L→R HISASHI(Gu)、JIRO(Ba)、TERU(Vo)、TAKURO(Gu)

L→R HISASHI(Gu)、JIRO(Ba)、TERU(Vo)、TAKURO(Gu)

【GLAY インタビュー】
今、GLAYはどういう方向へ
向かっているのか?

我々はどんなことがあっても
幕が開いたら演奏するしかない

表題作以外の楽曲についても訊かせてください。「GALAXY」はビートアレンジとCo-programmingに80KIDZというユニットが参加されていますが、その経緯は?

「Into the Wild」(2020年8月発表のシングル「G4・2020」収録曲)のリミックスで参加していただいたのが直接的な最初の接点なんですけど、結構フェスとかでは一緒になっていて。もちろん80KIDZのことは知っていたし、リスペクトもしていて、今回は非常にいい機会でしたね。

『FREEDOM ONLY』でのTomi YoさんやYow-Rowさんの参加もそうでしたけど、ここにきてGLAYはいろんな方々とコラボレーションしていますね。躊躇がないと言いますか。

そうですね。「GALAXY」は『FREEDOM ONLY』の中に入っていたとしても、きっと80KIDZと一緒にやっていたと思うんですよ。これもそんな自然な流れだし。「GALAXY」に関してずっと言っていたのは、この打ち込みサウンドをアリーナとかスタジアムとか大きなところで聴かせたいと。ギターも全然細かいことはやっていないですから。実際、海外の野外フェスを観ても“圧倒的なロックの魅力、説得力ってあるんだな”と改めて感じるし、それを信じたいと思ったんですよね。それには80KIDZのポップな打ち込みの揺るがない説得力が必要だった。

“メジャー感”と言い換えてもいいかもしれませんね。あと、「GALAXY」には楽しい感じもありますよね。“いろんな音が聴こえてくる”みたいな。

フェスを観に行って、知らないバンドだけど、その曲の音が気持ち良くて、それで盛り上がる…みたいなね。フェスって本来そういうことじゃないかって思うんで、「GALAXY」にはそういう方向に行けばいいかなと。

他アーティストとのコラボレーションには、そうした“これまで知らなかった人にも楽しんでほしい”といったきっかけ作りの面もありますか?

出口はそこにあるんですけど、きっかけはメンバーが楽しむためで(笑)。最初のオーダーでは“めちゃめちゃにぶっ壊して!”と言いますからね。だから、飽きているわけじゃないんだけど、GLAYに新たな風が入った時のアプローチって、俺もそうだけど、JIROのベースも違うし、TERUの歌も違うし。そういう意味で言うと、新しい人と一緒にやってGLAYの魅力がさらに増すこと…もっと言えば、メンバーのアプローチが変わるくらいの改革みたいなものを僕らは常に求めていますね。そこに亀田さんが“何か面白そうなことをしているね”って混ざってきて、スタジオの中がすげぇ楽しい雰囲気に盛り上がって、それがスタッフに、そして最終的にはお客さんにも伝わるものを作り出していくことが、変わらないGLAYの制作のクリエイティブな部分ですね。

続いて、「クロムノワール」。ややダークでシリアスなナンバーですが、改めて楽曲の制作背景を教えてください。

テレビ東京系『WBS ワールドビジネスサテライト』のエンディングとなることが大きかったと思いますね。TAKUROが書くようなテーマに一番近いというか、こういうのは一番得意なことなんじゃないかな? 一週間のニュースを伝えて、その憤りがまた次の週に持ち越してしまうことの苦みとか、そういうものが込められていると感じますね。

“社会性を帯びている”と言うと簡単ですが、そういったものが歌詞、サウンドにもある感じはしますね。

はい。我々はどんなことがあっても…地下鉄サリン事件があっても、東日本大震災があっても、戦争があっても、幕が開いたら演奏するしかないという、すごく矛盾したところにいるんですよ。ミュージシャンはそういったことを決めて、そこに“The Show Must Go On”という言葉を込めてやるというところが、この曲の一面にはあって。

この曲から感じる苦みはそういうところですか。

それはある。『FREEDOM ONLY』もそうだったけどね。

決して明るくはない曲ですけど、かと言って100パーセント暗いかと言ったらそうでもない。微妙なところをたゆたっているような印象もあります。

そうですね。まぁ、「Only One,Only You」もそうですし、古くは「CHILDREN IN THE WAR」(2003年10月発表のシングル「BEAUTIFUL DREAMER/STREET LIFE」収録曲)も戦争の影響で制作された楽曲で。TAKUROには伝えたい気持ちはあるんだけど、俺らは楽曲を組み上げて、それをエンターテイメントにしないといけない。そこにも矛盾があるんですよ。“えっ、この曲ですか!?”という。“やるけど、どんな気持ちでやればやればいいんだろう?”みたいな。

作者の考えを作者ひとりで文章や絵画にするわけではなく、バンドの場合はそれを4人、5人でかたちにするわけですから、他のメンバーにしてみればそこには葛藤があるというか。

そうですね。エンターテイメントでありショービジネスである世界にいるわけだから。TAKURO個人が弾き語りなら“どうぞ、ご自由に”という感じなんだけど、そこでバランスを取る…とまではいかないけど、“数多くあるGLAYの中の一曲としていかにアプローチしていくか?”というのは難問でもあります。

でも、「Only One,Only You」もそうでしたけど、十分にメンバーの個性は注入されていますよね。「クロムノワール」で言えばサビに重なるヘヴィなギターもそうだし、間奏のギターソロは完全にHISASHIさんらしいものだと思います。間奏の後半は例の光線銃のエフェクトですか?

あれはディレイを使ったギミックなんですけど、FX系ですね。当初は曲に寄り添っちゃって、べったりそっち側へ行ったんで、“いやいや、私はこれをエンターテイメントにしなくちゃいけない”みたいなところがあって(笑)。完全にメンバーが曲に寄り添っちゃダメなんだということは随分前から分かってたんだけども、今回は…「Only One,Only You」もそうだけど、曲のテーマが深かったんで。できるだけ歌詞の意図を汲まずにアプローチして、それでGLAYとして良い作品になっていったと思うんですよね。その辺はやっぱりある程度、切り離して演奏に徹したかな?

その辺で言いますと、これは今日どうしても訊きたかった質問なんですけど、「Only One,Only You」で、あの間奏はそこだけを切り取ってもGLAYの曲であることが分かると私は申し上げましたが、言い換えれば、それは王道ということです。で、そういうことを行なうHISASHIさんがいる一方、今話した「クロムノワール」の間奏後半もそうですし、最近では『FREEDOM ONLY』の「青春は残酷だ」での“SUS4”が顕著だと思いますが、少し捻るというか、王道ではないHISASHIさんも作品中には確実にいますよね? そうした、王道とそうではないものをやるところで、HISASHIさん自身、自分のギター哲学といったものをどうとらえているのだろうと。

そんなに大袈裟なものじゃなくて(笑)、80KIDZじゃないですけど、ギターキッズですよ、僕は。「戦禍の子」(2019年10月発表のアルバム『NO DEMOCRACY』収録曲)なんかは完全にU2のディレイだしね。U2で言えば、今回の「GALAXY」の頭は“「Discothèque」の音を再現しよう!”みたいな感じで、プラグインを買ったりして、“亀田さん、違うんだよ! この音なんだよ!”って(笑)。だから、そこにある音に対してカッコ良いと思えるギターのアプローチだったりサウンドを再現しようと思う時もあるし、“ここはそんなにギターは必要じゃないんだな”という時は弾かないでいる場面も多いだろうし。「WE♡HAPPY SWING」なんかはパーティソングみたいな感じで。

あれはパンクですね。

そう。“そこにいるみんなと一緒にこの曲を歌いたいんだ”という想いだけの曲なので。TPOじゃないですけど、その曲に本当に必要なものを…という。“ブリティッシュならこういう生地だろう”とか“こういう装飾だろう”とかは、ものすごく考えてますね。

逆に言うと、あまりにも突飛にならないし、完全に保守的にもならないというところがあるんですね。枠が決まっているようで決まってないような。

そうですね。そこにはすごく狭い枠しかなくて。でも、その中で“保守的になるなよ。お前のやるべきことは分かってるんだろう?”という、細い隙間の中でそういうことを強いられる(笑)。それは自分でそう思っているだけで、TAKUROはそう思ってはないようだけど。でも、僕がやるのはそういうことで、それが役目というか、使命みたいなものは感じています。

HISASHIさんがそういう使命を遂行することが次のGLAYにつながっていくようなところってあると思うんですよ。HISASHIさんが注入したものがTAKUROさんやJIROさんに与えている影響は少なくないんじゃないですかね。

だから、80KIDZとの出会いも今回限りではないと思うし、また次は違ったアプローチもあると思うし。TAKUROがこれだけ自分の想いをメッセージに込めたら、“やっぱりGLAYの王道をそろそろ聴きたいよね?”って本人からもそういう言葉が出たくらいでもあって。そこで言うと、今回TAKUROは言いきったんじゃないかな?

そんなふうに考えるとここ10年間くらい、GLAYが進む方向性を微妙に修正してきたのは実はHISASHIさんじゃないかと。

…それはみんなそうだろうけど、確かに客観的には見ていますね、GLAYのことを。

奔放なことをやっているように見えて、実はHISASHIさんってそういう人ですよね?

そうだと思う。GLAYが一番カッコ良いバンドでありたいですから。GLAYというところに籍を置いている4人は…ね。社員だし(笑)。

役員である以上はと(笑)。

でも、みんな、ポストが別で。僕だったら2次元だったり、日本のカルチャーにおけるGLAYとか。JIROは音楽的なところであるし、TAKUROはメッセージ、TERUは歌っていう、みんなそれぞれの目線でGLAYが一番いいポジションにあるように願いを込めてやっていると思うので。そういう想いとかは何気ない会話の中にもあるのかもしれないですね。“次のGLAYはこういうほうがいいんじゃないか?”とか。

OKMusic編集部

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