【ナキシラベ インタビュー】
一番モットーにしていることは、
みんなが言いにくいことを言いたい
完全にヒップホップに振りきっていて、
伸び伸びと作ってくれている
その表題作「DREAMING」もアツくて、いい楽曲ですが、カップリング「ごめんね(UNHOLY)」にはちょっとびっくりしました。“このバンドはこんなこともできるんだ!?”っていう驚きがありましたよ。
たか
さすはヒップホップがめっちゃ好きなんで、これを作る前に“好きなヒップホップを具現化してみたら?”ってことを言ったことがあったんですよ。で、その「ごめんね(UNHOLY)」のデモをもらった時は、“めっちゃ好き勝手していていいな”って。完全にヒップホップに振りきっていて、伸び伸びと作ってくれているのがいいなって思いました。
ゆりえ
私もこの曲のデモを聴いた時は、正直言ってびっくりしたというか、“あっ、そういう感じをより強く出してやっていくんだ!?”って思いましたね。でも、さすはヒップホップが好きで、ルーツにあることを知っていたから、「ごめんね(UNHOLY)」みたいな曲を作ってくれて、“こういうことができる”っていうメッセージ性としても誇らしいというか、すごく嬉しく思います。バンド冥利に尽きると言いますか、楽しいし、面白がれる。歌詞もサウンドにつられヒップホップすぎず、ちゃんとさすが伝えたいことを一貫して書いているので、最初はびっくりしましたけど、今はもう面白くて、今回のシングルはこの2曲で良かったって思っています。
作者としてはどんな想いで「ごめんね(UNHOLY)」を作られたのでしょうか?
さす
「ごめんね(UNHOLY)」はカップリングっていう位置もあって、メッセージもそうですけど、作曲として好きなことを貫いてやろうと思って。好きなことを純度100パーセントでやったら、みんなの勇気にもなったりするかなと。そういう意図で、ちょっと好き放題やってみました。
サビのメロディーも秀逸ですよね。男女ツインヴォーカルのユニゾンで、このバンドの特徴をすごく活かしていると思います。
さす
ありがとうございます。他の曲よりおそらくキーが2、3低いっていうところもあって、バーって鳴らした時に低く聴こえるように考えていたのと、基本はラップだからサビ以外の部分ではめちゃめちゃ自分が足し算、引き算みたいな感じでフィーチャーされると思ったので、サビではゆりえちゃんにフォーカスが当たるようにユニゾンにして、僕は下で…という設計でした。
しかも、「ごめんね(UNHOLY)」はCDオンリーでサブスク配信なしだそうじゃないですか。CDを買って聴かないとこのバンドの今とこれからが分からないという、その心意気みたいのも素晴らしいと思います。
さす
ありがとうございます! “ごめんね(UNHOLY)”というタイトルは…これは広い話になってしまうんですけど、自分たち人間は誰でも汚れなく生きることって難しいと思っていて。ただ、それを“汚い/きれい”の二面で分けるんじゃなくて、“グレーの部分も人間にはあっていい”と僕は思うんです。“どれくらい自分が汚いのか?”…“汚い”と言ってもダーティーほどではなく、“アンホーリー=不浄”っていう。そう思った時、サム・スミスの「Unholy(ft. Kim Petras)」を聴いて、“UNHOLY”ってカッコ良い言葉だと思って。自分にもすごい思い当たるところがあるし、どれくらい自分が堂々と…というか、“過去を足かせにせず、不浄であることを受け入れて、どれだけ進むかだ”と思って、“UNHOLY”っていう言葉を入れたかったんですよね。“ごめんね”っていうのは皮肉なんですけど、“アンホーリーでごめんね”という。
取材:帆苅智之
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シングル「DREAMING」2023年12月6日発売
Happinet Music/KURAMAE RECORDS
ナキシラベ:2014年春に結成。バンド名の由来は泣き叫ぶ意味の“哭き”と、旋律を意味する“調べ”を合わせた造語。伸びやかなツインヴォーカルに加え、HR/HMを彷彿させるザクザクとしたギターリフとダイナミックなドラムを武器に、ヒップホップやR&B解釈的なフロウ=一見カオティックな要素を独自の昇華によって広義でのオルタナティブへと落とし込んだ楽曲を響かせる。23 年1月よりKURAMAE RECORDに所属。同年3月に配信SG「55」、4月に配信シングル「夜鷹」を立て続けに発表し、12月にシングル「DREAMING」をリリース。 ナキシラベ オフィシャルTwitter
「DREAMING」