L→R 安代大士(Gu)、塩貝直也(Vo&Gu)、中瀬元気(Dr)、田中健史(Ba)

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【Noise and milk】バンドの歴史を記
録した、現体制最初で最後の一枚

4人体制となって初となるミニアルバム『Noise and milk』を2月4日にリリース。しかし、リリース前に、田中健史と中瀬元気が3月にバンドから離れることを発表。現体制最初で最後となった、Noise and milkにとって区切りとも言える今作について訊いた。
取材:高良美咲

本誌初登場のため、まずはNoise and milkの結成のいきさつを教えてください。

田中
日本のロックを救うために結成しました。
安代
日本のロックを救うために加入しました。
塩貝
俺と(田中)健史は中学からの同級生で、最初はふたりで始めたけど、ドラマーがいなかったんですね。仕方ないからふたりとも弾き語りをしてて、ある日の対バンに、倖田來未みたいな女の子のバンドがいて、その後ろで叩いてたモヒカンのドラマーが(中瀬)元気で、その3日後にはもうNoise and milkでしたね。当時高校生です。理由については彼らの言う通りです。

結成当時はどのようなバンドを目指していたのでしょう? 活動の中で何か変化はありましたか?

田中
もともとは『グラストンベリー・フェスティバル』への出演を目指してました。歌詞に関しては英語から日本語になりました。
塩貝
徐々にデカいところを目指し始めましたね。それは置かれた環境の変化もあると思うけど、今はデカいスタジアムでやれるバンドになりたいです。

2013年に前作『This Future』をリリースしましたが、今改めて振り返るとどのような作品になったと思いますか?

中瀬
このアルバムから“よりみんなに伝わりやすいものを作っていこう”というモードになって、歌詞が日本語になったし、この時はレコーディングもライヴ感が伝わる一発録りにしました。僕らの意思が伝わる、いいアルバムになったと思います。
塩貝
本格的に日本語で歌い始めた最初の作品。これが一番大きいですね。そこには戸惑いもありましたけど、これが俺らの第一歩には違いないから。タイトルも挑発的で、らしさは出てると思います。日本語で歌うターニングポイントになった「Unfortunately」っていう大事な曲も入ってるし。

2014年4月にはギターの安代さんが加入して現在の4人体制となりましたが、ライヴや制作の面でどのような変化がありましたか?

塩貝
それまでは自分で歌いながらギターの音の心配もして、集中がどっちかに行きすぎることもあったんだけど、何よりギタリストが増えたってことによって俺の意思にかかわらず鳴ってるギターがあるから、心配し切れなくなりました(笑)。それまでより安心して歌えるようになりましたね。
安代
4人になったことによって、音の密度が格段に上がったと思います。音楽性が広がったというより、それぞれの曲が色鮮やかになったかなと。
中瀬
今までより自分が楽曲の中でどう振る舞うかを見直しましたね。音が増えるとそれを聴かせるために、どうしても何かを減らさないといけなくて。ドラムはそれがしやすい楽器だと思うので。

2月4日にリリースとなったミニアルバム『Noise and milk』は、4人体制となって初、さらに3月には田中さんと中瀬さんがバンドから離れるということで、現体制の最初で最後の作品となるわけですが、いつ頃からどのような作品にしようと考えていましたか?

中瀬
2014年の11月頃かな? 基本的に腰が重いんです(笑)。やっぱり4人になって初めての作品になるし、何より僕はこれがNoise and milkとしての最後の作品になるので、個人的にも思い入れは強かったです。一切の妥協をしたくなかったし、していません。
塩貝
何より、デカいサウンドにしたかったですね。開け切った真夏の野外に似合うような。キーワードにしてたのは“スタジアムロック”。初めて俺が自分でギターを弾かない曲ができて少し不思議な気持ちになったりもしました。でも、安代っていう信用してる奴が弾いてるから。口は散々出したけど(笑)。
安代
結成当初に披露していた曲から、つい最近に完成した曲まで収録しているので、僕たちの歴史を記録した作品だと感じてもらえたらいいかな。僕はリスナーとしての立場からギタリストという立場に移り変わりましたが、名刺代わりのような一枚に仕上がったと思います。
田中
面白い要素がたくさんあるので笑ってください!みたいな作品です。

今作の制作の上で主軸になった曲があれば教えてください。理由もお願いします。

塩貝
やっぱ先行して出した「Lost And Lonely」かな。

「Lost And Lonely」は、コーラスなどライヴのシーンが想像できる一曲でした。

塩貝
4人になって初めて作った曲が「Lost And Lonely」なんですよね。ギターが1本増えたっていうのを最大限に利用して、デカいサウンドを作り上げたつもりです。分かりやすいギターソロもあったり。それはスタジアムを目指す上では当然のことだけど、それまでの俺らからしたら挑戦だったかも。
中瀬
やっぱり“スタジアム”がキーワードになっていて、みんなが思わず手を振り上げちゃいそうな、そういうイメージで作りました。

「Lost And Lonely」と「There's No Solution」は2014年10月に全国で無料配布していますが、反響はありましたか?

田中
えぇ、そりゃもちろん。“最高”としか言われませんでした。それ以上の言葉がなかったんでしょうね。
安代
大体、無料配布CDって不織布ケースに入ったようなクオリティーのものが多いですけど、普通に店頭で販売されているようなクオリティーを目指して製作しました。CDコレクションに並べても埋もれないように。同時公開したPVも併せて楽しんでもらえたかと。
中瀬
全国に置いてもらったんですけど、Twitterとかを見てるといろんな人が手に入れてくれてて、知ってもらえた喜びと同時に絶対気に入ってくれるだろうという自信もありました。
塩貝
この2曲は配信シングルとしてもリリースしたから、夏に先行して録ったよね。
中瀬
そうそう。だから、アルバム制作の時にはマスタリングとか、細かい調整もしました。

「Punk Song(Slow Down)」は1分半の中に遊び心に富んだ音が取り入れられていて、繰り返して聴きたくなる曲でした。

中瀬
ありがとうございます。端的に言うと、“好きなもの全部入り”です(笑)。笑ってしまうほど、1分半という短い時間にNoise and milkらしさが詰まっています。
安代
変な奴がすごい勢いで走ってきて、そのままどっか行って、“今のは何だったんだ?”って感じの曲です。実は頭から離れない感じ。
塩貝
俺は二重人格なので、パンクスな俺がこの曲に“Punk Song”って付けて、その後エモいほうの俺が“(Slow Down)”って付けました。
田中
土佐を脱藩し、浪士となりながらも、武市半平太や坂本龍馬らと幕末の世を駆け抜けた、岡田以蔵のような切れ味鋭いギターリフが駆け抜ける短命な曲です。

鋭さや繊細さが垣間見える多彩な展開の「Inside of Me」も聴きどころですね。

中瀬
他の曲より流れや雰囲気を、しっかりメンバーで共有しましたね。展開が多いので、誰もはぐれないように。
塩貝
エモいけどエッジーなギターロックって印象。王道だよね。曲中でテンポを落としてギターのミュートが入るって、それだけでスタジアムっぽいし、そういうの聴いたらアガるでしょ。デカいリフからスタートして、叫んで、最後はエモくって、スタジアムでしかないし、それこそ全部入り。
田中
“スタジアム”のひと言に尽きますね。『サマソニ』の大阪のマウンテンステージでやっていても負けないと思います。オーシャンステージの音をかき消すぐらいの轟音のイメージです。

日本語詞の楽曲がメインになりつつある中で「Feather」は原点である全編英語詞ですが、制作の面で何か違いはありましたか?

塩貝
「Feather」と「Brilliant Idler's Song」は10代の頃に全部英語だった頃からやってた曲で、安代が加入して“あの曲やらんの?”ってことでもう一度やるようになったんですよね。制作の段階で当時のニュアンスは残っているので、それを今の俺らがやったらどうなるのか?っていうのもあったし。今考えたら10代でこれやってたのは結構攻めてるなって思う(笑)。
安代
僕たちは大体、英語が乗った状態で始まることが多いんですけど、普通にそのまま完成しました。リフのスピード感と英語特有のテンポの良さがハマったんですかね。
中瀬
安代の言う通り、作曲段階ではどの曲も適当な英語を乗せて歌っていることが多いので、そういう意味では特に違いはないかな。ただ、英語は持ってるリズムが日本語と違うので、よりエッジーな感じは出てるのかなと思います。

それぞれ、思い入れのある曲はありますか?

塩貝
「Romance」かな。曲と歌詞を書いてるのは全部俺なんですけど、いつも歌詞はすっげぇ後からしか書かないんですよね。でも、この曲だけは曲ができてから数日で歌詞までできたんです。そういう意味で、いつ出来上がったのかもはっきりしてるので思い入れはありますね。このサビのメロディーが俺自身すげぇ好き。“Noise and milk”の“milk”の部分、甘いところがたくさん出てますね。エモくなれる曲。
田中
「Feather」かな。ベースが難しかったので。
中瀬
「Inside of Me」かな。カッコ良いし。
安代
同じく、「Inside of Me」ですかね。4日間のケンカを経て完成した曲だからか、最も完成度が高いと思っています。ラーメンを食べて仲直りしました。
塩貝
ラーメンよりカレーが良かった…。

今作で挑戦したことや注目してほしいところはありますか?

中瀬
前回からの成長、そして改めて僕らの“らしさ”を感じてもらえたら嬉しいですね。細かく、随所に散りばめてあります。
安代
一度完成したものを壊すような勢いでレコーディングをしてました。冒険と挑戦なんですが、爆笑しながら録音するってシーンもたくさんありました。聴けば聴くほど面白いポイントが見つかると思います。
塩貝
人として何事も挑戦がなくなったら終わりだと思うし、細かい部分でもあらゆる挑戦の連続だったと思います。妥協せず作り込むっていうのは精神力もいるし。俺はギターヴォーカルだから、嫌でも最後まで気を張った状態でスタジオにいないといけないわけで。メンバーとケンカした後はエンジニアとケンカするみたいな日もあったかな(笑)。それも新しい挑戦のためだから最後にはみんな納得してくれました。このバンドは挑戦の塊。

そんな“Noise and milk”というセルフタイトルが名付けられた今作はアグレッシブな楽曲の他にもスローテンポでだんだん広がりを見せていく「Sanity」や「Romance」まで、さまざまな8曲が収録されましたね。

塩貝
セルフタイトルって一度しか使えないので、それを俺らの自信の表れだと思ってもらえたら。作品としてはこれまでよりがっつり作り込めました。それは環境に恵まれたからもあるけど、何より俺らの意思がバッチリ揃ってたからだと思う。「Sanity」のスローなテンポは新しい挑戦だし、同じところに留まってはいられないので、そういうNoise and milkのスタンスまではっきり見せられたミニアルバムになりました。
安代
もともと“エクスプロージョン!”ってアルバムタイトルが候補にあったのですが、発案20分後にボツとなりました(笑)。今回は曲単位ではなく全編を通して“全部入り”を一貫したので、セルフタイトルに相応しい作品になったかと思います。
田中
散りゆく花のようなものが僕は好きなので、一瞬一瞬に全てを捧げています。“刹那”と言うのでしょうか、それが大胆に繰り広げられています。今までの結成からの流れを踏襲したアルバムになりました。いかにもNoise and milkですね。

作り終えて何か得たもの、発見できたことはありましたか?

田中
義理と人情ですかね。
塩貝
いちご大福の美味しさ。
中瀬
このバンドはやはりカッコ良いということです。再発見というか(笑)。
安代
現体制最後の作品にセルフタイトルを名付けたことによって、次のステージへ行く覚悟が高まりましたね。後戻りはできないし、前に進むしかないというのを実感しました。セルフタイトル後の次の作品ってワクワクしますよね。楽しみにしていてください。
塩貝
あとは、困った時は俺のグレッチで弾けばいい音が鳴る。あのギターこそNoise and milk。

ここで改めてNoise and milkとはどのようなバンドだと思いましたか?

安代・中瀬・田中
王道ロックバンド。
塩貝
ロックバンドたるロックバンド。俺はパンクス。

最後に、現在のNoise and milkとしての展望などがあれば教えてください。

安代
最終的な目標は変わらず、『グラストンベリー・フェスティバル』への出演ということにしておきましょう(笑)。まずは日本の各地のビッグなイベントでビッグなサウンドを轟かせまくってやりたいですね。
田中
真剣にやってきた俺たちのバンドのひと区切り! 見てくれよな!
中瀬
とりあえず、3月6日の京都nanoでのライヴがNoise and milkとしての僕の最後の日です。オリジナルメンバーでのNoise and milkを観られる最後の機会です。ぜひ、目に焼き付けてください。
塩貝
何より、デカいフェスの夜に似合うバンドになりたいですね。俺らがその位置までいかないと、他の誰かには任せてられないし。メンバーが変わっても、それは変わらないです。こいつら(田中・中瀬)もそれを望んでるだろうし。
『Noise and milk』
    • 『Noise and milk』
    • RDV-0021
    • 2015.02.04
    • 1500円
Noise and milk プロフィール

ノイズアンドミルク:2010年、京都で結成。結成当初から、10代で『COMINGKOBE』、20歳の時には『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』にオーディションで優勝して出演を果たす。3ピースとして活動を行なっていたが、14年4月に4人目のメンバーとしてギターに安代大士が加入。15年2月4日、2ndミニアルバム『Noise and milk』をリリース。Noise and milk オフィシャルHP

OKMusic編集部

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