Editor's Talk Session

Editor's Talk Session

【Editor's Talk Session】
今月のテーマ:
未曾有のコロナ危機、
ライヴハウスは何をすべきか?

自粛するのも攻めだと思うから、
自信を持って自粛すればいい

烏丸
未曾有の事態ですからね。新型コロナウイルスの実態がはっきりと分かっていないから、防御策も手探りにならざるを得ない。そんな中、エルトン・ジョンがとてもいいことを言ってくれました。“どんな悪い状況にも明るい兆しはある。これはもしかしたら、人々を団結させ、自分も含め僕らがすごく自分勝手な世界において、お互いのことをもっと思いやる機会になるかもしれない。それに、人生って何なのか振り替える時間を僕らに与えてる。人生って、愛、共有、寛大な精神、団結なんだよ”と。この言葉を受け止めれば、それぞれの立場や経験の中でできることを考えないといけないと思っています。せっかく音楽業界という音楽を信じている仲間がいるのですから、ウイルスにも経済にも殺されないように、音楽という武器を使って知恵を集結していこうという話です。まだ何の結論も出ていないけど、エルトン・ジョンの言葉に元気がもらえるぐらいなんだから、音楽が持つ大きな力を発揮させなくては。
二位
自粛するのも攻めだと思うんですよ。だから、自信を持って自粛すればいい。
烏丸
ヨーロッパやアメリカのアーティストは家にこもった状態で、エネルギッシュな行動を起こしていますね。
二位
荒れた時代を生き残ったバンドが新しい時代を作った…それこそHi-STANDARDやTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTがアマチュアの時代なんか、みんな暴力的で大変だったけど、そこを乗り越えてすごい地位まで行ったわけで。そうやって音楽が経済的に潤ったところに、今度は緩く音楽を楽しむバンドが増えてきて、音楽シーン全体で見た時にアグレッシブで前衛的なバンドが多かったけど、そうじゃない保守的なバンドのほうが目につくようになっていく。とりあえず余波で大きなビジネスはうまくなって金は生まれるけど、そうなるとコアな層は興味をなくしてしまう。だから、原点をどう見せていくかをすごく考えないといけないと思ってて。スポーツはさ、記録が数字で分かるから“すごい!”って思われやすいけど、音楽はそうもいかないから、今はすごいバンドがいっぱい出てきているのに広がりにくいんだよね。だから、『Save Our Space』やミュージシャンがTwitterなんかで一般層に叩かれてしまうんじゃない? 清志郎さんが反政府的なことを歌ってもそんな叩かれなかった。それはそれだけ認めさせる力があったってことなんだと思う。政府がマスクを2枚配布するって発表した時、ヒットラーの映画を使ってディスった映像がTwitterに流れてきたんだけど、昔はそういうことをミュージシャンがやってたんだよね。だから、ミュージシャンこそ叩かれても強い意志を持って本当のことを言えばいいんじゃないですか?
ミュージシャンだけじゃなく、ライヴハウスとしてもできることがいっぱいあると思うんですよ。こんな時代だからこそできる曲を弾き語りでもいいから配信すれば、響く人も多いんじゃないかな。
篠塚
ライヴはできなくなっても、音楽はできますからね。
うん。そういう曲をライヴハウスでレコーディングするのも面白いだろうし。
烏丸
“お客さんを入れられないから無観客ライヴを配信する”という受け身ではなく、ライヴを自粛していたミュージシャンが“もう耐えられないから音を出させてくれ!”とライヴ会場から音楽の爆発を全国へ発信する…そんなピュアなエネルギーこそ人々に勇気を与えるものだとも思いますよ。
篠塚
音楽を好きな人間にとって“音楽をやる”っていうこと自体が、一番純粋なことですよね。
烏丸
無料でも有料でもいい。結果として観てもらうことは必要だけど、それ以前に“音を出させてくれ!”という衝動がある。そこに投げ銭が機能すればいい。音楽がもともと持っている力がお金に変わっていくという本来のかたちになればいいし、僕らのようなメディアは、そのエネルギーを伝えていきたい。むしろ、そういうものじゃないと人の心なんか動かない。今のように社会が落ち込んでいる…みんながメンタルケアを必要としている時こそ、そういう音楽の力が欲しいよね。
千々和
これは単なるリスナーの気持ちなんですけど、何でもいいから好きなバンドが動いてくれていたら力がもらえるんですよ。Twitterでの発言もいいんですけど、こういう時こそ音楽を発信してほしいです。
二位
まさしく! 音楽家は音楽しようよ。
千々和
コロナが終息した時、それまで我慢してた人だけじゃなく、この間に音楽に出会って好きになった人とかもライヴに行くようになると思うんで、ライヴハウスはなくしちゃダメだと思います。
二位
ありがとうございます。頑張ります!
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※本記事は4/20発行号にも掲載予定

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