『今夜はだまってウィスキー』ってい
う時に聴きたい曲
ミュージックソムリエ協会では、「こんな時に聞きたい音楽!」ということで、日常のヒトコマでふっと聞きたい音楽を選曲しました。選曲はすべて、ミュージックソムリエ(http://ms-kouza.jp)によるもの。
今回のテーマは、「今夜はだまってウイスキーっていう時に聴きたい曲」です。
深夜のバーでしっぽり? それとも自宅でまったり? ウイスキーと一夜を共にしたい・・・という願望に寄り添う、オトナの曲を集めました。
今晩、一緒にどうですか?
「Moon Over Bourbon Street」(バーボ
ン・ストリートの月) /Sting
「Moon Over Bourbon Street」は、スティングがポリスの活動を休止して最初に出したソロ・アルバム「The Dreams Of The Blue Turtles(ブルー・タートルの夢)」に収録されています。”ひとりで歩く男”という意味では、この曲の主人公とスティングにも何か似通ったところがあるのではないか・・・と、「男の孤独」について考えながら、深い時間に一人静かにグラスを傾けてみてはいかがでしょうか?
(選曲:伊藤威明 文:石井由紀子)
「So What」/Miles Davis
日本語にすると、「どうでもいいじゃない。」「だから何だ?」と言った意味を持つ、「So What 」は、ジャズの帝王と呼ばれるマイルスの口癖に由来したタイトル。
モダンジャズの金字塔などと賞賛される曲ですが、そんなことは「So What?」 と、帝王が一笑に付す姿を想像しながら、ウイスキーを舌で舐める。男を上げる1曲です。
(選曲:高原千紘 文章:石井由紀子)
『SUNNY』/BOBBY HEBB
誰と会話する必要も無い。もし他に客がいようと、ウィスキー片手にこの曲がかかれば、カウンターを挟んでマスターと2人きりの空間に。氷が溶けて奏でる「カラン」と言う音も演出になる、CMや映画のワンシーンのように自分だけの時間に浸るも良し。「俺も一人でこんな飲み方が出来るようになったんだな」と自分に酔うもよし。
このセッションはRON CARTERとのもの。CD,レコード以外にもセッションの数だけ「SUNNY」が存在します。
音楽一家で育ち、歌とダンスのチームから始まったBOBBY HEBB。シンプルで深く1966年発売から今も長く愛されるポップスの名曲は、カバーも多く存在しています。
ウィスキーを飲みながら自分好みの『SUNNY』を探してみるのもまた素敵な時間になるはずです。
(選曲・文章:和久井直生子)
「my one and only 」/John Coltrane
& Johnny Hartman
ジョニー・ハートマンのようなビブラートの効いた低い声で話しかけて、会話が弾んで打ち解けてきたタイミングで、「My One and Only(たった一人の愛しい人よ)」なんて言葉を彼女にかけられたら・・・と妄想しつつも、そんな気持ちはウイスキーと共に流し込み、ジョン・コルトレーンの艶のあるサックスの音色と、ジョニー・ハートマンの歌声に集中する。大人の集まるBarでのヒトコマが目に浮かぶような作品です。
(選曲:楠木智哉 文章:石井由紀子)
「シカゴ バウンド」/憂歌団
そんな自分を理解してくれる仲間さえも、もはやいないと感じる孤独な時間、
ただひとり哀しみを胸に抱え、
今夜はだまってウイスキー。
「シカゴバウンド」は憂歌団の1975年のデビューアルバム「憂歌団」に収録されている1曲です。
「シカゴに来て2年が経った、だけどいいことありゃしない〜メンフィスへ帰ろうかな」と、夢破れた男の歌が貴方の孤独に寄り添ってくれることでしょう。
やけ酒なんだから、日本酒でも焼酎でもよかったんだけど、
メンフィスへ帰る男の哀しみに自分を重ねて、
今夜はだまってウイスキー。
(選曲・文章:阪口 マサコ)
『Bad Bad Whiskey』/吉田類
そんな時は酒飲みが皆一目置く、呑んだくれのカリスマこと吉田類氏の歌うこの曲がぴったりです。
数々の酒にまつわるヒット曲を生んだ1950年代のブルースシンガーAmos Milburnが歌った酒で痛い目をみた男を歌ったこの曲も、ほろ酔いに聞こえる類さんの歌唱で聴くと、妙な説得力があります。
夜の帳が下りたらいい感じの酒場を探して夜の街で2、3軒飲み歩きたくなる事でしょう。」
(選曲・文章:田中孝典)
出典:ミュージックソムリエ協会staff blog