Editor's Talk Session

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【Editor's Talk Session】
今月のテーマ:
未曾有のコロナ危機、
ライヴハウスは何をすべきか?

ライヴハウス的に言えば、
もうロックダウンが起きてる

石田
このコロナ問題を機に、音楽もツールとしてオンラインをどう活用するかが重要になってきますね。
二位
対面じゃない方向でのエンターテインメントが構築されていくでしょうね。だからこそ、俺は対面することが重要になってくると思ってます。そこで頑張りたい。でも、対面じゃない方向も大事で、こんな俺でもYouTubeを研究しているんですよ。ライヴの配信はみなさんやってるんで、そこからはみ出ることをうちの店ではやりたくて。個性的な店員が多いから彼らを使って、そこにアーティストが乗っかってくれるなら出てもらって、そうやって音楽に興味を持ってもらうとかね。そういう発想の転換は必要かも。
篠塚
室さんの意見は?
僕が個人の判断で決められるなのなら、やっぱり生の音楽が一番だと思ってるのでライヴを続けますよ。でも、会社的なことを考えると、できない理由のほうが多いんです。
二位
それはありますよね。だからって、家族経営のような規模でやっているライヴハウスも大変で…この間、“もう店をたたむから、買ってよ”って言われたし、家賃が払えてない店も知ってますからね。
石田
後ろ盾がないから影響がもろに来るんですよね。
だから、僕は何もできない分、今は未来のことを考えてますね。
二位
ライヴハウスそれぞれで立場が違うしね。先日、ライヴハウスの人たちが集まったんだけど、規模も背景も違うから意見が全然まとまらない。例えば、キャンセル料の問題にしても、100パーセント取るところもあれば、まったく取らないところもあるし。それだとバンドにも不公平だし、ある程度のガイドラインを定めたほうが良いんじゃないかと思ってて。
うちのグループにある4店舗でも違いますからね。ちょっと話が戻るんですけど、この夏が終わった頃に今までのような営業ができると思います?
二位
もう2月以前のような営業はできないと思う。例えば、5月に解除となって、6月から営業開始ってなった時、バンドが動きたいと思っても“今、メンバーがどこにいるのか分からなくて”っていうケースだったり、解散してるバンドもあるんじゃないかな。
篠塚
それ、絶対にありますよ。代表の奴は大丈夫なんですけど、メンバーのひとりが心が折れて脱退するって話をよく聞くんですね。それぞれで状況は違うんだろうけど、ライヴはもちろん、リハーサルもやめているバンドもいれば、逆に不要不急って言われても仕事なわけだからスタジオで音を出してる奴もいて。
都から手紙は来た?
二位
来た来た! すごくボヤ〜ンとした内容だったから電話して訊いたんですよ。そしたらボヤ〜ンとした返答だった(笑)。まぁ、窓口の人もかわいそうだと思って“頑張ってください”って切ったんだけど。要は小さいライヴハウスはダメだけど、大きな居酒屋は問題ないっていう内容だったんですよ。だから、その線引きをどうしているのかを訊いたら、“それぞれの考え方にお任せしているんで、独自に判断してください”って言われた。
だったら、手紙で送ってくる意味ないじゃん。
篠塚
室さんはあの手紙を読んでどう思いました?
何も思わなかった。政府の自粛要請自体が曖昧だし、もともと会社の方針に従わざるを得ない立場なんで。だから、“自粛”じゃなくて“禁止”って言ってほしい。
二位
分かる! そしたら気持ちもスパーン!と変わる。うじうじ悩まなくていいしね。だから、それも言った。“仲間内で喧嘩になるんでガイドラインをはっきりしてください”って。“貴重なご意見ありがとうござます”と言われたけど…。
篠塚
うちは今日だけでも6組から相談の電話がありましたよ。ライヴハウスに育ててもらったからキャンセルにはしたくないけど、感染者も出したくないって。みんな真剣に悩んでいるんですよね。日々状況が変わっていく中で、ずっと葛藤してる。
二位
そうなるよ。あっ、俺、コロナでひとつだけいいことがあったよ。嫁がやさしくなった(笑)。
全員
(笑)。
篠塚
室さんは夏以降の営業についてはどう思います?
未来のブッキングをしてるんだけど…7月くらいのね。だけど、ちょっと自分たちの気持ちの持って行き方が分からなくて。どういうテンションで話したらいいのか、どういうモチベーションを出演者側に持ってもらえればいいのか分からない。唯一、“配信も並行して行なうライヴです”というブッキングはやりやすいってのはありますね。でも、“こういう面白いライヴをやろうよ”という発想に気持ちが向かなくて。今までは“このバンドとこのバンドを対バンさせれば、こういう面白さがある”ってブッキングを組んできたから、どうもそこかがね…。
篠塚
その気持ち分かります。
ひとつの意見として、ライヴハウスが芯の強いバンドをどれだけ囲えているかってのがあると思うんだけど、20年付き合っているバンドはわりとやってくれるんですよ。でも、最近活動し始めたような若いバンドは控えてますね。
篠塚
うちはバンドマンがやっているっていうこともあって、仲間として相談を受けてますね。
だから、政府の様子を見てから決めようと思ってる。だって、ライヴハウス的に言えば、もうロックダウンが起きてるようなもんだから。経済も止まってしまってるし。
二位
最初の話じゃないけど、一週間ごとに状況が変わるしね。初期の頃だと東京事変がライヴを決行したことやYOSHIKIの発言が注目されたけど、もうそういうレベルのことじゃなくなってる。

OKMusic編集部

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