L→R 小出栄司(アップライトベース)、水口彰太(ドラムス)、柏原利之(ガットギター)

L→R 小出栄司(アップライトベース)、水口彰太(ドラムス)、柏原利之(ガットギター)

【LOOP POOL】このバンドの面白さや
可能性を改めて感じた

路上や野外、船上など場所を問わずライヴ活動を行なう3ピースインストジャムバンドLOOP POOL。バンドの活動について、そして前作『√(root)』から約2年振りとなるアルバム『Now And Then』についてメンバーに語ってもらった。
取材:高良美咲

LOOP POOLはジャズやエレクトロを主軸にしていますが、結成した当時はどのようなバンド像を思い描いていたのでしょうか?

柏原
どんな場所でもどんなシチュエーションでも聴ける音楽、ループするフレーズを基調として、高揚したり空間が広がっていくような音楽をやりたいと思い結成しました。今でもその方向性は続いています。

どのような活動を主軸に行なってきたのですか?

柏原
2008年の結成当初はマイペースにスタジオで曲を作り、たまにライヴハウスでライヴをするような活動でした。2010年頃からガットギターを使うようになり、渋谷で路上ライヴをスタートし、その年に現在のドラム水口が加入しました。その後、路上ライヴで多くの方が集まるようになってくれて、どうすればより伝わるか、踊れるかと3人で試行錯誤を重ねながら曲作りをしていました。そこから作成した1stアルバム『circle』でバンドの方向性は見えてきたように思います。
水口
『circle』ができてからはトントン拍子に、路上ライヴに来てくれた方のご縁でMotion Blue YOKOHAMAでフリーワンマンライヴをさせていただいて、キャンセル待ちが出るほどの大盛況になったんです。また、その頃から“One On One”というレーベルにマネジメントをお願いして、『GREENROOM CAMP』などの野外フェスへの出演も実現しました。全国流通してヴィレッジヴァンガードさんに長い間展開していただきましたし、タワーレコードの広島店さんなどいろんな方にお世話になりました。リリースパーティーとなったjizueとのツーマン船上ライヴも大成功で、『BIGJOINT FESTIVAL』への出演でシーンのバンドとも仲良くなりましたね。2ndアルバム『√(root)』は路上ライヴで作り上げた楽曲中心で、1stからいかに進化するかという部分で試行錯誤して。この作品は今作の『Now And Then』につながっていくアルバムで、1stの徹底したミニマリズムが根底にありながら、そこから飛び立とうといろんなことを試した作品です。これ以降は小中規模のフェスにたくさん出させていただいたり、渋谷WWWでのツーマンライヴをさせていただいて、高い手応えがあり、他にもSchroeder-HeadzやADAM at、JABBERLOOP、PHONO TONESなどとの対バン、SPECIAL OTHERSやNabowaも出演した『Sing Your Song!』出演など充実していましたね。そこから得たものも動員して満を持して今回のアルバムを発売となりました。

メンバーそれぞれの音楽のルーツとしてはどういったものがあるのですか?

柏原
ギターを始めたきっかけがBOØWY、ギターに初めて感動したのがJimi Hendrix、グルーブミュージックに目覚めたのがダニー・ハサウェイかな。
小出
PLUS/MINUSで実験的なポストロックに興味を持って、Soul Coughingを聴いてウッドベースの魅力とサンプラー効果に衝撃を受け、エレクトロニカに目覚めたのはMumですね。
水口
ryoji ikeda、Miles Davisなど前衛的な才能が好きで、エレクトロニカ、ポストロック、ジャムバンド、J-JAZZにももちろん影響を受けています。カラオケではB’zを歌いますね。

路上や野外、船上など、幅広い場でライヴ活動を行なっていますが、“ライヴ”に対しての想いやこだわりは?

柏原
原点は路上ライヴなので、僕たちの音楽を通してお客さんが楽しんでくれて、そのお客さんたち同士でつながってくれたことはすごく感動的だったし、これからもそんな場をいろいろな場所で届けていきたいです。
水口
やはり路上ライヴは僕らのようなバンドが演奏してるという意外性、日常に溶け込んだ非日常性、ライヴハウスではできない自由があります。逆にライヴハウスは徹底的に準備をして音にこだわって、デコやVJなどさまざまなエフェクトを駆使して大きい音を出して完全な非日常を演出できますが、予定調和をこなすライヴにならない努力が必要なのかなと。

約2年振りとなるアルバム『Now And Then』のタイトルには“今と過去”という想いが込められていますが、制作する上で示したかったことはどのようなことでしたか?

柏原
前作までは景色や映像をイメージできるような曲を中心にやってきたのですが、今回のアルバムはそれらに加えて、内面的な部分や悩みや弱さを抱えながらも、強く生きていくような生き様を表現したいと思ったんです。さまざまな過去を乗り越えて今を生きているという素晴らしさや強さをこのタイトルに込めました。また、全曲ライヴで栄えるようなアルバムにしようとも思っていたので、これまで応援してくれたみなさんとこれからのお客さんが交わってくれるような願いも込めています。
水口
今回は大きな変化をしなければなりませんでした。自分たちの甘さとひとつひとつ向き合って、改善していって、新しいサウンドを作らなければならない。そう覚悟してメンバー間でたくさんの話し合いをしましたし、4つ打ち中心でいくことやどういった曲を作ろうかということまで、意志を持って制作に挑みました。ジャケット制作もアルバムのテーマからモチーフを考えてお願いしましたし、そういったことは過去2作では妥協がありましたが、今回は大きくクリエイティブな面で飛躍できたと思います。タイトルには、そういう自分たちの今と過去という意味合いも強く含まれています。

バンドで楽曲の制作をする際はどのように進行していくのでしょうか?

柏原
コード進行やフレーズから作った曲、セッションしてかたちになった曲などいろいろありますが、最終的には3人で音を出してかたちにしていって。3人それぞれが単体で聴いてもカッコ良く成立している時に曲にします。これまでにボツになった曲は山ほどありますね。

今作は「Intro」から幕を開けるというのも、もともとの構想としてあったのですか?

柏原
1stと2ndと同様に、今回も「Intro」は各アルバムのある1曲につながります。CDを全曲を通して聴いていただけると、どこかでつながるようになっています。この「Intro」後の2曲目からそれぞれのパートが登場し、音が重なっていく様子をぜひ楽しんでほしいです。

リード曲の「Nowhere」についてはどのようなイメージがあったのですか?

柏原
内面的な部分を表現する曲を作ろうと思いました。行き場のない弱さや悩みを持ちながらも、強く生きていくようなイメージの楽曲になったと思います。

波の音が印象的な「波」をはじめ、立体感を感じさせるサウンドで楽しませてくれるのも印象的でした。

柏原
より理想のバンドサウンドにするために、音作りの部分をギター、ベース、ドラムそれぞれ前回から一新して今回の作成に臨みました。
水口
僕らの年代的に自然な表現方法でブライアン・イーノからエレクトロニカまで幅広く聴いてきていますし、音源に特化したかたちというのもまたCDを出す上で自然なことなのかなと思います。

「全てに祈る」はガットギターをメインに、曲が進むにつれて音数が増えて、奥行きのある骨太でグルービーな展開をみせますね。

柏原
広い世界と平和への願いを込めています。メンバーで今回のアルバムの曲順を考えていた時、この曲はアルバムの最後の曲ということで一致しました。

アルバムの中で、特に思い入れのある楽曲があれば教えてください。

柏原
2曲目の「哲学」です。これまでとは違うアプローチでバンドらしさが表現できたと思います。今回のアルバムで内省的な面を表現している曲は、「Nowhere」とこの曲だと思います。

2年振りの作品となるわけですが、どういう一枚になったと思いますか?

柏原
2ndアルバム以降、2年も間が空きましたが、その間に活動して得たことを全て今回のアルバムに詰め込みました。これまでにはなかったバンドの一面が出せたと思っています。『Now And Then』を作ったことで、このバンドの面白さや可能性を改めて感じています。曲順や曲間などライヴを意識した構成にしているので、ぜひCDを通して聴いていただきたいです

リリース後には全国ツアーを回り、11月22日には渋谷WWWでワンマンライヴを予定していますがどのようなライヴが期待できそうでしょうか?

柏原
今年行なった自主企画やツアーから多くのことを吸収して、この1日に昇華させるつもりです。特別な一日になるようなライヴにします。よろしくお願いします。
『Now And Then』
    • 『Now And Then』
    • RVV-0001
    • 2016.07.13
    • 2200円
LOOP POOL プロフィール

ループプール:2008年に結成。3人組インストゥルメンタルジャムバンド。渋谷、横浜で路上ライヴを行なうようになり、ジャズやエレクトロニカを軸にした独特な世界観が人気となる。路上や船上、ライヴハウスでのライヴ活動をはじめ、野外フェスへの出演、アジアツアーの開催など精力的な活動を行なっている。16年7月13日、2年振りとなるフルアルバム『Now And Then』をリリース。LOOP POOL オフィシャルHP

OKMusic編集部

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