【連載コラム】稚菜、童謡「里の秋」
をカバー

今日のコラムはいつもと変えて、まず先にこの曲を聴いていただけたらと思います。

この歌、きっと知っているって方も多いのではないでしょうか?
音楽の教科書に載っている童謡、「里の秋」です。
私は学校では歌った事はなかったけれど、
音楽の教科書をただぼーっと眺めるのが好きで、
目を通した事があったのでした。笑
さて、では皆さんは、この曲の1番と2番の歌詞を聴いてみてどう解釈しましたか?
田舎に暮らす母と子の、ゆったりした秋の日の歌
そんな解釈が多かったのではないかな、と思います。
私も最初はそうでしたが、どうしてもひっかかる歌詞の一部分があって。
それが“あぁ父さんのあの笑顔 栗の実食べては思い出す”という部分。
お父さんは遠い所に仕事に行ったのだろうか?それとも亡くなったのだろうか?
ふと疑問に思い何気なく調べてみました。

この童謡、実は元々、太平洋戦争の最中、
南方に戦いに行っている父を思った子供の気持ちを歌った歌だったのです。
3番と4番の歌詞になるとはっきりと分かります。
“きれいな きれいな 椰子の島
しっかり守って下さいと
あぁ 父さんのご武運を
今夜もひとりで 祈ります”

“大きく 大きく なったなら
兵隊さんだよ 嬉しいな
ねぇ 母さんよ 僕だって
必ずお国を 守ります”

里の秋という曲名も元々は“星月夜”という曲名でした。
戦争で死ぬ事こそが一番の誉れだと思っていた時代、
母と子二人になってしまったとしてもそれは名誉な事なのだと歌われているのでした。

今の教科書には1番と2番までしか載っていません。
では何故この曲がその様になったのか。
昭和20年に戦争が終わり、南方で戦っていた兵士達が乗った引き揚げ船の第一船が帰ってくるお祝いとしてNHKが特別番組を制作。
そこで「兵士を迎える歌」として歌われる事になりました。
しかし、このままでは歌えない歌詞だった為、4番を削除し、
3番も次の様に変えられました。
“さよならさよなら 椰子の島
お船にゆられて 帰られる
あぁ 父さんよ ご無事でと
今夜も母さんと 祈ります”
一見明るい童謡に、実はこんな意味があった事。
それを子供の頃は何も知らずにただ楽しく歌っていたんだなぁって思うと何だか不思議な気分です。
気付かなかった事をきちんと知る事が出来て良かったなって思います。
改めて今の日本が平和であるという事を再認識し、
感謝しなければいけないなと思う瞬間でした。
最近、ライブやこのOK Musicのコラムでも沢山カバー曲を歌わせてもらうようになり、
今回この里の秋という曲に巡り会いました。
知ってから聴くとまた景色が違って見えるし、歌に対する気持ちも変わります。
里の秋以外にも、まだまだ色んな意味を持った童謡が沢山あるようです。
知らず知らずの内に歌い継がれている童謡を、
これからはその当時の想いも一緒に受け継いで、歌って伝えて残していきたいと思います。
皆さんも是非、他の曲も調べて聴いてみて下さい。

それでは。

著者:稚菜

OKMusic編集部

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