L→R 三橋隼人(Gu)、尾形回帰(Vo)、武田将幸(Gu)

L→R 三橋隼人(Gu)、尾形回帰(Vo)、武田将幸(Gu)

【HERE インタビュー】
HEREには“やる”という
選択肢しかない

HEREが1年10カ月振りのリリースとなる、4曲入りEP『詩になる』をリリース。コロナ禍や元メンバーの死、息子の誕生と、人生の転機になるような大きな出来事を経験し、そこで感じたことをしっかりと作品に反映した、バンドにとって重要な意味を持つ今作について、尾形回帰(Vo)と武田将幸(Gu)に話を訊いた。

仲間の死と息子の誕生を経験して、
自分の人生観も大きく変わった

4曲入りEP『詩になる』がリリースされましたが、2020年12月にリリースした6thアルバム『風に吹かれてる場合じゃない』から現在までは、HEREにとってどんな期間でしたか?

尾形
アルバムリリース後の昨年2月に『ハイテンションフェス2021』(2会場往来型ライヴ)を開催したんですけど、緊急事態宣言下だったので、直前まで開催するかしないかをスタッフや出演者と話し合う中で、“こういう状況で開催するのはHEREしかいないから、ぜひやろう!”と全バンドが賛同してくれたんですよ。それがすごく嬉しかったし、力強くて。

僕も会場で観させてもらいましたが、会場にはたくさんの笑顔があって。すごく落ち込んでた時期に、HEREのアルバムや『ハイテンションフェス2021』の開催が、すごく救いになったし、希望になりました。

尾形
今となれば“あの時にやって良かった”と思いますし、少なからずライヴハウスシーンへの影響はあったんじゃないかなと。その後、『POWER TO JAPAN 2021』というチャリティープロジェクトを立ち上げた時にも18組のアーティストが参加してくれました。対バンライヴは未だに少ないですけど、人前で歌うことやバンド仲間と何かを成し遂げるというところで、改めて人とのつながりを大事にした期間でしたね。そういう経験が自分たちの力にもなりました。
武田
ライヴを大事にするのは昔から変わらないけど、今は当日まで開催できるのか分からない状況なので、ひと際ライヴの重みを感じながら活動しています。“もっとたくさんの人を巻き込んでいくにはどうしたらいいんだろう?”と、より真剣に考えるようにもなって、発信すること、伝えていくことの大切さを強く感じています。

その時その時で自分たちにできることを考えて行動していて、今作『詩になる』ではこの数年で考えたことや感じたことも反映されていますね。今出すべき楽曲だと思いますし、今リリースすることに意義がある作品だと思います。

尾形
今年の2月から3月にかけてツアーをやっていたんですけど、ツアー直前の1月に元メンバーの宮野大介の訃報が入って、個人的な話では3月に子供が生まれまして。宮野は15年以上バンド活動をともにしてきた仲間ですし、頼りにしていた存在だったので、いなくなってしまったことにすごく喪失感がありました。仲間の死と子供の誕生を経験することで、生きることや死ぬことについて改めて考えさせられて、自分の人生観も大きく変わりましたね。やはり歌詞にも影響はあって、これから次作のアルバムに向けて曲を作っていきますけど、ここからできる曲は今までとは変わっていきそうな気がしているんです。

今作の4曲を聴いても歌詞に一貫性みたいなものがあって、それをポジティブに昇華できていると思います。HEREが新たなフェーズに突入できそうな感じがありますよね。

尾形
そうですね。特に表題曲の「詩になる」は再出発にぴったりの曲になったと思います。

大袈裟に言うと、歌うことや曲を作ることの意味や根幹の部分まで書かれていて。HEREにとっての「詩になる」は、今後歌うことに迷ったとしても戻ってこれる曲になったと思います。

尾形
自分たちもいつ何があるか分からない中、時間が限られていることを改めて感じたので、その中でどんな言葉を選んで、どう発信していくかを見極めて、研ぎ澄まされた言葉や音をひとつひとつ表現していきたいと思って作りました。
武田
尾形の歌詞はノンフィクション感が年々増していて、言葉に人生を刷り込んでいると感じています。だから、ここまで曝け出してくれる人に対して、恥じないような、負けないような演奏をしなきゃいけないと。「詩になる」もそうですけど、僕も“自分の人生を少しでも多く作品に落とし込んでいきたい”という気持ちは、前作くらいからすごく強くなっているんです。
L→R 三橋隼人(Gu)、尾形回帰(Vo)、武田将幸(Gu)
配信EP『詩になる』

OKMusic編集部

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