L→R 岡田ぴのり(Dr)、滝澤大地(Vo&Gu)、秋山貴英(Ba)

L→R 岡田ぴのり(Dr)、滝澤大地(Vo&Gu)、秋山貴英(Ba)

【CHERRY NADE 169 インタビュー】
バンドが掲げる
“愛と勇気とユーモア”を
さらに追求した新作が完成

前2作でアプローチしたラップも含め、さらに新しいことにチャレンジしたミニアルバム『Newmour!』(読み:ニューモア)が完成。“チェリナ”ことCHERRY NADE 169が奏でるひと癖もふた癖もあるギターロックは、これまで以上に進化を遂げている。

『Newmour!』は歌詞・曲ともに、これまで以上にストレートにリスナーに訴えかける作品になったという印象でした。

滝澤
確かに今までよりも一点に集中させた結果、鋭いものになったところはあるかもしれない。今回は“Newmour”というコンセプトのもと、制作段階からがっつりとみんなで作っていったんです。それが大きいのかもしれないです。

その“Newmour”とは?

滝澤
もともと曲作りでもライヴでも、何かしら面白いことに取り組んでいきたいという想いが我々の中にはあるんですけど、これまでやってこなかった新しいことにさらに取り組んでみようっていう。それで“New”と“Humour”を掛けて“Newmour”。そこにもうひとつ、“New More=新しいをもっと”という意味も込めてみたんです。

昨年10月に「幻にしないで」、11月に「tbh」、12月に「Make a life」をサブスクリプションで配信したこともバンドにとっては新しい試みでしたが、どんな手応えが得られましたか?

秋山
あえてそれぞれに違う魅力を持った曲を届けてみたんです。最初は反応はばらけるかなと思っていたらどの曲も気に入ってもらえて。“あ、こういうのもイケるんだ”って感じられたので、『Newmour!』を作るにあたって自信になったところはありました。

新しいという意味では、今回どんなことに挑戦してみたんですか?

滝澤
楽曲面で言えば、言葉遊びやラップをこれまで以上に入れたことはもちろんなんですけど、今までは僕が0から100まで作っていた楽曲を、ワンコーラスだけからみんなでどうやって広げていくかってやり方にしてみました。そういうことをやっているバンドは多いと思うんですけど、うちはやったことがなかったんです。これまではライヴの時に(サポートのギタリストを含めた)4人では再現できない音は入れないって決めてやってきたんですけど、そういう縛りって必要ないんだなって。ピアノを含め、入れたい音や入れなきゃいけない音は絶対に入れようと思って、同期の音源も使いながらやってみました。本当にいいと思っているものがあるなら、それをちゃんと作っていこうというふうに新たに動き出したんです。

曲の作り方を変えたことで、曲の出来がガラッと変わった曲もありますか?

滝澤
「tbh」は甲府でライヴをやる時にちょっと早めにライヴハウスに着いたので、ギターと歌だけパソコンに入れていたデモをぴのりちゃんに聴いてもらいながら、その場でドラムフレーズを打ち込んでもらって。そこから“いいじゃん”ってなって作っていったんです。そんなふうに捗ることも多かったし、サポートのギターの方に“フレーズどうしましょう?”って相談したら、ギター以外のアレンジも含め、倍以上のアイデアが返ってきて。これまで自分ひとりでやっていたものをみんなに投げて、それに対して返ってくるものが面白かったんです。
秋山
いつもは大地がフルコーラス持ってきてそれをスタジオで合わせていたんですけど、今回は制作を一緒にやってくれる人の家で、大地が持ってきたものを作り上げていくっていうやり方だったんです。スタジオで合わせていた時はどうしても時間が限られているので、“続きは次のスタジオで”って終わっていたんですけど、今回はじっくり1日かけることができたので、あれこれ考える時間もありつつ、他の人が“こういうのどう?”って言ってくれたベースフレーズもすぐに試すことができて、それも新しい挑戦だったのかな。
岡田
私はそれが自分の引き出しに入っていないものだったから、最初はちょっと戸惑って少し苦労したんですけど…今はその曲をライヴで叩きながら、自分にとって大事なアドバイスだったんだなと感じてます。「Make a life」のドラムはサポートのギターの方にアドバイスをもらって、新しい発見につながった楽しい曲になりました。

前の2枚について、アルバム『なまえ』(2017年9月発表)は“改めてチェリナって、こういうバンドですと言える作品”、EP『檸檬』(2018年6月発表)は“改めてチェリナって、こういうバンドなのか!?と言える作品”と滝澤さんはおっしゃっていたのですが、その流れでいくと、今回の作品はどうなりますか?(笑)

滝澤
ははは。そうですねぇ。今までがあったから、今新しいことをしようとしているというか…このバンドは12年ぐらいやっているんですけど、12年やってきた中でルールが自然に決まってきたところがあったんです。自分の中で“これはやっていい”“これはやってはいけない”っていう。今回はそのルールをなしにして、フラットに自分のやりたいことを追求していこうって。だから、“1周回ったチェリナ”って感じなのかな(笑)。

歌詞の面でも新たな挑戦はありましたか?

滝澤
挑戦って言うほどではないんですけど、「Make a life」はサビで英語を使いたかったんです。リード曲の「パステル」は《ありがとう》で始まるんですけど、今までだったら絶対にそれはやらなかった。でも、《ありがとう》以外は違ったんです。自分の気持ち的にそれしかはまらないから書いてしまえって。今までは迷ったらいろいろなことを気にしてしまって書けなかったんですけど、今回は迷ったらとりあえず書こうって思っていました。

今作では配信リリースした「幻にしないで」の前に「パステル」が入っているわけですが、その流れで聴くと「幻にしないで」がより切なく聴こえるという。

滝澤
あぁ、そうですね。意識したわけじゃないんですけど、みんなで収録曲と曲順を決めた時、僕らもそう思いました。その上で「パステル」をもう1回聴くと、より温かく感じられる。個々の楽曲が個性を放てる曲順というか、そういうミニアルバムになりましたね。

その2曲はラブソングですが、ラブソングという意味ではこれまで以上にストレートに歌詞を書いていますね。

滝澤
今まではストレートに書くことが自分の中ではタブーだったんですけど、今回はそれを取り払って、できるだけストレートに。まだ遠回りしているところはあるかもしれないんですけど、ストレートに書けて良かったと思います。
秋山
大地の中で何かきっかけがあったんでしょうね。より刺さるものになったと思います。
岡田
私は勝手にちょっと恥ずかしくなりました(笑)。ストレートな曲なので“お客さんはどんなふうに反応するんだろう?”と思っていたんですけど、ライヴでやってみたらやっぱり反応が良くて。バンドマンの友達も“「幻にしないで」好きだよ”って言ってくれるんですよ。
滝澤
自分の人生を考えることって誰しもあると思うんですけど、ネガティブな意味じゃなく、バンドとして残された時間ってどれくらいなんだろう?って考えると、表現の仕方を制限したらもったいないなって。何も冒険しないなんて面白くないじゃないですか。一度切りのバンドだし、人生だし、できる限りいろいろな伝え方、書き方をしたほうがいい…と思った時、そういうふうに書こうと自然に思えたんです。

ラブソングではありませんが、バンドマンの気持ちを歌った「tbh」の歌詞は、その生々しさが聴く人にグサッと突き刺さるんじゃないかと思います。

滝澤
やっぱり、バンドマンが“いいね”と言ってくれますね。

タイトルは“To be honest”の略で“ぶっちゃけ”という意味なのですが、滝澤さんの正直な気持ちなのですか?

滝澤
そうですね。書けるところまでぶっちゃけて書いてみようって思いました。書いてみた結果、自分でも好きな曲になったんですけど、“バンドマンにウケるってことは、一般の人たちにはそんなにウケないのかな?”って思いました(笑)。

いや、そんなことはないと思いますよ。“ここまで歌うか!?”という気迫や覚悟を感じましたが。

滝澤
今までそういう気持ちは言わなくてもいいと思ってたんです。言うとダサいし、他の人にどう思われるのか気になっちゃって。でも、言わないとなかったことになっちゃうし。1回、他の人の目なんて気にせずに書かなきゃいけないなと思ったんです。

「幻にしないで」「tbh」を含め、今回のミニアルバムを聴いたら、滝澤さん含め、チェリナというバンドがすごく身近に感じられると思います。冒頭に言った通り、そういう意味でストレートになった印象があるんです。ところで、ブルージーな「モノクロ」も今までなかった曲なのでは?

滝澤
サポートのギターの方がジョークで送ってきたフレーズがカッコ良かったのでそこから進めていったら、“面白いじゃん、面白いじゃん”って3~4時間でできちゃったんです(笑)。今までだったらやらなかったでしょうね。

どの曲もライヴ映えすると思うのですが、4月27日から始まるリリースツアー『『Newmour!』レコ発 愛と勇気とNewmour!をツアー』は6月16日の代官山UNITでのワンマンでファイナルを迎えます。最後に、その意気込みを聞かせてください。

滝澤
代官山UNITという規模の会場でワンマンをやったことがないから、不安がないと言ったら嘘になるんですけど。去年『檸檬』をリリースしたあと、“新たに動き出そう! チャレンジしよう!”と思って、“1年後に代官山UNITでやろう”ってチーム全員で決めたんです。怖いけど、ビビったらあの時の気持ちまで嘘になっちゃうような気がするんですよ。だから、6月16日のその日まで、できるだけ自分たちも面白いと思いながら楽しめるように、足掻いて足掻いて足掻いて、絶対に成功させてやろうと思ってます。その成功っていうのはたくさんの人に観てもらうことももちろんですけど、ライヴの出来としても。今までのワンマンも特別だったけど、さらに特別な何かを表現しようと考えています。気張っていこうと思います!

取材:山口智男

ミニアルバム『Newmour!』2019年4月3日発売 NEON project
    • NEON-1006
    • ¥1,700(税込)

ライヴ情報

『『Newmour!』レコ発 愛と勇気とNewmour!をツアー』
4/27(土) 東京 ・ 赤坂 CLUB TENJIKU
w)卯ノ花クダシ、QLTONE、iffy、コトフル、Ms.understanding、bivouac、アオイハル、green youth、アテレモ
4/30(火) 宮城・仙台 FLYING SON
w)LINE wanna be Anchors、The Cheserasera、Radicalism
5/01(水) 福島・郡山 PEAK ACTION
w)LINE wanna be Anchors、indischord、This is LAST、THE GREENBACK
5/06(月) 山梨・甲府 CONVICTION
w)後日発表
5/11(土) 神奈川・関内 BAYSIS
w)後日発表
6/16(日) 東京・代官山UNIT ※ワンマン

『MiMiNOKO ROCK FES JAPAN in KICHIJOJI 2019』
5/26(日) 東京・吉祥寺エリア7会場

『TAILWIND pre. My PALETTE 2019』
6/08(日) 新潟・新潟 GOLDEN PIGS BLACK
w)GOODWARP、シロとクロ、QLTONE、とけた電球、acanerco

CHERRY NADE 169 プロフィール

チェリーナード イチロクキュウ:2005年結成のギターロックバンド。ライヴ活動、音源発表をするかたわらさまざまなオーディションにも参加。16年7月にギタリストが脱退、8月にサポートドラムの岡田ぴのりが正式加入し、現在の編成となる。17年9月、2年振りとなるアルバム『なまえ』をリリースした。CHERRY NADE 169 オフィシャルHP

L→R 岡田ぴのり(Dr)、滝澤大地(Vo&Gu)、秋山貴英(Ba)
ミニアルバム『Newmour!』

「Make a life」MV(Short ver.)

「tbh」MV(Short ver.)

「幻にしないで」MV

アルバム『Newmour!』トレーラー

OKMusic編集部

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