エディ・リーダーが歌う
「蛍の光」(Auld Lang Syne)を
聴きながら1年を締め括り、
新しい年を迎える
フェアグラウンド・アトラクションの
リード・シンガーとして鮮烈なデビュー
この人の歌には気高さ、芯の強さを感じさせながら、どことなく埃っぽさ、土臭さがある。それでいて、決して俗っぽくならず、清々しい。それは英国人(我々はイングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドを一括してしまうが)ではなく、スコットランド人なのだという矜持みたいなものから来るのだろうか。そんな彼女がロバート・バーンズを歌う。ケチをつけるところが見つからない出来だ。本作はきっと終生、彼女の代表作として長く位置し続けると思う。
演奏はほぼアコースティックで、ギターのコリン・リードやイアン・カー、アコーディオンのフィル・カニンガム、フィドルのジョン・マッカスカー、他、ケルティック系の手練のミュージシャンが彼女を支える。楽器の音、弦楽器の織りなすアンサンブルの豊かさにも魅了されるだろう。アルバムがニューウェイブ、パブロック系のラフ・トレードからリリースされたのは意外だった。
今年も悲喜こもごもいろいろなことがあった一年でした。別れもあれば再会、出会いもまた…。「蛍の光」を聴きながら、来年が誰にとっても平和で善き年になることを祈らずにはいられません。最後に、今年もこの連載をお読みくださいまして、心よりお礼申し上げます。皆様、どうぞ、よいお年をお迎えください。佳き音楽とともに!
TEXT:片山 明