L→R TAKURO(Gu)、JIRO(Ba)、TERU(Vo)、HISASHI(Gu)

L→R TAKURO(Gu)、JIRO(Ba)、TERU(Vo)、HISASHI(Gu)

【GLAY インタビュー】
メンバーの音がちゃんと
鳴っていなきゃダメだ

亀田さんにアレンジを任せていることを

楽しめている自分たちがいる

続いて、TERUさん作詞作曲の「刻は波のように」。ここまで私は「Buddy」「Pianista」「U・TA・KA・TA」をブランニューというとらえ方をしてきましたけど、「刻は波のように」はむしろGLAYの王道のような印象があります。

そんな感じはしますよね。これもリモートでやったんです。リモートで録って、のちにシンセドラムを永井利光さんのドラムに差し替えたんだけど、永井さんの情熱的なドラムと僕の淡々としたベースのテンションが合わなくて(笑)、永井さんが録ったあとで、また僕がベースを差し替えました。

ベースはめちゃめちゃ歌心がありますよね。特に《母の指先が痩せ細っていた「もう歳だよね」と笑って隠した》のところです。

宅録なのでいろいろと試すことができたんですね。レコーディングスタジオってやっぱり時間が少ない中で録らないといけないんで、そこは宅録の良さが出たんじゃないかと思います。あと、出だしのハイフレットのフレーズとか、今言われたソロ明けのハイフレットのフレーズとか、その辺だけはちょっと個性を出してやって、それくらいシンプルでいいんじゃないかと思ったんですね。曲自体が情熱的だったりするんで。

私は「刻は波のように」を聴いて、TERUさんの歌声のレンジがちょうどいいところに収まっている感じがしました。低すぎず、高すぎず、TERUさんが一番無理なく出せる感じというか。

そういうのを意識してるんじゃないですかね。その辺りはかなり意識して作っていると思います。

そういうふうに考えると、他のメンバーがいろんなところへ行くところで、TERUさんは持ち場を堅持しているような楽曲なのかなとも思いますね。

うんうん。だから、今言われたように、この曲は王道に聴こえたのかもしれないんですね。

新しいものがあれば王道も目立つし、王道があるからこそ新しいものも目立つんだと思いますね。「SEVEN DAYS FANTASY」はポップなロックナンバーで、カントリーっぽくもあり、フレンチポップス的な感じもあるかなと思って聴いておりましたが、JIROさんはどんな印象ですか?

これはコロナの前に作っていた曲だから記憶がちょっと曖昧なんですけど、リズムまでは本チャンのテイクを録ったから、当時録ったベースのままなんですよ。ミックスは最近やったんで、その時に亀田さんと“GLAYでシャッフルの曲って珍しいね”っていう話になって“あぁ、確かに珍しいな”と。

GLAYのシャッフルって最初期にありましたかね?

「Trouble On Monday」(1996年2月発表のアルバム『BEAT out!』収録曲)ですね。

同じシャッフルと言っても、「SEVEN DAYS FANTASY」と「Trouble On Monday」はタイプが違いますよね。

そうですね。「Trouble On Monday」のほうがストレートなシャッフルでした。

コロナの前に作っていたということは、3年以上前にこのかたちがあったということですよね。それはいい意味で意外ですね。というのも、「SEVEN DAYS FANTASY」は歌メロはTAKUROさんの王道というか、手癖のようなものが垣間見えるところがあります。その一方で、バンドアンサンブルには手癖がない。そういう面白さがあると思って聴いていたんです。

そうですね。これは亀田さんがアレンジの大枠を作っているんじゃないかな? それをもとにベースのフレーズを作っていったんで、全体的なバンドアレンジも変わったんじゃないかと。

そうしますと、これを作ったのは4年前か5年前か分かりませんけど、その頃からGLAYはそれまでとは違うバンドアンサンブルを求めてたということになりますよね。

そうですね。初期は佐久間正英さんと一緒にやっていて、それがセルフプロデュースになり、亀田さんと一緒にやることになって…亀田さんは本当にいろんなアーティストを手がけているので、“この曲は亀田さんにアレンジの大枠をお願いしよう”ということもあるし、“これは今までどおりバンドでやろう”や“この曲はHISASHIのプロデュースでいこう”とか、いろんなパターンがあるので面白いですね。飽きないです。

やっぱりそこは大事ですか?

昔はバンドで集まって“ああしよう”“こうしよう”とアレンジしいてたんですけど、それをずっと続けていたら結構大変だったと思いますね。

ずっとメンバーだけでやっていたら煮詰まっていたかもしれない?

それもあるでしょうし、今のように健全にできていないかもしれない(笑)。亀田さんにアレンジを全て任せていることを楽しめている自分たちがいて、そこに対して抵抗がないというか。

外部から新しい血を入れることを自分たちが楽しめるからこそ、その意見を能動的にバンドへ反映させることができているということですね。

“じゃあ、これは自分たちでやろう”とか、“これは自分たちの手でやっても焼き直しにしかならないから、他の人たちのスパイスを入れてみよう”とか、そういった判断が速いんじゃないかと思います。そこに対して抵抗がない。

その意味では、「THE GHOST (80KIDZ Remix)」もそうで、これを聴くと改めて音楽の面白さを感じますよね。

僕、「THE GHOST」が完成した時に“こういった曲調なんで絶対にリミックスを入れたいな”と思っていて、誰かに作ってほしいと考えた時に“そうだ! 80KIDZだ!”と。“絶対に「THE GHOST」の音源をもっとお洒落にしてくれるはずだ”と思っていたんですけど、その何倍も上に行った答えを出してくれましたね。曲そのものは変わっていないからファンの人たちも受けやすいと思います。

OKMusic編集部

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