May'n

May'n

「ダイアモンド クレバス」は
たくさん変化し続ける曲

2008年にはTVアニメ『マクロスF』に登場するシェリル・ノームの歌パート担当に抜擢され、同時期に“May'n”に改名されましたが、当時のブログに書かれていた由来の“音楽界のメインアーティストなれるよう、みんなにとってのメインテーマな歌を歌えるよう”という言葉からも、大きな決意を抱いての再出発だったように思います。

とにかくたくさん歌いたいというのがあって、それまではお仕事がなかったので“もう一度、歌える場が待っているかもしれない”“これを掴まなきゃ”という想いで練習をして、『マクロスF』のことを調べて、人生を懸けていました。他にも候補の方がいらっしゃる状況と伺っていたのでずっと必死でした。

シェリル・ノーム starring May'n名義で発表した楽曲をきっかけに大きく知名度を上げたMay'n さんですが、ご自身にとってのアニメの世界はどんな存在ですか?

知らない感情や忘れかけていた感情を引き出してもらえるものですね。特にシェリル・ノームの曲を歌っていると、シェリルの人生も込みで歌わせていただけるので、本当にいろんな人生を経験させていただけてるなと実感します。“愛”とか“戦い”とか“正義”とか、いわゆるアニメだからこそ歌いやすいワードって絶対にあると思うんですけど、それは日常でも感じることだと思うんですよね。普段は忘れかけているだけで、みんな何かと戦っているし、誰かに負けたくないという気持ちがあるはずで、“正義”って言葉を使うとアニメっぽいかもしれないけど、信念とかそれぞれの正義を掲げながら歩んできていると思うので、それを真っ直ぐに届けることができるのはアニメがあってこそなんだと思います。

アニメの世界観が前提にある中で、特に「ダイアモンド クレバス」はMay'nさん自身からも滲み出ているような振り絞った勇気を感じる歌声が印象的でした。

レコーディングではシェリルのことだけを考えて、シェリルが歩んできた人生とか、抱えている状況を感じた上で歌いたいんですけど、私の身体を使って歌う以上、私の人生も自然と声に滲み出てくると思っているので、その湧き上がってくる想いには蓋をせずに乗せていたいとは常に思っています。特に「ダイアモンド クレバス」は一番変化してきた歌だと感じていますね。最初にレコーディングした頃はまだ不安もあったし、この先の自分にどんな未来が待っているのか分からないけど、この曲で頑張っていきたいという想いもありましたし。それがたくさんの人に聴いていただけて、海外でも大合唱してくれて。今は歌っているとそういう思い出や景色が浮かぶんです。当時の不安な気持ちを思い出す時もあるし、今目の前に広がる景色に感謝をしながら歌うこともあるし、ふとシェリルが降りてきて“シェリルだ!”と思うパフォーマンスをする時もあるし、自分が“こう歌おう”と意識しなくてもたくさん変化し続ける曲だと思います。

いろんな角度から
自分自身を見てあげたい

May'nさんがファンの方から“部長”と呼ばれているのは、どんなきっかけがあったんですか?

これは改名する前から言っていて、最初はブログに書いた親父ギャグだったんですよ(笑)。食べるのが好きなので、“今日も食べすぎちゃったわ~。デ部部長やわ! ははは!”みたいなことを言っていたのが広まって、“部長”って呼んでくれるようになったというだけなんですよ。“部長”という肩書でレギュラー番組をやっていたこともあって広がっていったという感じですね。

ひょんなことがきっかけにはなりつつも、May'nさんはもともと人を引っ張っていくような性格の方なのでしょうか?

学生の時から学級委員とか…それこそ部長とかはよくやっていました。人前に立つのが好きなので、体育祭とか合唱コンクールでも張りきっていて、“みんな頑張るよ!”“ほら、そこの男子!”みたいな(笑)。だから、“部長”って呼ばれるのはしっくりくるところがあります。シェリル・ノームの歌姫像は大事にしたくて、自分を出しすぎたらそれが壊れるんじゃないかと葛藤していた時期もあったんですけど、“今までの自分があったからこその今”と素直に思えるようになったことで、より部長がしっくりくるようになったというか。みんなに届ける言葉もよりナチュラルになったと思います。

周りの人を引っ張っていける人は群れから一歩出た立場にいるから、そのぶん孤独も伴うのではないかと思うのですが、May'nさんにはそういった部分はありましたか?

学生の時は負けず嫌いで目立ちたかっただけでしたけど、デビューしてからあまりお仕事がない時は、本当の自分のちょっと前に立って“いやいや、今できることあるでしょ!”“立ち上がってレッスンに行こうよ!”と言い聞かせて頑張っていて、逆に言うと素直に悩むことができなかったんですよね。悩み出したら立ち上がれないことを分かっているからこそ、落ち込みそうになると早めにすくい上げてしまう自分がいるというか。“それって私の弱いところだったな”と、あとから気がついた時がありました。だから、自分の弱さに向き合える人をすごいと思うし、誰かの前で弱音を吐けたり、つらい時に涙を流せるのって必要で、落ち込んで何もできなかったとしても、そうやって自分に正直になれる強さを感じるんですよね。私はそれができなかったので、そこに関してコンプレックスを感じていたかもしれないなって。だから、今は意識的に本当の気持ちに正直になってあげようとか、“今、泣きたいんじゃないかな?”“本当はめっちゃつらくない?”って心の声に耳を傾けてあげたいと思っています。がむしゃらに笑顔で進み続けていた時期があったからこそ、今はより素直になれているのかもしれないですけどね。悩む前に這い上がっていたのを、落ち込むことができなかった弱さだと思う反面、最高にポジティブだなと思う自分もいるんですよ。だから、いろんな角度から自分自身を見てあげたいんです。

OKMusic編集部

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