【ircle インタビュー】
“心よ動け”と俺たちは
言い続けると思う
ircleが新レーベルMURO_RECORDSからリリースするニューアルバム『こころの℃』は泥臭くも素直で、“生きる”ことへの覇気があふれた一枚。周囲を睨みきかせるような緊張感が漂う「ホワイトタイガーオベーション」で始まり、切なくも心温まるロックバラードやポップなラブソング、もちろん痛快なロックナンバーも収録され、楽曲ごとにアプローチは違うが、総じてぶれないバンドであることを痛感する。そんな今作について河内健悟(Vo&Gu)に訊いた。
どんな表現方法でも最高の曲たちになる
約5年振りのフルアルバム『こころの℃』、泥くさくて直向きで正直な一枚だと感じました。ご自身ではどんなイメージで制作されましたか?
楽曲ごとにアプローチは違いますが、今作を聴いてircleがぶれないバンドであることも痛感しました。完成してみての手応えはいかがでしょうか?
まず1曲目の「ホワイトタイガーオベーション」は周囲を睨みきかせるような厳ついバンドサウンドで、自分の奥に潜む反骨心を表現しているのがカッコ良いです。間奏の荒々しさからは怒りのような感情も受け取れますし。ここで歌われている“知らない人らの視線”と言えば、SNSなんかも当てはまるなと。
「エヴァーグリーン」はircleの現状を歌っているように聴こえます。《心の温度で 繋げた未来で 騒がしいこの世界を 愛せますようにと歌おう》というフレーズは、今のircleだからこその説得力と力強さを感じました。
“怒りも悲しみも含めて、全てを力強く愛していきたい”という想いこそが、ircleの音楽を作っているという核心があったように聴こえました。
「ハミングバード」はやわらかな印象もあるロックバラードで癒されました。《小さな部屋で鳴いてた声も好きだった》というフレーズにはやさしさと別れのつらさがあり、サビには亡くなった人にも届けるような壮大さがあって。
高揚感のあるアッパーなイントロで始まる「メイメツ」は、サビで転調する忙しなさに驚きました。歌詞と連動して、現実と想像を生き来しているような展開で、アルバムの中盤でより集中力が高まる感じが面白かったです。