2022年12月18日 at さいたまスーパーアリーナ

2022年12月18日 at さいたまスーパーアリーナ

【LUNA SEA ライヴレポート】
『黒服限定GIG 2022 LUNACY』
2022年12月18日
at さいたまスーパーアリーナ

2022年12月18日 at さいたまスーパーアリーナ
2022年12月18日 at さいたまスーパーアリーナ
2022年12月18日 at さいたまスーパーアリーナ
2022年12月18日 at さいたまスーパーアリーナ
2022年12月18日 at さいたまスーパーアリーナ
2022年12月18日 at さいたまスーパーアリーナ
2022年12月18日 at さいたまスーパーアリーナ
2022年12月18日 at さいたまスーパーアリーナ
2022年12月18日 at さいたまスーパーアリーナ
 2022年12月17日(土)&18日(日)、さいたまスーパーアリーナで12年振りとなるLUNACY名義の『黒服限定GIG 2022 LUNACY』が開催された。ドレスコードは黒、セットリストはLUNA SEAを代表するヒット曲は入らず、バンドの初期楽曲のみ。さらに音源化されていないインディーズ時代の曲も演奏されることが事前に告げられていた。このコアな内容を聞いただけで、どんな密度の高いライヴが繰り広げられるのか自然に期待が高まっていた。実際に2日間のライヴを通して非常に印象的だったのは、メンバーもMCで語っていたが、30年前の曲は過去だけでなく、今、そして彼らの未来を浮かび上がらせていたことだった。

 拍手で特別な夜を待ちかねる、黒い服をまとったオーディエンス。普段からLUNA SEAのライヴは黒を着る人が多いが、客席が真っ黒になる様子は圧巻だった。ステージの頭上にミラーボールが輝き、静寂が包む会場に《夢の中まで仮の心? 追い求めて 迷い込む》とアカペラで歌い上げるRYUICHI(Vo)の声が響き渡る。1曲目はアルバム『IMAGE』に収録されている「SEARCH FOR REASON」。地の底から這い出るさまを思わせる重低音が広がっていき、RYUICHIのシャウトも加わり、不気味なのに美しく、まさに黒服限定といったスタートを切った。

 最初から手加減なしの、ヒリヒリとした緊張感が駆け抜ける。「SEARCH FOR REASON」は途中まで演奏され、次にきた鋭い「FATE」でオーディエンスは一気にボルテージを上げる。続いて畳みかけるように、妖しげで狂気をはらんだ「SLAVE」になだれ込む。“お前ら、会いたかったぜー!”とLUNACY当時のRYUICHIを思い起こさせる低い声でオーディエンスに語りかけた。J(Ba)が突き上げるようなベースをかき鳴らし、「MECHANICAL DANCE」へ。彼らの演奏は30年という重厚感がありながら、過去の楽曲が醸し出すみずみずしい雰囲気も加わって、不思議な感覚に陥る。イントロからきらびやかな「IMITATION」ではサビのかけ合いの際、RYUICHIとINORAN(Gu)が交互に歌い、楽曲の艶やかさが増していったように感じた。

 第1部の後半はミドルテンポの「SANDY TIME」。間奏では真矢(Dr)とJの太く刻むリズムにのって、SUGIZO(Gu)が闇の中で踊るようなギターソロを披露。その鮮やかな対比に釘づけになる。まるで舞台を思わせる濃厚なパフォーマンスに圧倒されて、放心状態の客席だったが、休むことなく“「CHESS」!”と鋭く叫ぶRYUICHI。トップスピードで駆け抜け、さらにJの不穏なベースに誘導されて、松明が燃えるステージで1989年発表のデモテープ収録曲「NIGHTMARE」に。ダークな浮遊感に包まれ、息をつめてステージを見守る。RYUICHIがステージからはけ、SUGIZO、INORAN、真矢と続き、最後Jの独奏で終わるとともに照明が消える演出で、第1部の幕を閉じた。

 第2部に入り、冒頭RYUICHIは“NEXT SONG、「KILL ME」!」”と叫ぶ。1stデモテープに収録されながらも、デビューしてからは1度も演奏されなかったという「KILL ME」。ほとんどの人は生演奏を体感したことがなく、メタルなナンバーにLUNA SEAの若かりし頃に想いをはせる。特効がバンと響き渡り、「Déjàvu」へ。今でもライヴの定番曲がこの頃に生まれたことに、初期から彼らの楽曲は群を抜いていたことを再確認した。

 RYUICHIは“約30年の時をリワインドした、過去に戻ってみたんだけれど、過去には鮮やかな未来がありました”と語り、“今日、昨日もだけれど、ここさいたまスーパーアリーナは今、“現在”、そして“過去”、“未来”が、まさにひとつになっている場所なんじゃないかな?”と問いかける。彼の言葉に、この2日間の全てが詰まっていると感じる。演奏されるのは初期の楽曲なのに、過去を振り返るだけではない、今の彼ら、加えてその先も暗示している印象が強く残った。

 “アリーナ、もっとやれるか!”と会場を煽り、今ではライヴの定番となった「TIME IS DEAD」の原曲と言われる「SEXUAL PERVERSION」を投下。歌詞や音の感じから当時の空気感が伝わってきて、30年前の彼らのライヴを想像する。叩きつけるような「SUSPCIOUS」からINORANの切ないギターの音が「VAMPIRE’S TALK」へいざなう。彼らの音自体が非常に強い存在感を放っているため、数々のヒット曲や最近の曲と比べて曲自体はシンプルであっても、広大なさいたまスーパーアリーナをライヴハウスのように濃密な空間にして、改めて5人の底力を目の当たりにした。

 “アリーナ! お前たちの想いをステージに届けてくれ。いいか? とばしていくぞー!”と《この苦しみを呉れてやる》と迫る「SHADE」で会場を揺らす。さらに1曲目に来た「SEARCH FOR REASON」の後半部分が演奏された。RYUICHIの狂おしい絶叫が放たれて、ステージ上には炎が上がった。

 アンコールでオーディエンスはスマホライトを掲げて漆黒の会場を照らす。SUGIZOのヴァイオリンが会場に鳴り響き、ミラーボールが回って珠玉のバラード「MOON」。この曲はメモリアルなライヴでもたびたび演奏されてきて、その時々で素晴らしいテイクがいくつも存在するが、2022年の黒服限定バージョンは満たされない思いの中、必死で何かを求める渇望感にあふれていて、また新たな「MOON」を見せてもらった気がした。

 メンバー紹介で真矢は“できることならみんなをここに上がらせて、さっきのみんなが(スマホライトを)光らせていた、みんなでひとつになった景色を見せてあげたいぐらい、きれいだったぜ!”。と告げる。“こうして何年も経って本当に真剣にさ、いわば俺なんかコスプレみたいなもんだけど(笑)。こうやって真剣に遊んで、みんなで楽しめるって、最高じゃないか!”と呼びかけた。

 Jは“バンド始めた頃に、自分たちが、自分たちらしくやるためにプランした黒服限定のライヴを、2022年にまたやれたのは本当に最高ですね”と過去と現在が地続きであることを伝える。“提案があるんですけど。またやろうよ。別に“CY”じゃなくても良くない?”と話し、その問いかけにRYUICHIは“いろいろな黒服がね”と答える。そして、Jは“なんかだって、これって俺たちらしいじゃん? またその時はむちゃくちゃやりましょう! どうもありがとう!”と言葉を続ける。

 INORANはRYUICHIの耳元で話しかけ、RYUICHIが“なるほど、“CY”の時のINORANはしゃべらないんだ。INORANからみんなに“愛してる”って”とINORANの想いを代弁した。

 SUGIZOは“今日は漆黒の祭典なんだよ。闇の祭典。だったはずなんだけど、光の日になった感じがします。過去が未来にというRYUの名言があるけれど、闇は光だったんだね”、“またやろうとJが言ってくれました。提案があります。“CY”でツアーしよう”と新たな未来を提示した。そして、“君たちはSLAVEじゃなくて、全員セレブです”と締める。

 “不死鳥のごとくかえってきました”とSUGIZOから紹介されたRYUICHIは“この2日間は本当に幸せな、最狂の夜を過ごすことができました。みんな本当にどうもありがとう”と感謝し、他のメンバーと同じように“提案があります”と続ける。“もうくすぶってないで、来年は特別なことをやろうね、みんなでね。アリーナ、ともにトンネルを抜けていくぜ!”と決意を語った。

 ライヴはRYUICHIの“お前ら全員で、かかってこい!”という叫びとともに銀テープが会場に放たれて、定番ナンバー「WISH」に突入。客席の電気がついて、明るくなった会場。オーディエンスの姿がはっきりと分かる。全員が黒の服をまとっていたが、懸命にステージに手を伸ばす姿からは幸せな空気が漂っていて、SUGIZOが先ほど語っていた、まさに光に満ちた光景がそこに広がっていた。“もういっちょ、いこうか! 来年は、次は声出しライヴ。飛ばしていくぞ!”とRYUICHIが宣言し、ラスト曲「PRECIOUS…」に。オーディエンスの喜びが、あふれんばかりの拍手の中に込められていた。そして、最後に来年5月27日&28日には東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナで待望の“声出し解禁ライヴ”を開催することがアナウンスされたのだった。

 初期曲のみの黒服限定 GIGを行ったことによって、30年以上バンドを続けていても、彼らはその実績に安住するのではなく、常に破壊と進化を繰り返していることを改めて感じる。決して丸く収まらず、ギラギラしていて新たな音楽へ向かおうとしている5人の未来が、何よりも眩しく映った。

撮影: 田辺佳子、横山マサト、岡田裕介、清水義史/取材:キャベトンコ


セットリスト

  1. 〔第1部〕
  2. 01. SEARCH FOR REASON(前半)
  3. 02. FATE
  4. 03. SLAVE
  5. 04. MECHANICAL DANCE
  6. 05. IMITATION
  7. 06. SANDY TIME
  8. 07. CHESS
  9. 08. NIGHTMARE
  10. 〔第2部〕
  11. 01. KILL ME
  12. 02. Déjàvu
  13. 03. SEXUAL PERVERSION
  14. 04. SUSPCIOUS
  15. 05. VAMPIRE’S TALK
  16. 06. SHADE
  17. 07. SEARCH FOR REASON(後半)
  18. <ENCORE>
  19. 01. MOON
  20. 02. WISH
  21. 03. PRECIOUS…
LUNA SEA プロフィール

ルナシー:1989年、町田プレイハウスを拠点にライヴ活動を開始(当時の表記は“LUNACY”)。90年にバンドの表記を“LUNA SEA”に変更し、翌91年に1stアルバム『LUNA SEA』をリリース。そして、92年にアルバム『IMAGE』でメジャーデビューを果たす。00年12月26日&27日の東京ドーム公演を最後に終幕を迎えるが、07年12月24日の満月のクリスマスイヴに東京ドームにて一夜限りの復活公演を経て、10年に“REBOOT(再起動)”を宣言。13年12月には13年5カ月振りとなる8枚目のオリジナルアルバム『A WILL』を発表する。その後、バンド結成25周年を迎え、自身初の主宰フェスとなる『LUNATIC FEST.』も開催し、17年12月にはオリジナルアルバム『LUV』を、19年12月にはグラミー賞5度受賞のスティーヴ・リリーホワイトとの共同プロデュースによる10枚目のオリジナルアルバム『CROSS』をリリース。LUNA SEA オフィシャルHP

OKMusic編集部

全ての音楽情報がここに、ファンから評論家まで、誰もが「アーティスト」、「音楽」がもつ可能性を最大限に発信できる音楽情報メディアです。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • SUPER★DRAGON / 「楽楽★PAINT」
  • 〝美根〟 / 「映画の指輪のつくり方」
  • SUIREN / 『Sui彩の景色』
  • ももすももす / 『きゅうりか、猫か。』
  • Star T Rat RIKI / 「なんでもムキムキ化計画」
  • SUPER★DRAGON / 「Cooking★RAKU」

新着