【アンテナ】“再出発と決意”という
意味を込めたミニアルバム

儚さを持ちつつ芯のある歌声、彩り豊かなサウンドですぐにその名前を全国に轟かせること間違いなし! そんなアンテナが前作から約3年半振りにリリースする、ミニアルバム『バースデー』について渡辺 諒(Vo&Gu)に訊いた。
取材:高良美咲

アンテナは2010年に宮城県仙台市で結成されたということですが、まずは結成のいきさつと現在に至るまでの経緯を教えてください。

前作『さよならの代わり』のリリースが決まっていた時にもともとのメンバーが脱退してしまい、そこで集まってくれたのが現メンバーになります。あの頃は“本気でやる”ぐらいしか思ってなく、明確に“こうなりたい”というビジョンはまだありませんでした。『さよならの代わり』をリリースしてから県外でのお誘いが増えたので、ライヴ活動と会場限定シングルを主に活動してましたね。

会場限定シングルを除くと、今作のミニアルバム『バースデー』は2011年12月にタワーレコード限定でリリースしたミニアルバム『さよならの代わり』から約3年半振りの作品となるわけですが、いつ頃から制作に取り掛かっていたのですか?

リリースを意識したのは昨年末ぐらいからです。どうしても会場限定CDからも収録したかったので、新録したのは3曲だけでした。『バースデー』には“再出発と決意”という意味を込めていて、3年間リリースもなく水面下で動いていたところからの“再出発”と、3年前とは違う届き方になってほしいという“決意”なので、今作はもともとあった6曲で3年前と同じ気持ちでこれから始まる、という内容にしています。

タイトル、リード曲の「バースデー」は、まさに“ここから変わっていく”“ここからはじまる”という意思を感じました。

実は、「バースデー」自体は3年前にできていて、ずっとライヴでしかやってなかった曲なんです。それを今作のために歌詞を変えたりしました。喜びや葛藤、決意が詰まった曲をやっと音源にできて嬉しいですね。

弾んだバンドサウンドとタンバリンの音が高揚感を誘う「サニーデイ」は、以前に会場限定でリリースしたシングル「少年トランスファー」の収録曲ですが。

「サニーデイ」もライヴの定番曲としてずっと演奏しているのですが、だからこそ全国流通を通してはじめましてになる方にもライヴの定番になってほしいと思って収録しました。出来が良かったので再録はせず、今作にもそのまま収録しました。

「サツキ」も以前にライヴ会場限定でリリースしたシングル「天使の秘密」の収録曲で、歌い出しから言葉がストレートに入ってきて、語りかけるような歌詞が印象的でした。始まりの鐘の音も耳に残りますね。

もともと“オーケストラが入るような盛大な曲にしたい”と思っていたので、それをコーラスで補っていきました。全編通してコーラスがてんこ盛りなのは「サツキ」ぐらいですね。それでいてメロディーも耳馴染みが良かったので、良い意味での子供っぽさが欲しくて、歌詞も小学生~中学生あたりの頃を意識しています。曲冒頭の鐘の音はラフ音源を作った時にたまたま入っていた音で、“なんか開ける感じするから残そう”と本録音でもそのまま入れ込みました(笑)。

スローテンポな「各駅停車」は、いつ頃書かれた楽曲でしょうか?

まだ持ち曲が3曲しかなかった結成当時の一曲です。本当は根こそぎアレンジも変化させたかったのですが、そのままでいくことが「各駅停車」という曲にとって一番幸せなかたちだと思っています。初ライヴから多くの方に好きだと言ってもらえた曲を変えてしまうのは良くないと思ったので。

「ブックメーカー」は繰り返される言葉やコーラスワーク、言葉の響きがポップな曲ですね。タイトルの“ブックメーカー”は賭け事をする人の意味だそうですが。

「ブックメーカー」は最初、“ヒットメーカー”というタイトルでした。言葉を選ばないで言うと、“売れたい”“もっと聴いてほしい”という自分のストレートすぎるところを歌詞にしています。内容が結構ストレートになってしまったので、タイトルは少しだけボカしてあげないと、逆に重たくなりすぎるように感じて“ブックメーカー”に落ち着きました。

最後を締め括る「溶けたいよ」は淡々とした曲の中で感情的に声を張り上げる《ばかやろう》という言葉が衝撃的でした。

2年ほど前に仙台でのライヴで一度だけ披露していて、今回アルバムを作る際に歌詞の内容と収録曲のバランスを見てみて、入れたら良さそうだと思ったのがきっかけです。「ブックメーカー」と同じように、“自分のことをもっと知ってほしい、なんで分からないんだ”という気持ちを伝えた時に“ばかやろー”ぐらい言っちゃってもいいかなと思い、そのフレーズにしました。ギリギリなんですけどね、発する言葉としては…(笑)。

全体を通して情景が目に浮かぶ、ストーリー性のある歌詞が多いですね。歌詞を書く際のこだわりなどもあれば教えてください。

人間のドロドロしたところの本音と建前を全部すくい上げて、それでも人間としていろいろな人とのつながりや“生”というものに“ありがとう”と言えるようなものを作りたいと思っています。

今回の制作ではどのようなことを学ぶことができましたか?

普段意識していなかった細かいところやニュアンス、息遣いなどどれかひとつだけでダメになったり、それに助けられたり…曲の表情を作り出すことの繊細さに改めて気付かされました。アンテナの強みである言葉と声の輝きを磨かなければいけないというふうに感じましたね。次回作ではより大きな色で伝えられると確信してます。

ミニアルバム『バースデー』は現在のアンテナの集大成的な作品になったと思うのですが、出来上がってみてどのような一枚になったと思いますか?

『バースデー』はこの3年間の歴史です。3年前にすでに出来上がっていた曲と、そこからの3年の間にできた曲が混ざった6曲で、昔のアンテナと今のアンテナがこういうかたちで一緒になりました。写真アルバムの感覚で大事にしていただきたいと思います。

今作が出来上がったことによって、アンテナとしては今後にどのような可能性を感じていますか?

“まだまだ良くなるなぁ”と感じています(笑)。現在作っている曲と今作の曲を並べてみても良い意味での変化を感じるので、しっかりと“再出発”という意味を担ってくれると思います。

リリース後、5月15日には地元の仙台MACANA、6月5日には下北沢SHELTERでのワンマンライヴを予定していますが、意気込みをお願いします。

仙台では3年振りのワンマン、東京は初のワンマン。本当に楽しみですけど、思い出にするようなものではなく、あくまで今後につながる通過点としてしっかり成長を残せたらなと思っています。ワンマンならではの特別感も伝えられると嬉しいです!!
『バースデー』
    • 『バースデー』
    • NKV-1001
    • 2015.05.06
    • 1620円
アンテナ プロフィール

アンテナ:2010年、宮城県仙台市で結成。11年 12 月にタワーレコード限定1stミニアルバム『さよならの代わり』を発売。その後は2枚の会場限定シングルをリリースし、東京・仙台での自主企画もソールドアウト。数々のイベントに出演を果たすと入場規制がかかるなど、精力的に活動を広げている。アンテナ オフィシャルHP

OKMusic編集部

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