L→R YORKE.(Painter)、Ta_2(Vo)

L→R YORKE.(Painter)、Ta_2(Vo)

【OLDCODEX】弱さも強さも、全部出し
たいと思ってやっている

どうせなら理性的に暴走して、全員ぶっ
潰してやる!

2曲目の「Reminder」は、まるで映画のサウンドトラックのような、ダークなムードのイントロで始まり、一転して激しいサウンドとスクリーミング・ヴォーカルへとチェンジするという。

Ta_2
一発で俺たちがどういうバンドなのかが分かる曲を作りたいと思ったんです。俺たちの個性って、どう考えても絵描きがいることだから、例えばライヴのど初っぱなから絵を描いているパフォーマンスと楽器隊の顔も見えてくる流れを作りたい、と。作曲者のebaに話したのは、“お前が一番見たいYORKE.が絵を描いている姿と、お前が一番見たいOLDCODEXのライヴのオープニングにはまる曲を作ってくれ”でした。そうしたらeba、すごくテンションが上がったみたいで、出来上がってきたのがこの曲です。
YORKE.
この間、『TIMM』というイベントに出た時、海外からバイヤーの人たちがたくさん来ていて、俺たちのことをコンセプトが明快だと言ってくれたり、すごく面白がってくれたんです。だから、日本の人たちももっと自由に感じてもらえたらいいなって。でも、そこに導くのは俺たちの役割だから、こういう曲が産まれたんだろうね。

日本はノリ方が画一的なんでしょうか?

Ta_2
それはそれでいいと思います。それが日本という国の国民性だから。それを理解した上で、そこからどうやって出る杭になるかを考えるのが俺たちです。10代のガキの頃みたいに、衝動的に何かをやっていれば世の中が変わるなんてことは、もうこれっぽっちも思ってないんで。どうせ暴走するんなら理性的に暴走して、全員納得させてやりたいじゃないですか。ライヴのステージに立つ時は、本気でそう思ってやっていますから。ちゃんと届けなきゃいけないし、ちゃんと変えなきゃいけないし、意味のないことはひとつもないって。自分たちがリリースしている状況や立場にブーたれるんじゃなくて、ちゃんと分かった上で好き勝手にやりたい。「Reminder」は、その突破口となる曲です。

そして3曲目の「Get Up To Go」は、ギターとスクラッチがカッコ良いミクスチャーサウンドですね。

Ta_2
実はこの曲って「Aching Horns」ができるずっと前から、こういう曲をやりたいって、デモを渡してあった曲なんです。ギターのリフ一発でカッコ良くて、それだけで押していける楽曲がやりたいって。それはツアーを回ってきた感覚からで、メンバーやスタッフみんなでスクラムを組んで頑張って回ってきて、良い時もあれば悪い時もあって…、そうやって回っていくうちに生まれた一体感、そういう中で生まれるシンプルなものもあるよねって。そのシンプルさが感じられて、なおかつカッコ良い曲をやりたかった。でも、やっぱりただでは済まない楽曲にもしたくて、それがかたちになったのがこの曲ですね。

「WALK」(3rdアルバム『A Silent, within The Roar』収録曲)がイントロの頭で歓声があがるみたいな。

Ta_2
そうそう。「WALK」は頭の二発で分かるから。

歌詞はどんなイメージで書きましたか?

YORKE.
歌舞伎町で酔い潰れて、誘惑に負けそうな自分がいて、そんな酔いから覚めていくみたいな(笑)。あの美しい景色に戻りたい、でももっと新しいものが見られそうだ、みたいな感じ。歌舞伎町に昔CODEというクラブがあって、俺はよくそこで酔っ払ってたんだけど、朝方に店を出ると、ゴミが舞ってて、いろんな人種がいて、“何やってるんだろう、俺?”みたいなところから目を覚ましていく感じ。“俺がいる場所は、ここじやないはずだろ!”って。曲がそういう情景を引っ張り出してくれた気がします。

OLDCODEXとして新しいところへ踏み出したいという、これもある種の“願い”のような?

YORKE.
それを、気怠い感じで表現しています。

2016年2月の二度目の武道館(2ディズ)では、そのもっと新しいものを見せてもらえそうですね。そんな武道館公演のタイトルである“Veni Vidi”はどういう意味ですか?

YORKE.
ジュリアス・シーザーの言葉で、以前タバコのマルボロパッケージにも書いてあって、ラテン語で“Veni, vidi, vici,”と書くんだけど、“来た、見た、勝った”という意味です。でも、勝ったかどうかはまだ分からないので、“vici”を抜いて“来た、見た”と。2015年に初めて武道館公演をやれたけど、もう1回ちゃんと立ってみたいと思ったので付けました。
Ta_2
武道館には立ったものの、もっとやれることがあったんじゃないかと、あの時思ったんです。そうしたらチャレンジ精神に火が付いて、じゃあ前回の反省を活かしてもう1回やってやろうぜって。前回を反省しているのに、それをまた武道館でやるっていうんだから、イカれてますよね(笑)。

今度の武道館ではどんなことをやろうと?

YORKE.
ライヴだね。
Ta_2
他に何をやれと?(笑)

そんな武道館から始まる2016年は、どんな活動をしようと考えていますか?

Ta_2
与えられた状況で、満足することなく自分たちのやれることをしっかりやる。求められている部分もあれば、それを裏切りたい気持ちもあるので、そのバランスを取りながらやっていきたいと思っています。だから正直、武道館から、また始まるみたいな感覚はないんです。将棋のように常日頃から10手20手先を見越していきたいので、2016年が元日から始まったとしても、俺たちの中ではもうとっくに始まっているわけで。だから、デビューからずっと地続きのまま、終局することのない詰め将棋をやっている感覚です。
「Aching Horns」2015年12月16日発売Lantis
    • 【初回限定盤(DVD付)】
    • LACM-34432 1944円
    • 【通常盤】
    • LACM-14432 1404円
    • 【アニメ盤】
    • LACM-14433 1296円
OLDCODEX プロフィール

オルドコデックス:2009年、発足。VocalとPainterという異色の組合せの特性を生かし、ロックを基盤にしながらラウド、ダンス、パンク、メタル、プログレ、R&Bなどの要素を混ぜ込んだミクスチャーサウンドを主としつつ、ライヴアートを織り交ぜた視覚をも楽しませる作品群をパッケージ物、ライブ、グッズ等、メンバーが関わる全ての場所で打ち出している。2021年12月に、『劇場版 Free!-the Final Stroke-』後編 メインテーマをもって解散となることを発表。22年4月27日発売の『劇場版 Free!-the Final Stroke-』後編オリジナルサウンドトラック「Never Ending Blue」にOLDCODEXが担当する同タイトル メインテーマが収録。『劇場版 Free!-the Final Stroke-』後編オリジナルサウンドトラック 商品情報
OLDCODEX オフィシャルHP

OKMusic編集部

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