L→R Katsutoshi(Ba)、Masaki(Gu)、Nobu(Vo)、Yussan(Gu)

L→R Katsutoshi(Ba)、Masaki(Gu)、Nobu(Vo)、Yussan(Gu)

【Pulse Factory インタビュー】
この曲がどんな立ち位置になって
どんな景色になるかがとても楽しみ

前作ミニアルバム『FLAGS』から約1年振りとなる2曲入りシングル「SUPER BABY」は、ライヴはもちろん、これからのPulse Factoryの可能性も広げる一枚に!

まずはPulse Factoryの結成のいきさつから教えてください。

Nobu
僕はリーダーのYussanに声をかけられて一緒にスタジオに入ったのが一番最初です。そのスタジオで曲を合わせて、そのまま加入が決定しました。すでにヴォーカル以外のメンバーは揃っていたので、Pulse Factoryとしてひとつのかたちが出来上がったのがこの時ですね。
Yussan
メンバーは全員、音楽の学校で出会いました。ツインギターのバンドをやってみたいなと思って同じクラスだったMasakiを誘い、Katsutoshiと以前のドラムが加わりました。Nobuは歳がひとつ下なんですけど、彼が入学してきてすぐのライヴを観た時に声をかけました。その後はNobuの言っている通りですね。でも正直、当時はここまでバンドをやることになるとは思わなかったです(笑)。

当時と比べて、何かバンドに変化はありますか?

Nobu
紆余曲折はありましたが、音楽性は結成当時から変わってないんじゃないかと思ってます。その中で、お客さんがどうすればライヴをより楽しめるかとか、何を伝えるべきで自分たちはどうなっていくべきかとか、そういう部分はかなり話し合ってきました。なので、メンバーの意識や芯はどんどん強くなっていますし、それがライヴでの強みにもなってると思います。自分で言うのもなんですが(笑)、曲を聴いてからライヴに来た人にとってはギャップがあるんじゃないかと思うくらい、笑顔になって楽しめるライヴをしていて。そういった意味では、今回の作品は僕たちの中でも思い切った部分がありましたね。MVも含め、良い意味でフランクな部分というか、ライヴ感が分かるような作品になりました。
Masaki
僕もYussanと同じようにこのバンドを結成した時はこんなに長くやると思っていなかったので(笑)。最初は遊びの延長だったものが、聴いてくれる人ができて、いろんな土地へ行って、知らぬ間にこのバンドが染み付いていったというか。結成当初のほうの曲なんて今聴くとすごく恥ずかしかったりもするんですが、それはまだ全然自分たちの音楽が固まっていなかったからという部分もあって。曲を作っていったりライヴをしていく中で、“自分たちに一番はまるものはこれだ!”というものがひとつできてからはそれを芯にしてるので、今回のような楽曲を発表しても楽曲の幅が広いというふうにとらえてもらえると思います。

2017年9月にタワーレコード限定でリリースしたミニアルバム『FLAGS』を改めて振り返って、どんな作品になったと思いますか?

Katsutoshi
初の流通盤ということもあって自分たち的には予想以上の反響でした。発売から約1年経った今でも、『FLAGS』に対する問い合わせをいただくことが多いです。当時の自身最高傑作として世に出したミニアルバムでありながら、バリエーション豊富でかつ自分たちらしさを存分に詰め込んだ音源ですね。今でもよく聴きますが、その度に良い音源ができたなと思います。

では、今回のシングル「SUPER BABY」ですが、いつ頃から制作に取り掛かったのですか?

Masaki
曲自体の制作に取り掛かったのはわりと締め切りギリギリのタイミングでした。というのも、自分たちの悪い癖だとも認識していますが、追い込まれてからようやく本領を発揮できるというか(笑)。制作に取り掛かる前に“こういう曲が今必要だ”とか話し合いはしたりしますが、具体的なイメージというよりはとても抽象的に“明るい曲作りたいな”ぐらいのイメージだったと思います。
Yussan
大体いつも“曲を作ってストックしておこう”とか“リリースがここら辺やから早めに作っておこう”って思うのですが、結局今回もギリギリで(笑)。僕は土台である自分たちのスーパーロックサウンドの曲で、ライヴ映えする曲をイメージしていました。サウンド面も今まで曲に使ったことのない音やフレーズも入れてみたいと思っていたので、今回もまた良い作品になったと思います!

これまでのイメージとしてはどストレートなロックが多かったのですが、今回の「SUPER BABY」のようなさわやかでキャッチーな楽曲が出来上がったのはなぜでしょう?

Masaki
まさにその通りで、現状MVを発表している曲の多くはどストレートであり、これが今までのPulse Factoryのイメージだったと思います。ある意味でそれが“らしさ”につながったとは思いますが、それに縛られるのは違うと思っているし、“次の作品のリード曲もこういう感じなんじゃないか”という予想を裏切りたかったというのは大きいかもしれません。今までは「SUPER BABY」のような曲が表題曲になることがなかっただけで、意外とこういう曲調のものは自分たちの楽曲の中にも存在しているので、この曲が完成した時はMVのイメージしかり、満場一致で表題曲にすると決めたことを覚えています。

最初から最後まで一貫して聴く人の背中を押すようなメッセ―ジがあって、最後は《疲れ切った顔で またここで笑おう》と締め括るのが印象的でした。

Masaki
“これはこういう曲なんだ”と明言してしまうと受け取る側のイメージが固まりそうで嫌な部分もあるんですが…あえて言葉で表すと、いつも応援してくれている人たちと自分たちの歌です。毎日楽しい人もいれば毎日楽しくない人もいるし、多種多様な人たちが集まっているライヴハウスという場所では変ないがみ合いやしがらみ、いらない気遣いは捨てて、今ぐらいは肩を抱き合おうっていう。その場で一緒に楽しんでる人たちが敵であるはずがないわけだから。“今が終わっても明日からまた頑張って、疲れた顔でライヴハウスで笑おうぜ”っていうことを伝えたかったというのはあります。

メンバー内で共有したイメージはどういったことでしたか?

Nobu
今までの楽曲でもそうでしたが、まずバンド内で共有するのはライヴでお客さんが歌える箇所だったり、ジャンプや振り付けができたりする箇所の認識ですね。“ここはこういうイメージ”って伝えられて“なるほど”と思う時もあれば、“ここは普通に聴かせるポイントにしたら?”みたいな時もあるので、その辺は結構話し合うことが多いと思います。
Yussan
「SUPER BABY」に関しては、とりあえず“叫んで楽しく”っていうところですかね。サウンド面ではキラキラしたイメージだったので、バックで流れるシンセ系の効果音はそういうイメージで入れました。より楽しい感じが伝わればいいなと、他の楽曲よりシンプルを心がけてサウンド面はアプローチしましたね。
Masaki
今までの楽曲よりもさわやかでキャッチーな要素が含まれているので、ゴリゴリすぎる音にならないようにとか。あとは、僕はライヴ中にギターを置いてどこかに行くことがあるんですが(笑)、そうできないように自分のフレーズにちょっと難しめのものも取り入れたりはしました。そういうのはいつもYussan側に振ってるので(笑)。

MVでは振り付けを踊っているシーンもありますね。

Nobu
MVの公開後に多かったコメントが“この振り付け、早くライヴでやりたい!”でしたね。まぁ、そこが狙いでした(笑)。僕らのライヴは身体を動かして一緒に楽しんでくれる人がとても多いので、MVを観て覚えてくれればすぐにみんなで踊れるようになると思います。この曲がセットリストの中でどんな立ち位置になってどんな景色になるかがとても楽しみです。
Katsutoshi
振り付けの他にも手拍子、ジャンプ、走り回ったりといろいろできる曲なので、とりあえず終始わちゃわちゃしてほしいです。というか、そうなると思います(笑)。

NIRVANAのデビューアルバム『Nevermind』をオマージュしたジャケ写も気になるポイントです。

Masaki
とにかく見て一発で印象に残るものにしたかったということと、今回の楽曲のタイトルが決まった時に頭に浮かんだものがアレだったというのが大きいです(笑)。このジャケットを見て、何のオマージュ?という話になった時に、NIRVANAを聴いたことのない人たちがこれをきっかけに聴いてみてほしいなと思います。…って余計なお世話ですかね(笑)。

「カメレオン」はメロディアスさもあるラウドな一曲ですが、1度聴いただけで耳に残るフレーズが盛りだくさんでした。

Yussan
やったことがないアプローチをAメロで入れてみたり間奏で激しめのデジタル音を取り入れてみたり…でも、サビは自分たちらしく。今までにありそうでなかったものに仕上がったと思っています。音源でももちろん楽しめますが、ライヴ好きにはたまらない曲ではないかなと。今までに積み上げた自分たちらしさという部分が前面に出た曲になったと思います。

ライヴを前提に楽曲を作っていることが多いのですか?

Masaki
最近の楽曲制作に関しては常にライヴを意識していますね。Yussan同様、フロアーがどういう景色になるかを想像しながら作っていくわけですが、それを意識しすぎると詰め込みすぎのパンク状態になるので、やりすぎずちょうどいいところに落とし込む試行錯誤はしています。初めて自分たちを観てくれた人が1回聴いただけで分かるような分かりやすさと、逆に聴き込まないと分かりにくい部分との兼ね合いというか。ただ、それを意識せずに作ることも大事というか、心をグッと掴める最強のメロディーを提示したいので、ライヴのことは1回置いておいて曲を作ることもありますけど。
Yussan
“こういう歌える部分があったらいいかな”とか“ここは頭振れるようにしたいな”とか、お客さんがライヴでどういう動きをしているのか、どういうふうに楽しんでいるかを想像しながら。一緒に大声で叫ぶのってなかなか日常ではできないと思うので、こういう要素は常に取り入れていきたいと思ってます!

同期も盛り込み多彩なアプローチに挑戦していますが、それに負けないNobuさんのヴォーカルありきで成り立っているのかなと思いました。

Masaki
歌以外の部分というのは詰め込もうと思えばどれだけでも詰め込めるわけですが、それをするにはヴォーカルの力が必要なのは当然のことで。この部分にこの音が欲しいけど、Nobuの声が埋もれるから止めようとかそういうことはあまりしたことがない気がします。歌の邪魔にならないようにいらない音は消していくということはやるかもしれませんが。彼の声はわりと独特で、力強くもあり切なさも含んでいる声。そこはNobu様々ですね。毎日彼の写真に手を合わせて感謝しています。嘘です(笑)。

それぞれ今作の聴きどころを教えてください。

Nobu
ここはこういうふうに歌おうとかはもちろんありますし、どこにどんなハモりを入れるかとか、どんなエフェクトをかけるかとかで曲の感触もかなり変わってくるので、聴く人からしたらひとつの答えでしかないんですけど、いろいろ試した結果の歌であり曲だと思います。なので、言葉の表情とかも意識して聴いてくれたら嬉しいですね。
Masaki
「SUPER BABY」は2Aの左ギターと曲終わりのユニゾン部分。シンプルに作ったがゆえに、最後はこういう小賢しいことをしたくなるんですよね。
Yussan
ちょいちょい入るギターのハモり、ラスサビ後のタッピング、そしてラストのドラム、ベース、ギターでユニゾンでキメて終わるところも聴いてほしい。さわやかな曲だけど意外と細かいんですよね。「カメレオン」はイントロや間奏で薄っすら流れるリードギターとサビのバックのリードギター。どんなふうに盛り立ててるか、気にして聴いてもらえたら嬉しいです!
Katsutoshi
今回は特に目立ったプレイというのはないんですが、自分の引き出しにないフレーズや“これ、ライヴで弾けるかな?”って思うようなフレーズも取り入れたりと挑戦した部分があります。今までの音源と比べてみて気付いてくれたら嬉しいです。

では、シングル「SUPER BABY」は出来上がってみてどのような一枚になりましたか?

Nobu
なかなか2曲だけで“自分たちはこんなバンドです!”って伝えるのは難しいんじゃないかと思ってるのですが、今回はPulse Factoryらしさをいいギャップで出せたと思っています。この2曲からつながる11月のアルバムがどんな仕上がりになるのかが楽しみになるような一枚ができましたね。これが500円ですから、良い世の中になったと思います(笑)。次のアルバムもまだあるのですが、ひとまずは無事完成したことに安堵しています。いつもCDが完成したあとは“この作品がこれからどう化けていくのかな?”と思うので、僕の中ではまだライヴでお客さんとともに曲を作り上げるという工程が残っています。そういう意味ではこれからだと思っています。今からとても楽しみですね。

リリース後の9月には東名阪でワンマンライヴを開催しますが、どういったライヴが期待できそうでしょうか?

Nobu
3カ所でのワンマンライヴは以前にもやっているので、その時以上の景色を期待しています。まずは今までの自分たちを超えられないとバンドとして成長できないですからね。新しい曲もセットリストに加えてどんなワンマンになるか…期待と不安がちょうど半分ずつぐらいです。このワンマンが終わってから見えてくるビジョンや動きもあると思うので、先のことも見据えたライヴにしたいです。常に自分たち、お客さんがわくわくする方向へ進んでいきたいと思っています。

取材:高良美咲

シングル「SUPER BABY」2018年9月5日発売 NEW ARROWS
    • NAPF-0003
    • ¥540(税込)
    • ※タワーレコード限定

ライヴ情報

★ワンマンライヴ決定!
9/08(土) 東京・下北沢ReG
9/09(日) 愛知・名古屋今池3star
9/15(土) 大阪・梅田Zeela

Pulse Factory プロフィール

パルスファクトリー:2011年7月結成の大阪発のロックバンド。自主レーベル“NEW ARROWS”を設立し、2017年9月に1stミニアルバム『FLAGS』を発表。翌18年9月5日にシングル「SUPER BABY」をリリースする。Pulse Factory オフィシャルHP

L→R Katsutoshi(Ba)、Masaki(Gu)、Nobu(Vo)、Yussan(Gu)
シングル「SUPER BABY」

「SUPER BABY」MV

OKMusic編集部

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