撮影:加納亜紀子/取材:ジャガー

 “いくら結成25周年だからといって、これはやりすぎでしょ!?”っていうぐらい、ただひたすらに出てくるゲストの数々。しかし、そのセッションバンドの組み合わせが豪華なことときたら…。本日の主役である怒髪天はタキシードをキメ込み、自身初セットのミラーゲートから登場し、司会席で楽しげにライヴをご観覧。しかも、ロマンポルシェの司会までしっかり付けて、結局のところ本人たちの演奏は2曲だけ…と、つくづく贅沢な内容である。しかし、こうなるなんて増子直純(Vo)ですら想定していなかったようで、とにかく断られる覚悟でオファーをしたらほとんどのゲストが出演OKになってしまい、結果的にスペシャルなことになったのだとか。誰がどんな組み合わせで登場したかはセットリストを確認して、唖然としていただきたい。それぞれの活動がある中、この日のために曲を練習し、会場に駆け付けるには相当の労力が必要なわけだから、そんな無理をしてまで祝いたくなる怒髪天というバンドは、素晴らしい存在だ。

 この日のライヴを観て改めて思ったこと。それは、どのアーティストがいかなるアレンジを加えようと、楽曲に植え付けられた怒髪天の熱はひしひしと伝わってくるという事実。魂を揺さぶるソウルフルな歌であり、全神経を研ぎ澄ます熱量であったり、25年間バンド活動を続けてきた証が楽曲に刻み込まれている。それがアーティスト、リスナーなどという枠を飛び越え聴く者、観る者を虜にする、偉大なバンドの魅力なのだ。感極まってフィナーレで涙する増子を本日登場したゲストたちが高々と胴上げする姿を見て、音楽でつながり、次に人間の深い部分でつながっていく、これからもそんなバンドであり続けてほしいと切に願った。
怒髪天 プロフィール

ドハツテン:1984年頃に札幌で結成。88年に現在のメンバーとなり、91年にアルバム『怒髪天』でメジャーデビュー。“R&E”と称する“リズム&演歌”というまったくオリジナルな音を追求。ちなみに、ここで言う“演歌”とはスタイルとしてのそれではなく、あくまでもスピリットを指す。人生という名の巨大山脈に裸一貫で立ち向かい、気合と根性と情熱でガシガシ登る…そんな男精神を綴り、あらゆるジャンルを怒髪天のフィルターを通しギュッと圧縮した、汗臭くコクのある楽曲を生み出している。オフィシャルHP
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OKMusic編集部

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