ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!

ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
今年もまもなくやってくる2月3日は節分の日。節分と言えば鬼。現代でも多くのお寺や神社、そしてご家庭でも「鬼は外、福は内」と言いながら「魔滅(まめ)」に通ずる豆を「魔の目(まめ)」に投げて無病息災を祈る行事が暮らしに根付いていますが、海外にその概念はなく該当する英語も存在しません。近いところでogre、devil、demon…ということにして、今回は半ば強引に絡めた「まもなく節分! 鬼・悪魔ソング洋楽5選」をご紹介します。
「The Number of the Beast」収録アルバム『The Number of the Beast』/Iron Maiden
「Shout at the Devil」収録アルバム/Mötley Crüe
「Runnin' With the Devil」収録アルバム『Van Halen』/Van Halen
「Devil's Food」収録アルバム『Welcome to My Nightmare』/Alice Cooper
「Sympathy for the Devil」収録アルバム『Beggars Banquet』/The Rolling Stones

「The Number of the Beast」
('82)/Iron Maiden

「The Number of the Beast」収録アルバム『The Number of the Beast』/Iron Maiden

「The Number of the Beast」収録アルバム『The Number of the Beast』/Iron Maiden

これまで10年以上ライヴパフォーマンスされていなかった楽曲を織り交ぜたプレイリストで世界中を熱狂の渦に巻き込んでいるワールドツアー『レガシー・オブ・ザ・ビースト』の日本公演が5月に迫るイギリスが生んだメタル界の重鎮バンド、アイアン・メイデン。邦題「魔力の刻印」で知られるこの楽曲はメタル界最高傑作との呼び声も高く、収録された3作目のアルバムタイトルにもなっている。ヴォーカルがポール・ディアノからブルース・ディッキンソンに変わり、当時のUKチャート1位を獲得するなどメイデンを広く世に認知させた作品であり、リリースから38年が経つ今もなお色褪せない名曲だ。今回の来日公演でも披露される可能性は極めて高い。

「Shout at the Devil」('83)
/Mötley Crüe

「Shout at the Devil」収録アルバム/Mötley Crüe

「Shout at the Devil」収録アルバム/Mötley Crüe

2019年11月に再び活動を開始したアメリカのヘヴィメタルバンド、モトリー・クルー。今作はそのベーシストでありバンドリーダー、そしてロック界の反逆児という異名を持つニッキー・シックス によるもの。トム・ワーマンをプロデューサーに迎えた同タイトルのアルバムは全米チャートで17位を獲得するスマッシュヒットとなり、その後400万枚以上を売り上げているバンドの代表作。オリジナルLPのジャケットには逆ペンタグラムが描かれていたことから“悪魔崇拝をイメージする”と批判されてCD化の折りにはメンバー4人の写真に差し替えられたという事件も。同アルバムにはビートルズの「ヘルター・スケルター」がカバー収録されており、バンドの若き日々の音がパッケージされた初期の代表作である。

「Runnin' With the Devil」
('78)/Van Halen

「Runnin' With the Devil」収録アルバム『Van Halen』/Van Halen

「Runnin' With the Devil」収録アルバム『Van Halen』/Van Halen

あなたはもうチェックされただろうか。1月上旬に1977年のオリジナル・セッションテープに収録されていたとされる未発表バージョンの音源がアンオフィシャルのYouTubeチャンネルで公開されて大きな話題となっているが、そのオリジナルバージョンがこちらだ。ファンクバンドのOhio Playersにインスパイアされて描かれたこの作品はアメリカンハードロック/ヘヴィメタルの先駆者であるヴァン・ヘイレンのシングル2作目としてリリースされ、邦題は「悪魔のハイウェイ」と名付けられた。収録されたデビューアルバム『Van Halen』(邦題『炎の導火線』)は当時新人ながら150万枚にのぼる売り上げを叩き出し、鮮烈なデビューを飾った。エディのギターは必聴。

「Devil's Food」('75)
/Alice Cooper

「Devil's Food」収録アルバム『Welcome to My Nightmare』/Alice Cooper

「Devil's Food」収録アルバム『Welcome to My Nightmare』/Alice Cooper

アメリカンハードロックの帝王、アリス・クーパー。ソロとしてのキャリアをスタートさせたアルバム『Welcome to My Nightmare』(邦題『悪夢へようこそ』)に収録されたこの楽曲の邦題は「悪魔の供物」。今回はこの楽曲と併せてご紹介したいのがアルバム次曲に収録されている「The Black Widow」で、クラシックホラー映画における戦後アメリカの第一人者のヴィンセント・プライスによるナレーションがこのふたつの楽曲をブリッジしている。ちなみにヴィンセント・プライスはマイケル・ジャクソンの「Thriller」にもナレーションで起用されているのが有名だが先駆けはこの作品だ。リマスター盤には映画で使用されたバージョンも収録されているのでそちらもチェックしてほしい。

「Sympathy for the Devil」
('68)/The Rolling Stones

「Sympathy for the Devil」収録アルバム『Beggars Banquet』/The Rolling Stones

「Sympathy for the Devil」収録アルバム『Beggars Banquet』/The Rolling Stones

ザ・ローリング・ストーンズを代表する名曲であり、ストーンズの格好良さが最も表れている完璧な作品とも称されるこの作品は小説「巨匠とマルガリータ」に着想を得たとされ、「悪魔を憐れむ歌」という邦題を持つ。パーカッションによるサンバ調の軽快なリズムで始まり、呪術のように繰り返されるコーラスやキースのギターがそのリズムに乗って終始進んでいく中、ミックのヴォーカルによってイエスの処刑、ロシア革命、第二次世界大戦、宗教戦争、ジョン・F・ケネディとロバート・ケネディ兄弟の暗殺に至るまでの歴史的事件を淡々と語る男が表現されているのだが、そのシンプルな構成が逆に歌詞の恐ろしさを引き立てた不朽の名作である。

TEXT:早乙女‘dorami’ゆうこ

早乙女‘dorami’ゆうこ プロフィール:栃木県佐野市出身。音楽を軸に、コンサート制作アシスタント通訳、音楽プロモーション、海外情報リサーチ、翻訳、TV番組進行台本や音楽情報ウェブサイト等でコラムや記事を執筆するなどの業務を担うパラレルワーカー。

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