L→R 虎丸(Dr)、もにょ(Ba)、咲吾(Vo)、志記(Gu&Mani)

L→R 虎丸(Dr)、もにょ(Ba)、咲吾(Vo)、志記(Gu&Mani)

【BabyKingdom インタビュー】
胸を張って想いを伝えることができる
土台がやっとできた

往年のビジュアル系をやりました! 
僕が憧れたものを作りました!

もう1曲のカップリング「AWAKING BEAT」はゴシックメタルを感じさせる楽曲で、シンコペーション多めのこれもまたグイグイとくるナンバーなんですけど、こちらの制作背景についても教えてください。

志記
この曲の作詞作曲は僕なんですけれども、本当におっしゃられたとおり、狙ったところ、やりたかったところはシンコペーションなんですよね(笑)。今のビジュアル系の楽曲はハードロックだったりヘヴィメタルという、僕が憧れた時代の音楽とはまた違うものが主流になっているですが、僕の中ではLUNA SEAさんだったり、いわゆる往年のビジュアル系ってシンコペーションだったんですよ。BPMが200を超える速い楽曲が本当に減ってきている中で、どうしてもそれをしたい欲求が僕の中で抑えきれなくなって。僕の中では“往年のビジュアル系をやりました! 僕が憧れたものを作りました!”っていう強い気持ちがあるんですよね。ゴシックはBメロが特にそう感じさせるのかなと思うのですが、どうしてもそのBメロだけは“志記節”というか、僕節がどうしても出てしまった。普通に考えれば、たぶん流れるようなBメロだと思うんですけど、そこでゴシック調のものが頭の中にできてしまって、“どうしてもこれをやりたい!”っていう。これはベースのフレーズとメロディーが頭の中にできてしまって、もう抑えられなくなって、そのゴシック部分を作ってしまったって感じですね。

あと、Cメロ後でボーカルにラジオエフェクトを入れているところとか、“これこれ!”とニコニコしながら聴きましたし、本当にいちいちツボを心得た楽曲だと思います。いろいろと狙ったんですね。

志記
ありがとうございます(笑)。その“これこれ!”っていうのはやっぱり俺の中で一番テンション上がるんですよ。笑顔になる驚きもあるんですけど、テンション上がる驚きというか、それは“これだよ! これだよ!”っていうところなんで、“狙った”って言ったら…本当に狙いましたね(笑)。

歌詞は「PENGUIN DIVE」とわりと共通していると言いますか、“自分らしくあれ!”というところをより強調してるようなところはありますし、楽曲の速さや強さにも関係しているのか、「PENGUIN DIVE」以上に背中を押す力が強い印象がありました。

志記
歌詞はツアー中に書いたんですけれども、本当にありがたいことにファンの人がたくさん増えて、ライヴの度に“ハリーポッターかな?”っていうくらいの分量の手紙をいただくんですよ。僕、それを絶対に全部読むんですけど、“やっぱり人ってそんな生きることが不安なんやな”ってすごく感じて。で、僕自身、hideさんが大好きでビジュアル系をやっている部分もあるし、hideさんって全力でずっと背中を押してくれる方だと思っているんで、“自分もそういう人になりたい”っていう想いがすごくあって。そういう子たちの背中を押すのはやっぱり歌詞の部分だったりするから、“僕もそういう歌詞が書けへんかな?”と思っていた中で書いたものになるんです。その中で、ツアー中にYouTubeで三島由紀夫さんのインタビューを見つけて…パクったっていうくらいまるまる引用せていただいたんですけど(笑)、それがAの《成長は自由を奪い/恐怖を覚える事だけど》のところで。成長って知識をつけることだけど、知識をつけてしまうと昨日できていたことを今日やろうと思ったら怖くなってしまうことが多々あると。でも、それに対して躊躇せずにやれる大人がカッコ良いっていう大人の美学みたいなことを言っていて、それにすごく共感してしまったんです。僕が音楽を始めた時にやりたかったことって“これ、今やってもウケけへんやろうなぁ”って頭になりがちだけど、それは違うと思った中で“よし! 俺がカッコ良いと思うものをやろう!”と思って作ったのが「AWAKING BEAT」で、その想いを歌詞にした感じです。

今回のシングルは3曲通してバンドがより剥き出しになってきたことを感じるところです。その辺、ご本人たちはどんなふうにとらえているんでしょうか? 

咲吾
メッセージ性が強くなった理由は、もちろん自分の中で自信がついたっていうのはあるんですけど、昨年、僕が発声障害になって声帯ポリープもできたり、散々な一年やったんですよ。ずっと歌えない時期があって、今年になってようやくちょっと調子が良くなってきて、お客さんや関係者からも褒められることが増えてきて。実はそれまでステージに立つことがずっと自分の中で不安だったんですけど、それがなくなって自分の思ったことを堂々と胸張って言えるようになったんです。特に夏のツアーは全ての会場で後悔のないライヴを一本一本、最初から最後までできたと自分では思っていて。自分の中で発信することに対する楽しさというか、ちゃんと胸を張って想いを伝えることができる土台がやっとできたと思えたので、そこで…ですね。BabyKingdomを始めて7年が経って、ようやく土台が固まってきた。自分の中での成長もあって、今すごく自分の人生に満足していますし、幸せなので、そういったところで今回メッセージ性が強くなったのかなと僕自身は思っています。

取材:帆苅智之

シングル「PENGUIN DIVE」2023年11月1日発売 アビーミュージックファクトリー
    • 【初回限定盤 Atype】(CD+DVD)
    • AMFD-1019
    • ¥1,980(税込)
    • 【通常盤 Btype】(CD)
    • AMFD-1020
    • ¥1,650(税込)
    • 【通常盤 Btype】(CD)
    • AMFD-1020
    • ¥1,650(税込)

ライヴ情報

『winter oneman tour 「WHITE STEAM」』
11/11(土) 兵庫・神戸 VARIT.
11/12(日) 京都・KYOTO MUSE
11/14(火) 広島・SECOND CRUTCH
11/18(土) 福岡・INSA Fukuoka
11/23(木) 大阪・OSAKA MUSE
11/26(日) 愛知・名古屋 Electric Lady Land
12/02(土) 神奈川・新横浜 NEW SIDE BEACH!!
12/03(日) 千葉・柏 PALOOZA
12/09(土) 宮城・仙台 ROCKATERIA
12/12(火) 東京・Zepp Shinjuku(TOKYO)

『BabyKingdom Xmas oneman LIVE』
12/25(月) 東京・渋谷 WWW
※べびきん クリスマス会 2023

BabyKingdom プロフィール

ベイビーキングダム:2016年7月26日より活動を開始し、同年11月に大阪MUSEにてワンマンライヴを開催。そして、21年4月には日本橋三井ホールにて初のホールワンマン公演をソールドアウトさせ、同年8月にZepp DiverCityにてワンマンライヴを成功させた。バンドコンセプトは“MUSIC THEME PARK=音楽のテーマパーク”。創造するテーマパークのアトラクションを拡大し、巨大テーマパークを構築し続けるバンド。CDリリースごとにさまざまな音楽表現や衣装変更を行ない、年齢層や性別を超えて受け入れられる楽しい楽曲を表現する。 BabyKingdom オフィシャルHP

「PENGUIN DIVE」MV

OKMusic編集部

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