Editor's Talk Session

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【Editor's Talk Session】
今月のテーマ:
アーティスト性の変化と
レコード会社の在り方

SNSを使いこなしている
アーティストに注目をしている

岩田
話が変わりますが、新人アーティストの発掘という点で言うと、ライヴハウスにも行けない昨今で新人発掘はとても難しいと思います。おふたりはそれぞれどういうスタンスで新人発掘に取り組まれていますか?
今村
もはやSNSでしかないんじゃないかな? でも、僕はこのやり方の逆でずっとやってきていたからSNSがすごく苦手で。まさに150人の『IMALAB』メンバーを頼りにしています(笑)。
松崎
すごくいい仕組みを作りましたね! 完全に分社化させた会社みたいだ。
今村
ひとりで動くのは限界があるから多くの人が動いたほうが見つけられるんじゃないかと。
岩田
『IMALAB』のスタッフから集まってくる多くのアーティスト情報から最後に選定されるのは今村さんなんですよね? 選定の基準は何になるのですか?
今村
僕の中には基準があって、それは『IMALAB』のみんなにも伝えてます。まず“数で勝負しない”。“いいね”の数は取ろうとすれば取れるので、数だけで判断しないとか、最初の入口はある程度決めるんです。あと、持ち曲が3曲くらいしかなかったら採用しないとか。“2曲だけ当てたいんです”みたいなアーティストも絶対いるじゃないですか(笑)。そうやって作っていく時代でもあるから、そういうアーティストがいてもいいのかなと思うんですけど、なるべく耳だけで判断するようにしていますね。それと、僕はバンドばっかりやってきたとはいえ、ジャンルは絞らずいいと思うものを選んで、採用が決まったら見つけてきた人がそのアーティストを担当する。そうやって多くの人がアーティストにちゃんと携われるといいなと。
石田
今村さんは今までバンドを主にやられていましたけど、バンド系じゃないものを持ってこられた時も、ご自身で選定されるのですか? いわゆるボカロ系とか。
今村
そこが本当に得意じゃないので、その話を持ってきてくれた人にボカロのレッスンをちゃんと受けています。どういう歴史でこの人が注目を集めているのかなどをしっかりと教わってから、曲を聴いて判断してますね。めちゃくちゃ勉強になりますよ。
岩田
松崎さんもSNSを見に行って自分で新人を探してくるんですか?
松崎
SNSで見つけるというよりは、SNSを自然に使いこなしているアーティストが好きなんですよ。それこそ今担当しているマカロニえんぴつのはっとりくんの詩的なツイートが好きでした。EveはYouTube、りりあ。はTikTokをひとりで使いこなしていましたし、SNSで探すというよりはSNSを使いこなしている人を見つけるという感覚です。
今村
松崎さんがかかわっているアーティストってブレイクするまでがすごく早いんですよね。
石田
アーティストができてないところを松崎さんがカバーするから、そのアーティストが持っている勢いに加速力がつくんでしょうね。
今村
『VIA』はすでに3アーティストが所属していますもんね。“VIA”という名前もいいなと思ってるんですけど、自分で考えたんですか?
松崎
ありがとうございます。名前は“~を経て”や“~を経由して”という意味があるんですけど、もともとテクノがすごく好きで、田中フミヤさんのDVDで『Via』という作品があって、本当のことを言うとそこから取ったんです(笑)。でも、後づけ的に意味合いができたし、語呂もいいし、意味もいいなと思って。
今村
『IMALAB』は本当にシンプルで(笑)。でも、一個意味を入れたかったのは“ラボラトリー”という言葉ですね。新しい時代への対応が難しい今、常に実験的でありたかったんです。松崎さんもどこかのインタビューで“カラーがない”とおっしゃっていましたが、僕もまったく同じで白でいいと思ってるんですよ。これから誰かが色をつけていけばいいかなと。それはスタッフなのか、クリエイターなのか、アーティストでもいいと思いますし。だから、“今村が実験するよ”ということで“IMALAB”って…しかも人につけてもらったという(笑)。設立したレーベルの“balami”という名前も、“IMALAB”を反対にしただけだし(笑)。
石田
レーベルのカラーはモータウンみたいに、あとからついていけばいいですよね。そうなると“あのレーベルが出すんだからこういうアーティストなんだろう”とか“あのレーベルから出てくるアーティストは信頼できる”となっていくし。あと、今村さんの“みんなと一緒にやっていく”というスタンスも重要で。アーティストをプロデュースするではなく、コライトしていくとおっしゃっていたインタビューを読んだことがあるんですけど、だからこそスタッフやクリエイター、アーティストが賛同してくれるんじゃないかと思いますね。
今村
昔から僕はプロデュース能力とかは全然なくて、担当したアーティストがすごかっただけだと思っているんです。単純にサポートをしてきただけなんで。才能あるアーティストとクリエイターとスタッフ、その人たち同士でやったほうが絶対にいいから、まずはプロジェクト化して、チームで責任を持ってやる。それぞれが発揮できることに取り組んでほしいんですね。そうすると、ある程度の人数やいろんな分野の人がいたほうが新しいものが出来上がる景色を見ることができると思っています。

OKMusic編集部

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