【コレサワ インタビュー】
失恋した人たちをどん底に落とし、
引き上げるアルバムにしたかった
切なくリアルな恋心を等身大の言葉で歌うコレサワが、失恋をコンセプトとするミニアルバム『失恋スクラップ』をリリース! 女の子の苦しみ、切なさ、愛らしさ、かわいさなどの心境の機微を全て曲にした、共感度120パーセントの今作について直撃した。
「たばこ」を聴いて病んだ人たちを
もっと病ませてしまうかも(笑)
開口一番で伝えたいんですが、新作を失恋がテーマのコンセプトアルバムにしたのには、リスナー誰もが納得だと思うんです。
あはは。ありがとうございます。リスナーの方から“「たばこ」(2017年3月発表の配信シングル)を聴くと病む”とよく言われるので、また病ませてしまうかもしれないですね(笑)。でも、きっとファンの方は喜んでくれると思います。
コレサワさんと言えば失恋ソングというイメージが強いと思うのですが、改めてこういったコンセプトアルバムを出そうと思ったのはなぜでしょうか?
“2019年がそういう気持ちだった”というのが正直な気持ちなんですが、何より「たばこ」を多くの人に聴いてもらえたことが大きかったですね。その曲が持つイメージを覆すというよりは、より深めて聴いてもらいたいと思ったんです。恋愛だけのことを歌っているアーティストって、そんなにたくさんはいないと思いますし、ここまで失恋にピントを合わせた作品もあまりないので、自分的には楽しみながら作ることができました。
“失恋”というテーマだけで、たくさんの曲を書くことは難しくありませんでしたか?
う~ん…今回も実体験や思ったことをそのまま歌詞に反映させているので、苦悩はまったくなかったですね。“お客さんは一体どんな顔をするんだろう”と思いながら作っていました。…また“重たい”“メンヘラ”って言われるのかな(笑)。
あはは。あえて“メンヘラ”という言葉をずっと避けていたんですけど(笑)。
私自身はメンヘラではないですし、ハッピーな人間だと思っているんですよ。でも、コレサワを聴いている女の子とは付き合いたくないとか言われていて(笑)。“それ、ファンに失礼だから!”って思うんですけど。
あはは! でも、そうやって反応してくれるのは嬉しいですね。
そうですね。以前に“褒められてばかりじゃダメだよ”と言われたことがあるんです。“嫌いな人にまで届いて一人前だから、悪い評価があったほうが良い”と言われたからこそ、もっと頑張らなくちゃって思っています。
基本的にポジティブなんでしょうね。
そうですね。私が思うにポジティブな人って、ネガティブな考えをちゃんとしてから気持ちを上げていくんだと思うんです。私もそのタイプなので、ネガティブな気持ちを跳ね除けて、さらにポジティブでいたいですね。
曲順は最後まで悩まれたそうで。
はい。ただ“気持ちを落としてやろう”と思ったわけではなくて、失恋がテーマなので、本当に失恋した人が聴いた時にちゃんと泣けたらいいなと思ったんです。なので、最後は明るく終わるのではなく、あえてどん底にまで落とす。で、また1曲目から聴いてもらえたら嬉しいです。
すごくコンセプチュアルだからこそ、ある程度書く時に計算は必要だったと思うのですが。
それが、どう受け取ってもらえるかはあまり考えずに作った曲が多いんです。本当に自分のプライベートな部分が多いから、そんなことを考えている暇がないというか…だからこそ、友達に相談するように素直に書こうと思いました。あとは、みんなが歌詞に自分を重ねて聴けるようにリアルに描きすぎてしまうことが多いんですが、そこまでリアルになりすぎず、余白を持たせて描けた気がします。そのほうがより多くの人に刺さると思ったんですよね。
そう思ったのは何かきっかけがあったんですか?
自分の身を削りながら歌うことは、自分が一番やりたいことですし、あまり着飾ることなく、本当の考えを書くほうがファンの人は嬉しいんじゃないかと思ったんです。私のプライベートを見せたいわけではないですが(笑)、好きなアーティストのプライベートの話を聞くのって、めちゃくちゃ楽しいじゃないですか。こんなものを食べたとか、こんなところに行ったとか。そういったものを私がお客さんに話すように、自分の気持ちを書けたような気がしています。
きっと同じような体験をしている同世代の女の子はすごく多いでしょうしね。
そうだと嬉しいなぁ。女の子たちは、恋愛して、付き合って、別れて、それをずっと繰り返していると思うんです。仕事と恋愛の悩みは永遠の悩みだからこそ、私は恋愛について歌で追い打ちを掛けて、逆に前向きになってもらえたら嬉しいですね(笑)。
逆に(笑)。
ここまで素直に自分の気持ちを書くことで、何か分かったことはありますか?
歌ったら気が済む人間なんだと思いました。話したらすっきりするってよく言うじゃないですか。私も曲にした途端、“はい、次!”という気持ちになれるんです。この気持ちはこの曲に留めたから、もう何をしても消えないって思えて、安心して次に行けるんですよね。なので、ひとつの想いを引きずることはほぼないですね。
なるほど!
料理に似ているのかもしれない。食べたいものがあったら、作って食べますよね。面倒な時ももちろんありますけど、“これを食べたい!”と思ったら作って、食べて、消化するというのと同じなんですよ。また明日になったらお腹は減るだろうし。そうやっていろんなものを書けたらいいなと思っています。