L→R Ta_2(Vo)、YORKE.(Painter)

L→R Ta_2(Vo)、YORKE.(Painter)

【OLDCODEX】“Silent”と“Roar”が
共存したステージに上がる まさにそ
の瞬間

結局また最初から始めるために“A”で
始まるタイトルに

1曲目の「reflection」は、アレンジのクレジットがOLDCODEXになっていて。YORKE.さんが絵を描く筆のシャッシャッという音と、Ta_2さんの声をコラージュしたすごく面白い曲ですね。Ta_2さんのマイクを持つ手とYORKE.さんの筆を持つ手がデザインされた、『CONTRAST SILVER』のジャケットの印象とも重なるところがありました。

Ta_2
これこそ純度100パーセントのふたりの音です。このアイデアはずっと温めていたもので、それこそ3年くらい前にYORKE.をOLDCODEXに誘った時から、ずっと考えていたんです。機が熟したらやりたいと思って、今回“絶対、今だ!”って。でも、いかんせん筆の音をマイクで録ることってやったことがなかったから、とにかく試行錯誤で苦労しましたよ。
YORKE.
絵を描くことが、ちゃんと楽器になったね。レコーディングの時も、俺がいつも絵を描いてる時に耳に聞こえてる音を、なるべくリアルに吐き出そうと思ってやったんです。でも、実際に何の音か、みんなは分かるのかな?
Ta_2
知らない人は、“何だコレ?”とか、“ああ〜、こういうアプローチね〜”みたいに思うだろうけど、OLDCODEXのことやYORKE.のことを知れば、“なるほどそういうことか!”ってなると思う。だから、これ1曲で自己紹介みたいな。

歌詞の“picture”という言葉も、すごく象徴的ですね。

YORKE.
“paint”とか“draw”とかを選ぶことが普通だけど、“picture”という言葉の持つ"理想を描く"みたいなニュアンスが好きなんだ。だから、ここぞという時に使いたいと思っていて。最初に“picture feeling”って出てきた時は、“キタな〜”って(笑)。もしジョン・レノンがOLDCODEXを見たら、どう思うかな?なんてことを想像したりしながら考えてました。

ラストの「How Affection」は、YORKE.さんの作詞作曲で。静けさと轟音の両方があって、まさにタイトルの“A Silent, within The Roar”に相応しいと思いました。

YORKE.
最初、Ta_2がYORKE.の詞先でいきたいって。
Ta_2
7thシングル「Rage on」のカップリング曲「Now I am」がそういう作り方で、あの曲がすごく好きなんですよ。それで、何もない自由なところで書いたYORKE.の言葉に、メロディーが乗っていくような曲がいいんじゃないかと思って。
YORKE.
最初から作曲したいと思っていたわけじゃなかったんだけど、書いているうちに突然メロディーが浮かんできちゃって。『GarageBand』を急いで立ち上げて、パソコンに向かってアカペラで歌って、それをもとにアレンジしてもらったんです。最初に歌詞を書いた時は、すごく暗くて絶望的に終わっていくイメージだったんだけど、Ta_2の歌が乗ったら、すごく光りがあるような感じになったかな。
Ta_2
実はこの曲って、2回歌録りをしているんです。本当は1回目の時に録り終えないとヤバかったんだけど、あえて考え直す時間をもらって、ヴォーカリストとしてアプローチをもう一回詰め直して…。最初は森の中でいばらとかあって、湖に光りが差し込んでいるイメージだったんだけど、最終的に俺の中では青い炎みたいなイメージに変わりました。

他に、キャッチーなサビのアッパーなロックの「Seek your turn」、テクノとロックが融合した感じの「optimistic negative thing」とか、いろいろなタイプの曲があって。中でも「Landscape」は、明るくてポップなパンクという印象で、軽快さがすごく楽しくていいですね。

YORKE.
死を遠くに感じているから、簡単に死んでもいいと言える。それって若さなんじゃないかな。例えば、映画『スタンドバイミー』で、線路を歩いているのに電車が来るなんてことは微塵も思ってなくて、実際に電車が来たら“来た〜!”って逃げるシーンがあって。あれが、まさに死が近づいた瞬間なんだけど…何て言うか、そういうシーンを思い浮かべて詞ができたかな。
Ta_2
俺が言っていたのは、“A”で始まるやつにしたいって。最初はそんな深い意味もなかったけど、あとからいろんな意味ができてきました。MP3プレーヤーとかでアルバム順で聴いていると、だいたいアルファベット順に並んでいるから、リストの頭に並ぶし、そういう絶対に目に付くアルバムにしたいなって。で、あとでいろいろ考えたら、『hidemind』『CONTRAST SILVER』というアルバム…他にいろんなシングルを出してきたけど、結局また最初から始めるという意味も含めて、“A”始まりにしたいと思ったのかもなって。まぁ、これはあとから気付いたことなんだけどね。
YORKE.
言葉の意味としては、すごく感覚的なものなんだけど…俺らがステージに上がる前は、ステージ袖が黒いカーテンで仕切られてて、向こう側ではお客さんが騒いでいる。そこからステージに向かって一歩出る瞬間が、まさにこういう感じなんですよ。“Silent”も“Roar”も、どっちも共存している。もしかしたらお客さんもそうなんじゃないかな? 何カ月も前にチケットを買って、その日を待ちわびていてくれて。遠くの地方から来てくれる子もいるし。そういう子らにとっての、俺たちがステージに現れる瞬間、息を飲むじゃないけど、その瞬間を表した言葉っていう感じです。
Ta_2
アルバムを聴いてくれる、みんなにとってもきっとそうだよ。1年2カ月待ちに待っていてくれたわけで、ブックレットとか見ながらCDを入れて、再生ボタンを押すとちょっとだけキュルキュルって読み込む時間があって。タイマーが0になって、そこから1になるまでの、そのわずかな瞬間。きっと、俺らやライヴに来てくれる子らと同じ『A Silent, within The Roar』を感じてくれると思う。
『A Silent, within The Roar』2014年04月02日発売Lantis
    • 【初回限定盤(DVD付)】
    • LACA-35380 3500円
    • 【通常盤】
    • LACA-15380 3000円
OLDCODEX プロフィール

オルドコデックス:2009年、発足。VocalとPainterという異色の組合せの特性を生かし、ロックを基盤にしながらラウド、ダンス、パンク、メタル、プログレ、R&Bなどの要素を混ぜ込んだミクスチャーサウンドを主としつつ、ライヴアートを織り交ぜた視覚をも楽しませる作品群をパッケージ物、ライブ、グッズ等、メンバーが関わる全ての場所で打ち出している。2021年12月に、『劇場版 Free!-the Final Stroke-』後編 メインテーマをもって解散となることを発表。22年4月27日発売の『劇場版 Free!-the Final Stroke-』後編オリジナルサウンドトラック「Never Ending Blue」にOLDCODEXが担当する同タイトル メインテーマが収録。『劇場版 Free!-the Final Stroke-』後編オリジナルサウンドトラック 商品情報
OLDCODEX オフィシャルHP

OKMusic編集部

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