終電でうっかり熟睡。気付けば遠い終
着駅!そんな時に脳内で再生される曲

ミュージックソムリエ協会では、「こんな時に聴きたい音楽!」ということで、日常のヒトコマで、ふっと聴きたい音楽を選曲しました。選曲はすべて、ミュージックソムリエ(http://musicsommelier.jp)によるもの。
新人さんの歓迎会やお花見などなど、楽しいイベント盛りだくさんの4月。終電に飛び乗ったものの、そこからの記憶がない・・・ 気付けば、自宅から100キロ以上離れた観光地!通勤の利便性を向上させる相互乗り入れ電車を恨みながらも、やらかした自分へ慰めと後悔がつまった曲をどうぞ。

1.「ガンダーラ」/ゴダイゴ

いやいや、寝過ごした訳じゃないよ、ずっと探していたユートピアにたどり着いたのさ。ほらみんな、ここがガンダーラさ!
・・・なんて一人芝居を始めてしまいそうな、とても歩いては帰れない距離まで来てしまった時は、脳内も現実から距離を取りたくなってしまいますよね。
1978年にスタートしたテレビドラマ「西遊記」のエンディングでもあったこの楽曲。苦しみさえ消えるというなら、今のこの状況も消して自宅の最寄り駅まで返してくれー!!と願い「ガンダーラ、ガンダーラ」と繰り返し口ずさみながら、少しでも早く帰宅出来るよう始発時間に向けて、線路沿いを孫悟空と仲間のように歩き始めましょうか。三蔵法師なら馬に乗せてもらえるのだけどなぁ。
(選曲・文/和久井直生子)

2.「OH!!!! 迷惑!!!!」/GReeeeN

日印国交60周年記念事業で撮影されたプロモーションビデオがなんとも印象的な曲です。
歌はインド映画のような世界観を持っていて、是非ともこの映像を見ながら楽しみたい作品です。
そして、最後まで聴いて欲しいのです!
最後のワンフレーズ…これはまさしく電車を乗り過ごした私達の、顛末そのものではないでしょうか。
電車で眠りこける私達の、電車にゆられるリズムと音楽の一体感、そしてラストのフレーズはこんなシーンに皮肉なほど合いませんか?
私なら、乗り過ごして起きた時、こんな風につぶやきたくなります。
ほんとに夢ならいいのに!!
(選曲・文/宮川桃子)

3.「Cry Baby」/Janis Joplin

ん、終点…?!うわぁ、、やっちまった…って時に、冒頭の「おぉ〜〜〜、ベイベ〜〜〜!!」がシンクロします。
ジャニスは1970年10月、27歳の若さでその短い生涯を閉じますが、この曲はその後にリリースされたアルバム『パール』の中に収録されている1曲。元々ガーネット・ミムズというソウル・R&Bシンガーによって歌われていたのですが、ジャニスが歌うことで幅広く知られるようになりました。
人気の無い駅のホームで夜空を仰げば、脳内で「Cry baby〜, Honey, welcome back home...(泣いていいのよ、ハニー、おかえりなさい)」と脳内リピート。ジャニスの身体中から絞り出すような哀愁漂う歌声が心に沁みます・・・
(選曲・文 高原千紘)

4.「Tonight 星の降る夜に」/ 山下久
美子

もう後悔してもしょうがない。その分しっかり眠れたと考え直し、この楽曲を脳内再生しながら大好きな人の事を思う時間にしてみませんか?恋人の事を想い、星空を見上げ幸せな気持にひたりながら(星が見えない日にはこの際、星空の映像も脳内再生しちゃいましょう♪)普段なら恥ずかしくて書いた事も無いようなラブメールを送ってみたり。片思いの人はキッカケなんてなんでもいい、滅多に無いこんなシチュエーションなんだし!とデートのお誘いメールを思い切って送ってみたり。思いがけず出来た時間を”好き”な気持に使ってみてはいかがでしょうか。
実はこの楽曲、以前結婚していたお2人、山下久美子作詞、布袋寅泰作曲によるもの。別れる事になってしまったけれど、お2人とも、とっても素敵に年齢を重ね、それぞれのカッコいい姿を私たちに見せてくれています。昔の恋を忘れられない方や嫌な思い出になってしまった人も「色々あったけれど、この時の愛だけは偽物じゃないよね。」と前へ歩き始めるキッカケになるかもしれません。
(選曲・文/和久井直生子)

5.「HEPATITIS」/細野晴臣

朦朧とした意識から次第に覚めると、見知らぬ駅でもう帰る手立てもない。そんな絶望の中聞こえるのはきっとこんな曲。ショックが諦めに変わり、無力感から笑顔が溢れるような音楽。
実際には細野晴臣氏が横尾忠則氏に連れられ、インドにUFOを見に行って、肝炎(HEPATITIS)にかかり大変な目にあった出来事を元に作った曲だが不思議な浮遊感に満ちており、現実逃避感を味わえます。
きっとこの後はタクシーで帰るんだろう。
(選曲・文/田中孝典)

6.「なぜか埼玉」/さいたまんぞう

湘南新宿ライン、埼玉高速鉄道、副都心線、そして今年は上野東京ラインまで開通。首都圏は乗り換えなしでどこでも行けるようになった反面、最終電車で寝過ごした時のリスクも高まったというものです。久喜、南栗橋、森林公園、小手指、籠原…。知らない地名を見る機会も多くなりました。
そこで今回紹介したいのは、さいたまんぞうの「なぜか埼玉」。終電で寝過ごすと当然ながら途方に暮れるというものです。この気の抜けた歌詞と歌声を聴いてください。ピッタリじゃないですか。えっ?熱海とか国府津とか大月とか、ましてや関東以外だと当てはまらない?そんなこと知ったことではありません。埼玉を神奈川とか和歌山とかに置き換えればピッタリじゃないですか、この曲調なら。ちなみに、今回この曲を選んだ私は、生粋の関西育ち、関西人です。そもそも歌っているさいたまんぞうが、岡山出身なんですから無問題、多分。
ちなみに、この人の曲は他に「埼玉いろはづくし」「埼玉オリンピック音頭」「なぜか埼玉海がない」なんてのいうも、あるそうです。
(選曲・文/Kersee)

7.「ラ・カンパネラ」/辻井伸行

「ラ・カンパネラ」の愛称で親しまれるこの曲名は、正式には、「パガニーニによる超絶技巧練習曲集より第3番嬰ト短調」。現在演奏されるほとんどの「ラ・カンパネラ」は、この曲となります。
人間では弾きこなせないだろうと言われるほどの難曲。高音域のキンキンと鍵盤を飛びながら響く音と旋律は、不謹慎に思わるかもしれませんが、酔って終電に乗ったら熟睡していまい、終着駅で目覚めたら、キンキンと頭の中に頭痛が響いているようにも聞こえます。
ご紹介する映像は、2009年6月7日、ヴァン・クライヴァーン国際ピアノコンクールで優勝した辻井伸行の迫真のライブ映像(音源)で、最後まで聞いてほしいイチオシです。
豆知識ながら、ヴァン・クライヴァーン国際ピアノコンクールとは、有名なチャイコフスキー国際コンクールの第1回の優勝者であるヴァン・クライヴァーンを記念して、1962年に、アメリカで開催されたコンクールです。当時は冷戦時代とはいえども、単なる東西の対抗馬として設立したコンクールということではなく、設立当時、世界最高額の優勝賞金1万ドルを提供し、アメリカ本土でも、クラシック業界のアーティストの育成に、力を注ごうとしていた人たちがいたことを忘れてはならないでしょう。
(選曲・文/堀川将史)

8.「Sailor´s Tale」/King Crimson

耽美的暴力ロックインストの最高峰ともいえるこの楽曲は、緊張とその緩和が実に良く計算された美しい作品です。
終電で寝過ごして、目を覚ました時に訪れる混乱が加速する様子をディストーションで歪んだギターの不協和音で表現し、さらに緊張が爆発すると訪れる、メロトロンの音の洪水で曲は最高潮に達する。終曲では音階を登りつめ、緊張の糸が切れて安息が訪れるが、その瞬間最高のカタルシスを味わえます。
映画の挿入歌として上手く使う人が現れないかなと期待している曲です。
(選曲・文/田中孝典)

著者:ミュージックソムリエ協会

OKMusic編集部

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