堀江由衣

堀江由衣

【堀江由衣 インタビュー】
うざいと言えるのは、
それはそれで
気の置けない人ということ

7月の「Adieu」に続く配信シングル「虹が架かるまでの話」。TVアニメ『先輩がうざい後輩の話』のエンディングテーマであり、アニメで描かれている心の機微と世界観を楽曲で見事に表現している。9月に開催されたファンクラブイベントで披露した時の反響や、制作時のエピソードなどを語ってもらった。

アニメのテーマソングなので、
アニメとリンクしたものにしたい

9月12日に開催されたファンクラブイベント『黒ネコ集会 Vol.20 消えた黒ネコ 2 ~借りてきたネコ~』で、前作の「Adieu」と今作の「虹が架かるまでの話」を披露されましたが反響はいかがです?

イベントはちょっとしたお芝居とそれに沿った曲を歌うという構成で、「Adieu」は私が敵にやられたところで曲が始まったんです。最後のほうは剣を持ちながら歌いました。段取りが結構多かった上に、みなさんの前では初披露でしたし、曲自体も難しいのですごくドキドキしながら披露させていただきました。

それは盛り上がったでしょうね。

ありがたいことに。もともとTwitterにリプライをいただいたり、ラジオにお便りをいただくなど、発表した時から反響が大きかった曲でしたが、イベント後も「Adieu」が印象に残ったとコメントしてくださる方がすごく多かったです。

「インモラリスト」(2011年2月発表のシングル)のMVなど、清 竜人さんに楽曲提供してもらった曲は戦いがちですね。

一回負けてから立ち上がるみたいなイメージですね(笑)。清さんの曲は可愛らしい曲もいっぱいあるんですけど、「Adieu」はTVアニメ『SHAMAN KING』のエンディングテーマだったので、その世界観も意識した演出になったと思います。

今回リリースされる「虹が架かるまでの話」はどんなシチュエーションで歌われたのですか?

本編が終わったあとの、おまけパート的なところで歌いました。そこまではフリートークの場がほぼなかったので、少しお話をさせていただいてから“リリースに先駆けていち早く歌います! 貴重ですよ!”と言って(笑)。

反響もすごく大きかったようですね。

そうですね。初めてみなさんにフルサイズを聴いていただいたんですけど、生で聴くインパクトもあったようで、イベント後に“新曲が聴けて嬉しかったです”“すごくいい曲でした”“配信されるのが楽しみです”などとコメントをしてくださって、喜んでいただけて嬉しかったです。

「虹が架かるまでの話」は堀江さんご自身も出演されているTVアニメ『先輩がうざい後輩の話』のエンディングテーマなんですね。

はい。私は主人公の五十嵐双葉が働く会社の先輩の桜井桃子の弟で、桜井優人という役です。

堀江さんが男の子の役を演じるのは珍しいですよね。

そうですね。女の子顔の主人公の男の子とか、女装して潜入する男の子、男の娘といった、女の子寄りの男の子を演じることはありましたけど、それでも多くはないです。優人くんは見た目も学生服で、年齢も高校生になったばかりで頭身が高いから、最初は構えてアフレコ現場に行ったんですけど、実際に声を当てたら“気弱でやさしい子なので、そんなに声を低く作らなくて大丈夫です。もう少し可愛くお願いします”とディレクションしていただいて。“これ以上やると女の子っぽくなっちゃいますけど大丈夫ですか?”と訊いたら、“優人くんはこの作品の中ではマドンナなんです”と。社会人で自立している女性たちが多い中で、優人くんは守ってあげたいとか、構ってあげたい存在になってほしいということでした。10代の男の子の声質を表現するのは難しい部分もあるので、気持ち的に少しやりやすくなってホッとしましたね。

原作漫画を読むと、優人くんは年上の女性に想いを寄せているみたいですね。

憧れに近い、淡い感情が描かれていますね。音響監督さんがそういったシーンに思い入れがあるみたいで、“10代の男子は年上の女性を絶対好きになるんです!”とアツく語られていて…(笑)。でも、優人くんが悩みを相談して、ちょっと背中を押してもらったり、心の交流をしたりするいいシーンがあって、そういうところが素敵だなと思いました。

「虹が架かるまでの話」は優人くんに限らずさまざまなキャラクターたちが心の交流…心と心に虹の橋を架けていく様子を歌っていますものね。

アニメのテーマ曲を歌わせていただく時は、できるだけアニメとリンクしたものにしたいといつも思っているんです。今回は作品中で描かれているような、はっきりしたいけれどできない、もどかしい距離感を意識して曲にしていただきました。さりげないけど思わずハッとさせられるというか、日常の出来事を描いていますが、些細なことが自分の日常にとっては大事件だったりする…心の機微が丁寧に描かれていて、そこがこの作品のいいところだったので、そういう部分を楽曲に少しでも反映できたらいいなと思いました。

そういう歌詞の方向性や曲調などは、最初に堀江さんから提案されたのですか?

私からもお話させていただますが、ディレクターさんの想い、何よりアニメの監督さんの“こういうエンディングにしたい”という想いをもとに曲を集め、たくさんの候補曲を聴いて選びました。最終的にそれぞれの想いが反映されているなと思った2、3曲に絞ったのですが、結果、意見が一致してこの曲になりました。

原作漫画を読む前に楽曲を聴いたら、どこか学生っぽいイメージが沸きました。でも、漫画を読むと社会人なんですよね。

私の役が学生で、歌詞に出てくる“テスト”や“帰り道”という単語から引っ張られるところもありますけど、大人になってからもどこかで学生時代の気持ちを持っている部分があると思うので、世代を越えて共感してもらいやすいと思います。それが“エモさ”を感じられる部分だと思ったので、おっしゃる通り学生っぽいところもあえて残しています。

確かに“帰り道”は通学路に限らないですからね。会社の帰り道もあるし。

そうそう。昇進試験とか資格試験とか、大人にもテストはありますし。

学生も大人も両方楽しめるということですね。

それに、主人公の五十嵐さんと親友の黒部夏美さんは学生時代からの親友で、学生時代から変わらない部分があって、漫画ではその当時を振り返ったシーンもたまに出てくるんです。そんなところも余計にエモさを掻き立ててくれるんじゃないかと思います。
堀江由衣
配信シングル「虹が架かるまでの話」

OKMusic編集部

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