Editor's Talk Session

Editor's Talk Session

【Editor's Talk Session】
今月のテーマ:
ライヴハウスが
新たに見つけたビジネス

音楽に関するさまざなテーマを掲げて、編集部員がトークセッションを繰り広げる本企画。第16回目のゲストは、ライヴハウス下北沢ERA店長の久保寺 豊氏と新宿SAMURAI店長の馬場義也氏。配信ライヴが普及した一年間を振り返り、現状の中で新たに見つけたビジネスなどについて語ってもらったが、コロナ禍で状況が目まぐるしく変化する中でも、ライヴハウスの本質は変わっていないとのことだった。
【座談会参加者】
    • ■久保寺 豊
    • 下北沢ERAの1年目から自身が活動していたバンドで出演し、働き始めて約15年が経った現在は店長兼ブッキングを担当。他にも制作やアレンジなど、音楽関係の仕事もしている。
    • ■馬場義也
    • 自身のバンド活動、自主レーベル運営、マネージメントやプロデュースなどの経験を経て、ライヴハウス新宿SAMURAIの店長に就任。アルコール度数高め。
    • ■石田博嗣
    • 大阪での音楽雑誌等の編集者を経て、music UP’s&OKMusicに関わるように。編集長だったり、ライターだったり、営業だったり、猫好きだったり…いろいろ。
    • ■千々和香苗
    • 学生の頃からライヴハウスで自主企画を行ない、実費でフリーマガジンを制作するなど手探りに活動し、現在はmusic UP’s&OKMusicにて奮闘中。
    • ■岩田知大
    • 音楽雑誌の編集、アニソンイベントの制作、アイドルの運営補佐、転職サイトの制作を経て、music UP’s&OKMusicの編集者へ。元バンドマンでアニメ好きの大阪人。

アイドルに営業をかけて
シフト変更していった

千々和
緊急事態宣言の再延長(3月7日時点)が発表されましたが、新宿SAMURAI、下北沢ERAそれぞれどのような状況になっていますか?
馬場
昨年4月に最初の緊急事態宣言が発令されて、その時は従うしかなく進めていて。助成金はありましたが、それも十分ではない中で営業を継続してきました。夏頃に少しずつ復帰してきて、どこも同じかもしれませんが、新宿SAMURAIに関してはバンドのイベントが極端に減ってしまったんです。特に新宿、渋谷、下北沢とすごく差別化された気がします。下北沢はバンドが残り続けていて、新宿や渋谷よりも多いイメージがあったんですよ。新宿や渋谷は時代のブーム、立地的なものもあるのか、アイドルイベントが多かったので、その別れ方がくっきりしてたように思いました。それでも新宿SAMURAIを続けていく上でアイドルが出演してくれるのはありがたいので、ご一緒させてもらってきましたが、今年の1月くらいからバンドのイベントも増えてきて、やっとバンドとアイドルがいいバランスで再開できると思っていたんですよね。それで新しいスタッフが初めてのイベントを組んだり、ブッキングスタッフとも“久しぶりにバンドのイベントだ!”と話していたんですけど、2回目の緊急事態宣言の影響でそれがまた崩れてしまって。結果的にイベントの本数も月の半分くらいしか入らないようになってしまいました。今もアイドルの方々と二人三脚で進んで行くかたちになっていて、目先のスケジュールはなんとか埋まっていますが、バンドのライヴを入れていく部分においては6月や7月なんてガラ空きの状態ですね。5月もほとんど空いていますし、長い目で見るとかなりダメージを負っている気がします。
久保寺
下北沢ERAもほぼ同じ状況です。確かにバンドは新宿や渋谷に比べたら少しは多いですけれども、緊急事態宣言に入ってまた結構苦しい状況が続いているんです。僕も友人を通して紹介してもらってアイドルイベントを増やしていたり、YouTuberのイベントも入れて、それが大きな収入源にもなっています。あと、下北沢ERAの場合は、今まで出演してくれているバンドのMV撮影だったり、収録や無観客配信を多くやっていますね。それでも週5、6日が埋まっていたらいいかなというレベルで、売上げは1年以上前とは比べものにならないくらい激減していて、助成金もいただいてはいますが、守るべきことは守ってもやっぱり全然足りていないのが現状です。
千々和
有観客でのライヴをするために検温やアルコールの準備をしたり、他にも昨年の間にいろいろと準備をしてきたところで20時までの時短営業となってしまいましたが、そんな中でも昨年の緊急事態宣言と比べていい意味で変わったところはあるんですか?
馬場
20時まで営業ができるという点では、協力金プラス営業の売上げが作れるので、以前よりは多少はいいのかなと思いますが、やっぱり“20時までってライヴハウスとしてどう営業するんだ?”というのもあります。イベントをその時間の中でやってくれている方も多いとはいえ営業は厳しいので、中途半端な時短要請をするのであれば、一層のこと全部休業要請をしてくれたほうが楽だなと。だから、前回より良くなったというよりは、よく分からないまま進んでいるのが正直な気持ちです。
石田
前回の緊急事態宣言期間を活かして今回に導入したことなどはありますか?
馬場
以前は配信機材が整っていなかったのですが、今回は整っているので、また緊急事態宣言が発令されそうになった段階ですぐ配信の営業をかけるようになりました。あと、どんな配信をやっているのかをアピールするための動画を作って宣伝をしたり。そういう準備はできましたね。
石田
バンドよりアイドルのほうに寄っていったということですが、そのノウハウもあって今回はもっとアイドルに力を入れるという判断もあったりしました?
馬場
ありました。昨年4月から年内はほとんどアイドルイベントだったんですよ。バンドは月に4、5本あるくらいだったんです。なので、バンドを諦めるわけではないですが、いったんアイドルに全振りをしようと社内で取り決めをして、すぐに動き出しました。そこは前回より早めに動き出せた気がしますね。
久保寺
やはり配信設備が整っていることは最初の緊急事態宣言と大きく違いますね。決まっていた1月と2月のイベントは、バンドだと20時終演は厳しかったので全て無観客ライヴに変更し、売上げというよりは次につながるものとして、バンドと相談をした上でずっと無観客配信ライヴをやっていました。それを主にしつつ、同じくアイドルに営業をかけてシフト変更していって。コロナ禍に入って知ったのですが、アイドルはイベントの3日前にオファーをかけてもいきなり決まったりすることもあるので、これは今のライヴハウスにとって目からうろこでしたし、新しいつながりと新しいビジネスを知ることができました。
千々和
アイドルのフットワークの軽さが目立つのはなぜなんでしょう?
馬場
新宿SAMURAIは150人キャパで、下北沢ERAが200~250人キャパなんですけど、アイドルに関してはこの規模で活動している子たちでも、その活動でご飯を食べているので、止まれないというのがありますよね。運営さんもメンバーの子たちと活動してそれで生活をしている部分があると思うので。
岩田
アイドルだとコロナ禍以前から1日に2公演をやったり、リリースの特典会でライヴハウスを使ったりといろんな使い方がありますし、昼にイベントをやっても来てくれるお客さんも多いですよね。
馬場
そうなんですよね。平日の17時前にオープンしても来てくれますから。“普段は何をしているんだろう?”と気になりながらも(笑)、本当にありがたいです。

OKMusic編集部

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