YORKE.(from OLDCODEX)

YORKE.(from OLDCODEX)

【日本工学院専門学校 コンサート・
イベント科 特別授業 「ミュージック
ジョブ」 公開インタビュー】スタッ
フの愛がアーティストを育てる!

日本工学院専門学校のコンサート・イベント科のカリキュラム「ミュージックジョブ」の公開インタビューに、OLDCODEXのYORKE.(Painter)が登場。音楽業界を支えるスタッフを目指す約600名の生徒に向けて、経験談を交えながらエールを送った。
インタビュアー&テキスト:榑林史章/撮影:梅本陽子

まず、出会いについて。YORKE.さんがOLDCODEXに入った経緯を教えてください。

もともとミュージシャンの友達は多かったんだけど、正直バンドには興味がなかったんだよね。だから最初は、OLDCODEXのビジュアルを作るという、外側からサポートするかたちで関わっていて。ある時、Ta_2からメンバーになってくれって電話がかかってきて、それも毎日のように。でも、1年ぐらい続いた頃に、ぱったり電話が来なくなったんですよ。それでつい、自分から電話をしてしまって。完全にオトされた感じだよね(笑)。Ta_2は熱くて根が真面目で好感が持てたから、信用できると思ったというのもあったけど。

そういう相手との出会いは、なかなかないですよね。

そうだね。仲良くなるまでに時間がかかっても、最終的に一生の友達になれる奴もいるし。最初からすごく気が合っていたのに、一過性の時もあるし。だからこそ、一個一個の出会いが大切じゃないかなって思う。

OLDCODEXは、ヴォーカルとペインターという珍しいメンバー構成ですが、そこにはやはり既成概念にとらわれないような、ものの考え方があるのでしょうか。

自分では既成概念にとらわれないとか意識してなくて…自分を信じてやってきた結果だと思ってる。大きかったのは、画廊みたいなところではなく、音楽レーベルと契約したということ。CDを1枚出すごとに印税が発生するけど、レーベルが絵描きに印税を払うのって今まではなかったんです。でも、それをやってくれたのがランティスというレーベルだった。だから、むしろ既成概念にとらわれていなかったのは、ランティスのほうじゃないかなって思う。

考え方という部分で、YORKE.さんが何かをやろうとする時に優先させるのは、何ですか? 例えば、ワクワクする気持ちを大事にするとか?

死なないことかな。子どもの頃は、身内で不幸があってもピンとこなかったけど、20歳の時に友達が亡くなって、その時に初めて死を隣に感じて、こうして生きていられることは、決して普通のことではないと思うようになったんだよね。ともかく生きていないと、何もできないから。今、何かをやる時に真っ先に意識するのは、そのことだよね。

絵を描いていて、死を感じるような時がある?

絵描きに限らずアーティストって制作に没頭すると、どんどんそっちに向かってしまう傾向があると思う。負のパワーに引き寄せられると言うか、勝手に“そっち側”に向かってしまうんですよね。だから、そっちには行かないように気を付けてる。こう見えて、車もすごく安全運転ですよ(笑)。

スピード出しそうなイメージですけどね。

確かに昔は、ルールなんて、って思ってたかもね(笑)。今は社会というルールを守りながら、その中でルールを超えたものを提示していくのが、俺たちの仕事だと思ってる。

次に、プロとしての意識の持ち方をうかがいます。一般的には、作品を作って対価をもらえば、それはプロなんだという考え方もありますが。

俺は20歳くらいからこういう仕事をやっているけど、自分がプロになれたと思ったのは、25歳くらいの頃。その時に初めて、自分の作品について、アーティストということについて、24時間ずっと考えられるようになった。アーティストってライセンスがない職業だから、自分の中で常に問いかけて突き詰めるしかないんだよね。だから、それを24時間できるかどうかということじゃないかな? 決してお金がプロとアマとの差ではないと思う。実際に俺、銀行口座の残高が8円だったこともあるし(笑)。

OLDCODEXは、ライヴの動員も増えて知名度もどんどん上がっている。ある意味、夢を叶えつつあると言えると思いますが、夢を追いかけるのに、大切なことは何だと思いますか?

俺もまだ途中だから、それは分からない。大きくて漠然とした未来に向かっていくのって、すごく難しいことだから、“何か夢を持て!”と言われてもねぇ、っていうのもあるし。だから、目の前のことをひとつひとつ確実にクリアーしていくしかないよね。ただ、意識の持ち方というか…頑張って自分で学費を出している子もいるだろうけど、親御さんが出してくれている人が多いと思うので、そこのところは絶対に忘れちゃダメだよね。そこにしっかり意識を持って一生懸命頑張っていれば、夢は勝手に向こうからやってくるんじゃないかな。

今日集まっている生徒たちは、音楽業界の裏方を目指しています。アーティストとしては、どういう人がスタッフに付いてくれたら嬉しいですか?

どんな人でも、愛情を持って来てくれればいいです。俺らを支えてくれるスタッフからは、いつもすごく愛情を感じるし、それでテンションがアガって頑張ろうって思うから。スタッフが俺らを愛してくれて、だからこうやってカッコ付けてやっていられるし、愛してくれるからこそ、こうしたいとかああしたいって思う。要は、スタッフがアーティストを育ててるんだと思うよね。本来アーティストがスタッフに対してどういう人がいいとかって要求するのは違うと思う。逆に、スタッフ側がアーティストに求めるべき。“YORKE.やれよ!”ってケツを叩いてくれれば(笑)、頑張ってスケジュールをこなしていけるし。これは、現場に出て実際にアーティストと接するようにならないと、なかなかイメージがわかないことかもしれないけど…。来年就職して誰かアーティストに付くようになったら、今言ったことを思い出してほしいし、自分が愛せるアーティストと巡り会ってほしいよね。それが俺たちだったとしたら最高だよね。またどっかの現場で、会える日を楽しみにしてます!
OLDCODEX プロフィール

オルドコデックス:2009年に結成。ラウド、ダンス、パンク等の様々な要素を取り込んだサウンド、それにインスパイアされながらアートワークを作り出すペインティングにより、観る者、聴く者の、五感を刺激する作品を打ち出している。TVアニメシリーズの主題歌を担当することも多く、『SERVAMP』『GOD EATER』『黒子のバスケ』『Free!』シリーズ等、タイアップは多岐にわたる。ライヴではYORKE.自らが制作に携わる巨大なセットという名のアートを背負い、その存在感を見せつけている。そして、バックドロップにも必ず手を加えるので、常に作り手の体温が感じられることも特徴のひとつ。15年に初の日本武道館公演、18年2月には横浜アリーナ公演を行なうなど国内を中心としつつ、アメリカ・台湾・中国・韓国・シンガポールでもライヴを敢行するなど、ワールドワイドな活動を展開している。OLDCODEX オフィシャルHP

OKMusic編集部

全ての音楽情報がここに、ファンから評論家まで、誰もが「アーティスト」、「音楽」がもつ可能性を最大限に発信できる音楽情報メディアです。

新着