梅雨じゃなくても休みの度に傘の出番、雨男・雨女に捧げる曲

    選曲のエキスパート“ミュージックソムリエ”があなたに贈る、日常のワンシーンでふと聴きたくなるあんな曲やこんな曲――今回は「梅雨じゃなくても休みの度に傘の出番、雨男・雨女に捧げる曲」です。

    1.「あじさい」 / サニーデイ・サービス

    会うたびに雨、という人って本当にいるんですよね。
    そんな人とお付き合いをするとデートのたびに雨で、楽しみにしていた場所にも行けないなんてことが続いてしまったりして。
    だからと言って、雨男、雨女は自分でお天気がコントロールできるわけではないし……なんだか、ちょっと2人の間にも雨雲が。
    でも、ある時気付くんです。雨の日だからこそ、この人といるからこそ見ることができる景色があることを。 雨の香り。リズムを刻むように地面を叩く雨粒の音。雨に濡れて鮮やかさを増す、あじさいの葉のみどり色。
    「また雨?」「一緒にいると雨ばっかり」なんて言われることも多い、雨男、雨女ですが、雨の日のグレーがかった景色に色を感じさせてくれるようなこの楽曲を聞きながら、あじさいの季節はもちろん、全ての雨の日を素敵に変えてみませんか?あなたの雨の日も、あなたと一緒にいる人の雨の日も。
    (選曲・文/和久井直生子)

    2.「LOVE RAIN〜恋の雨〜」 / 久保田利伸

    月9ドラマ『月の恋人〜Moon Lovers〜』の主題歌として書き下ろされたシングルで、2010年6月16日、ちょうど梅雨の時期にリリースされました。
    キュンとくる可愛らしいポップサウンドと明るく軽やかな歌声が、じめじめした鬱陶しい雨模様を一気にキラキラハッピーモードにしてくれます♪
    “恋が降らせた雨が ふたりを昨日へ帰さない”
    そんな素敵な魔法をかけてくれる雨ならいくらでも降って欲しいですよね……♪
    この曲の力を借りて、雨男・雨女さんがいつも連れてくるのは「恋の雨だから!」って事にしてもらえば、一緒にいる人たちもちょっぴり笑顔にできるかも。
    (選曲・文/高原千紘)

    3.「誰も寝てはならぬ」〜オペラ:トゥーランドットより〜 / プッチーニ

    トリノオリンピックで、荒川静香さん(フィギュアスケート)が、金メダルに輝いた決勝で使ったこの曲。開会式で演奏されていたことに「運命を感じた」と荒川さんがのちに語っていたのも印象的でした。
    2014年、イタリアのヴェローナ音楽祭の野外オペラ劇場で、この『トゥーランドット』の公演が予定されていましたが、当日は朝からあいにくの雨模様。ところが、オペラが始まる時刻になると、奇跡的に空は晴れ上がり、澄み切った空気の中で歌い上げられるこのアリアに、終演後もしばらくの間、拍手が鳴り止まなかったという逸話があります。
    明日はどうしても晴れて欲しい!という時、「てるてる坊主」を吊るしてこの曲を聞いてみてはいかがでしょうか。
    (選曲・文/堀川将史)

    4.「Why Does It Always Rain On Me?」 / Travis

    邦訳「どうして僕のいるところはいつも雨なんだ?」のタイトルのとおり、この歌を歌うトラヴィスのヴォーカルのフラン・ヒーリィは強烈な雨男だったそうです。めったに雨の降らない旅先の地でも雨にあったといいます。グラストンベリー・フェスティバルではこの歌を歌った時に、それまで晴れていた空から急に雨が降ってきたことから、ファンの間ではトラヴィスがこの歌を演奏すると本当に雨が降るという説まで生まれたそうな。おかげで1999年にこの歌は本国イギリスで大ヒットしました。
    雨だけでなく幸運も降り注いだのですね。雨男、雨女もまんざら悪くないかも?!
    (選曲・文/阪口マサコ)

    5.「Rainy Day In June」/ the KINKS

    雨男、雨女の皆さん。いつも雨が降るたびに「わたしのせいだ」と自己嫌悪にふさぎ込んでおられる、そのお姿。かねてから気の毒だと思っておりました。全然、気にしなくていいのですよ、あなたがいない隣町も今日は雨なのですから。
    今回、ご紹介するのはこの曲。イギリスを代表するロックグループ・キンクスが1966年に発表したアルバム『FACE TO FACE』に収録されている「Rainy Day In June」。時期的にピッタリですが、イギリスでは6月に梅雨はありません。ここでは「季節外れの大雨」の意。イントロの雷鳴からもその様子がうかがえます。さっきまで晴れていたのに突然の大雨は、変わり身の早いイギリスの天候ならではのもの。やけっぱち気味なサビのコーラス“Everybody felt the rain”を一緒に鼻歌でなぞれば、どんより気分がますます加速。
    しかしながら、「予定があったのに雨が降ってきちゃったよ、こんちくしょう。」という気持ちは万国共通。不思議な連帯感が生まれてくることに気付くはず。自然には勝てませんから。
    (選曲・文/旧一呉太良)

    6.「雨のステイション」 / 荒井由実

    ユーミンの名曲「雨のステイション」。1975年に発表された3枚目のアルバム『COBALT HOUR』に収録されているこの曲の舞台は、JR青梅線「西立川」駅。急行も止まらないありふれた住宅街の駅で、現在は駅ホームのガイダンス時に、BGMとしてこの曲が流れます。
    ゆったりとしたメロディーに乗せられるユーミンの声と上質な演奏は、6月の長雨を思い出させるピッタリのシチュエーション。駅を行き交う人々の描写も、曲を通して見えてくるようです。ちなみにユーミンは他にも「雨の街を」「冷たい雨」「12月の雨」「天気雨」「霧雨で見えない」など、雨を題材にした名曲が多くあります。今回はこの曲を選びましたが、ぜひそれ以外の曲もオススメします。

    (選曲・文/Kersee)

    著者:NPO法人ミュージックソムリエ協会

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