はい。“Love Letter”というタイトルが先に決まってからできた曲がほとんどですね。タイトルが決まる前にあった曲って「Moon Rain」と「君の街まで…」だけで、あとは今年の4月以降に作った曲になります。ラブレターの括りってひとつではないと思っていて。LINEのメッセージもそうだし、家でノートにしたためた想いも引っくるめてラブレターだと。あと、ファンの方からいただくファンレターを読んで、“やっぱり人の温かさまで伝わる手紙っていいな”と思っていて。音楽はデジタルですけど、音とかパッケージ含めて、手紙のようなアナログの温かさを伝えたいと思って、“Love Letter”ってタイトルにしたところもあります。

「i」にも《部屋の片隅で カセットテープに唄った日》という歌詞が出てきて、“ヴォイスレコーダーじゃなくて、カセットテープなんだ!?”と思いました(笑)。

僕が一番最初にやっていた高校生バンドの時のデモテープは、カセットテープに録って、それをメンバーに渡していましたからね。あと、自分の声を初めて録って聴いた時に“えっ、これ誰の声? 俺、こんな声なの!?”と思って、マジでショックを受けたのを覚えています(笑)。僕は男らしいヴォーカリストが好きだったから“全然ちゃうやん!”って。

あははは。でも、それが大人になって武器になるわけですからね。それこそ男目線、女目線の曲というのも、齋藤くんの中性的な歌声があるからこそ成立してますし。自分にしか歌えない歌、自分にしかできないヴォーカルスタイルで表現できているという意味でも、自分らしさが出たアルバムになっていますよね。

そうですね。そう言ってもらえるとすごく嬉しいです。
L→R 萩原健太(Ba)、齋藤知輝(Vo)
アルバム『Love Letter』【通常盤A】
アルバム『Love Letter』【通常盤B】

OKMusic編集部

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