鈴木康博

鈴木康博

一年ずつ、一生懸命に
やることしか頭になかった

83年にソロデビューをされてからは、郷ひろみさんに提供した「素敵にシンデレラ・コンプレックス」をはじめとする楽曲提供や、山本潤子さん、細坪基佳さんとのSong for Memoriesも含め、活動の幅が広がっていったと思いますが。

あんまりどうしようこうしようって考えていなかったというか、Song for Memoriesもたまたま細坪くんとライヴをやるようになったから“一緒にやろうよ”って話になったんですよね。でも、ソロになったばかりの頃は、“ひとりで全国を回るにはどうしたらいいんだろう?”と考えていました。Song for Memoriesはありがたいことに3人で集まれば市民会館クラスの大きい会場でできるんですよ。そこでやったあとに、その街のライヴハウスを回ったらお客さんが来てくれるようになるんじゃないかとか、そういう発想があった気がする。それで10年間 Song for Memoriesをやって、ソロでもだんだんライヴハウスにお客さんが来てくれるようになり、都道府県全部を回れるようになったのかな? フォーク酒場と言われるようなライヴハウスが全国に増えて、オーナーが音楽好きだからPAもしっかりしていてね。

よりパーソナルな活動になっていったわけですね。

そうですね。かなり前から関西地方だけを回ってカセットを売っている人たちがいたんですよ。その方たちは本当の自主制作で、中学校の校歌を作ったりもしていて、一年の終わりにはハワイ旅行に行くみたいな(笑)。すごいんですよ、もう活動のペースが出来上がっているわけ。当時そんなやり方はまだ誰もやっていなかったんじゃないかな? メジャーにいた頃から“こんなにマイペースに音楽ができる世界もあるんだな”と憧れていて、それはずっと頭の片隅にありましたね。だから、さっきは都落ちと言ったけど、自主制作でやることにはあまり抵抗がなかったんです。それでSong for Memoriesの活動が終わってからは、アルバムを作ってはツアーを回るっていう活動をしてきました。

長年活動されているからこそ、音楽業界の流れも見てきているわけですよね。

いろいろ変わりましたけど、音楽をコンピューターで作れるようになったのも、ひとりでの活動としては大きいですね。コンピューターで作るのは前からやっていて…大学の卒業論文もそれでしたから(笑)、デジタルに対する嫌悪感はないんですよ。

ご自身が50年も音楽活動をすると思っていましたか?

全然。この業界は一年先も分からないですからね。いつダメになるか分からないってところで、一年ずつ、一生懸命にやることしか頭になかったです。

続ける上で活力になっていたものはありますか?

うーん、これだけやっていると分からないんですよ。暇だと知らないうちにギターを持っているし、ギターを持っているとコンピューターを触っているし。3日何もやっていないとイライラしてくる感じ(笑)。何かの糧があって音楽を続けてきたのではなく、音楽が生活の糧になっている。ファンの方や聴いてくれている方がいるから生活できているわけだし、感謝しています。

そんな鈴木さんにとってのキーパーソンはどなたですか?

言い出したらきりがないくらい、いっぱいいますよ。今も担当してくれているマネージャーもそうだし、杉田二郎さんがいなかったらオフコースをやっていなかったと思うし…オフコースが全然売れていない時に杉田二郎さんと同じ事務所にいたんですけど、その会社が解散することになったんですね。“じゃあ、誰と一緒にやろうか?”って時に杉田さんがサブミュージック・パブリッシャーズオフィスという個人事務所を作るからって手を挙げてくれたんです。自分たちでやっていかないと音楽業界は変わらないって話をしてね。そこから世界が広がっていったので、杉田さんは大きい存在です。今のマネージャーはSong for Memoriesを10年間やって終わろうって時に手を挙げてくれて、それで全国を回れるようにもなったわけだし。手を貸してくれる人のおかげで自分に合った活動ができているから、本当に恵まれていると思います。

取材:千々和香苗

OKMusic編集部

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