こんな夏だから染みる! 切な懐かしい俺の夏ソング

こんな夏だから染みる! 切な懐かしい俺の夏ソング

こんな夏だから染みる!
切な懐かしい俺の夏ソング

基本的には毎日、明るく楽しく過ごしたいタイプなので、切ない音楽にしんみり浸るより、アッパーな曲でテンション上げていきたいし。夏は海やフェスに行って、照りつける太陽の下で汗かきながらビールを飲んで、ゲラゲラと笑って過ごしたいけれど。そうさせてくれなかったのが2020年の夏。長い梅雨が明けたと思ったら、ニュースでは「残暑厳しい中……」なんて早くも夏終了のお知らせ。旅行や帰省もできず、フェスも次々と中止になり、家の中でクーラーに当たって悶々とした日々を送っている今年の夏。自然と聴いてたのはテンション上がる夏ソングではなく、切な懐かしい夏ソングでした。ということで、今回は『こんな夏だから染みる! 切な懐かしい俺の夏ソング』を紹介。極私的なランキングですが、あなたの夏の夜のプレイリストに混ぜてやってください。懐いぜ、夏いぜ!
「みじかい夏は終わっただよ」収録アルバム『とどめをハデにくれ』/Theピーズ
「青すぎる空」収録アルバム『旅路ニ季節ガ燃エ落チル』/eastern youth
「うみ」収録アルバム『トランタン』/真心ブラザーズ
「サマージャム'95」収録アルバム『5th WHEEL 2 the COACH』/スチャダラパー
「真夏の果実」収録アルバム『海のYeah!!』/サザンオールスターズ

「みじかい夏は終わっただよ」('93)
/Theピーズ

「みじかい夏は終わっただよ」収録アルバム『とどめをハデにくれ』/Theピーズ

「みじかい夏は終わっただよ」収録アルバム『とどめをハデにくれ』/Theピーズ

想い出すたびタマキンが震えるあの子とのサイナラを夏の終わりに例えて、開き直りやカラ元気に近いテンションで歌うこの曲だけど。今年の夏は《ひるねばっかで日も暮れたんだよ みじかい夏は終わったぁだよ》という歌詞まんまだった! で、《もう やりたい事もねーだよ》って強がり言って、《来年までひと休みだよ》なんて、やけっぱちな気持ちでこの曲を聴こうと、93年発売のアルバム『とどめをハデにくれ』を久々に聴いたんだけど。1曲目「映画(ゴム焼き)」でドスーンとハマって、「好きなコはできた」からの「日が暮れても彼女と歩いてた」、そして「短い夏は終わっただよ」に辿り着く頃には、なぜこのアルバムを聴き始めたかも忘れて、楽曲世界にどっぷり浸ってた。そして、気付けば楽曲を通じて自問自答の深い沼へ…忘れてた、これは軽い気持ちで聴いちゃダメなヤツだった! 短い夏の長い夜に改めて聴いて欲しい不朽の名盤です。

「青すぎる空」('97)
/eastern youth

「青すぎる空」収録アルバム『旅路ニ季節ガ燃エ落チル』/eastern youth

「青すぎる空」収録アルバム『旅路ニ季節ガ燃エ落チル』/eastern youth

97年にシングルとしてリリースされ、98年発売の『旅路ニ季節ガ燃エ落チル』収録。毎年、夏になるとeastern youthが聴きたくなるんだけど、今年は師匠であるイノマーさんの初盆なこともあって、《あの人があの雲の彼方で 呼んでいる様なそんな気がして》の歌詞にあの人を想いながら聴いてます。「絶対好きだから聴いてみなよ」と『孤立無援の花』を差し出し、イースタンを好きになるきっかけをくれたのがあの人。《現身は幻の 誰ぞや夢む》なんて寂しすぎるけど、あれから二十数年が経って人並みに色んな経験して、いいおっさんになって。改めてこの曲を聴いた時、20代で聴いた時とは歌詞の響き方や解釈が全然違うことに驚いた。さらにコロナ禍で何もできず前に進めてる感触もない、味気ない日々を過ごす夏にこの曲を聴いたら、青すぎる空への想いも変わってきたから不思議。盆の夜、師匠を偲びながらいま一度しんみり聴かせてもらいます。

「うみ」('89)/真心ブラザーズ

「うみ」収録アルバム『トランタン』/真心ブラザーズ

「うみ」収録アルバム『トランタン』/真心ブラザーズ

夏になると聴きたくなるアーティストのもうひとつが真心ブラザーズ。本当はベタに「サマーヌード」とか聴いて、「夏キターーッ!」なんてテンション上げたいところだけど。今年の夏に聴きたかった真心の曲は「うみ」だった。89年発売、真心のメジャーデビュー曲であるこの曲。原題は“埋め立て工事現場の雨上がりの夕暮れ”で、海の曲でもなければ、夏ソングでもないんだけど。しっとり切ない曲調とメロディー、温かみあるフォークサウンドと歌声が夏の夕暮れのあのなんとも言えない寂しさを想起させてくれる。ガキの頃に友達とクタクタになるまで遊んだ帰りに見た夕暮れ、高校で初めてできた彼女と自転車ニケツして見た夕暮れ、大人になってプールで遊んで疲れた子供をおんぶして見た夕暮れ、そして君と僕で見た狭く遠いうみの夕暮れ…どれも質は違えど、根の感情は近い気がして。幸せだからこそ過ぎていく夏の日が名残惜しいし、ちょっぴりセンチになってしまうんだろうなと思った。そう考えると今年の夏に家族でベランダから見た夕暮れにセンチになったのも、なんやかんやありながら幸せだからなんだろう。

「サマージャム'95」('95)
/スチャダラパー

「サマージャム'95」収録アルバム『5th WHEEL 2 the COACH』/スチャダラパー

「サマージャム'95」収録アルバム『5th WHEEL 2 the COACH』/スチャダラパー

タイトル通り95年発売、アルバム『5th Wheel 2 the Coach』収録。スチャダラパーらしく、夏をゆる~く歌った夏ソングの大名曲。大学のサークル仲間と海に行ってとか、ビーチでギャルをナンパしてとか、朝から車にサーフィン積んでとか、キラキラした夏の思い出は一切ないけど。炎天下に意味なく町に出たり、浮かれてたまるかと思いながら、夏用のテープはしっかり作っちゃったり。この曲で歌われる夏はめっちゃ共感できるし、若かりし頃の自分を思い出してどこか切ない。で、そんなタイプのくせに今みたいな状況になると「もっと夏を楽しめば良かった!」とか、「夏にそそのかされたい、流されたい!」と思ってしまうからしょうもない。だったら“切な懐かしい夏ソング”とか言ってないで、もっとモテそうなプレイリスト考えろっての(笑)。今年4月に発売した『シン・スチャダラ大作戦』収録の「サマージャム2020」も最高! 夏大好き夏大好き。

「真夏の果実」('90)
/サザンオールスターズ

「真夏の果実」収録アルバム『海のYeah!!』/サザンオールスターズ

「真夏の果実」収録アルバム『海のYeah!!』/サザンオールスターズ

正直、サザンオールスターズを好きになったのは大人になってから。そして、改めて振り返った時、サザンの良さが分かったのは明るいばかりじゃない、切ない夏の良さが分かってからのような気がする。僕も視聴したが、先日行なわれたサザン初の配信ライヴ『Keep Smilin' ~皆さん、ありがとうございます!!~』は18万人が視聴。言うまでもなく最高だったし、今さら僕がサザンについて語ることは何もないけれど。あの日のライヴは暗い自粛期間に光を差してくれたし、明るいだけじゃないサザンの夏ソングを聴いて、切なさに浸る夏も悪くないと思った。今年の夏、ライヴはまったく行けてないけど、サザンの素晴らしい配信ライヴを観ることができたし、フェスは観れてないけど、懐かしい夏ソングを聴いて切なさに浸ることができたから、これも経験として良しとする。

TEXT/フジジュン(おもしろライター)

フジジュン プロフィール:1975年、長野県生まれ。『イカ天』の影響でロックに目覚めて、雑誌『宝島』を教科書に育った、ロックとお笑い好きのおもしろライター。オリコン株式会社や『インディーズマガジン』を経て、00年よりライター、編集者、デザイナー、ラジオDJ、漫画原作者として活動。12年に(株)FUJIJUN WORKSを立ち上げ、バカ社長(クレイジーSKB公認)に就任。メジャー、インディーズ問わず、邦楽ロックが得意分野だが、EBiDANなど若い男の子も大好き。笑いやバカの要素を含むバンドは大好物。

OKMusic編集部

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