L→R アサミサエ(Vo&Key&Sampler)、玉屋2060%(Vo&Gu)、∴560∵(Ba&Cho)、KOZO(Dr)

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【Wienners インタビュー】
“分かる奴だけに分かればいい”
では意味がない

ライヴでやった時に
モッシュ&ダイブが起こることが重要

その“ポップでキャッチー”が“分かりやすい”や“簡単”とは違うというのはよく分かります。『BURST POP ISLAND』の1曲目「ANIMALS」がまさしくそれで。メロディーは“ポップでキャッチー”なんですけど、展開が複雑なので、聴いていて“これはどこに連れて行かれんだ?”という感じがあって、いわゆるポピュラーミュージックとはちょっと違う感じがすごくします。

あぁ…ポップではあるんですけど、ポピュラーミュージックではないというか。そこも大きな肝だし、新しい価値観ですよね。「ANIMALS」は展開が10個あって、しかもバンバン進んでいくんですけど、“それでもリスナーを置いていかないようにするにはどういう仕組みにすればいいんだ?”とか、“こういう音楽を聴いたことがない人に初見で理解してもらえるにはどうしたらいいんだ?”とか、このジェットコースターのようなサウンドをできるだけ世間の人たちにも分かるようにすごく考えましたね。外側がすごくポップなんだけど、骨組みは綿密に作られていて、だからこそバランスが保たれていると思う一曲ですね。

「ANIMALS」を“どこに連れて行かれるのか分からない”とは言いましたが、迷っているような感じはないし、サビに辿り着くと開放感があって、聴いていて楽しいんですよ。

「それは良かった。サビが安定で、それ以外が不安定という感じなんですけど、音楽ってそういうふうに成り立っているというか。コード進行もそうなんですけど、安定コードの前に不安定なコードを使って、“これは大丈夫か!?”と思わせておいてサビでバーン!ってメジャーコードを鳴らすと聴いている人は安心するんで、「ANIMALS」は本当にそういう作りですね(笑)。

ポップミュージックの妙味といったところですね。

まさに。ポップミュージックってそういうふうに成り立っている。今までの自分たちの曲では安心させる部分が少なかったと思うんですけど、安心と安定をちゃんとサビに置いて…今言われて自分でも気付いたくらいなんですけど(笑)、そこで聴いてくれる人は安心してくれるんだと思いました。

その意味では「ANIMALS」はWienners流のポップさが端的に表れた楽曲ではあると思いますが、改めて言うと、その「ANIMALS」を新作の1曲目に置いたことにも、このバンドの心意気があると思います。

ほんとそうですね。「ANIMALS」は今のWiennersを象徴するような曲だったので、これは1曲目で間違いないという感じでしたね。

『BURST POP ISLAND』は、そんな1曲目「ANIMALS」から「MY LAND」「UNITY」とグイグイとたたみかけていくわけですが。

とにかく前半で聴いている人をグッと掴みたいと。今回は曲順もみんなですごく話し合ったんですけど、最初はこの曲順とは違ったんですよ。散りばめられていた前半にある曲たちを、前半に固めて、たたみかけるようにして。例えば、視聴機に入っているものやiTunesで聴いた時、頭から3曲くらいをパパッと聴いて判断されるところってあると思うんです。“じゃあ、前半でたたみかけよう!”みたいな感じで。勝負の曲順でもありますね。

練りに練った曲順なんですね。確かに、ラストがWiennersの王道と言ってもいい「FAR EAST DISCO」ですから、テンポが落ち着くことなくノンストップで進んでいって、Wiennersらしいディスコティックへ辿り着くという流れですよね。

そうなんです。「FAR EAST DISCO」はできた時に“この曲は最後だね”ってみんなと言ってましたね。情報量が多くて、テンションも高くて、バーッといく側面と…これはライヴもそうなんですけど、バーッと進んでもっと開いていって、楽しいの先にある多幸感みたいなところに辿り着きたいという気持ちがすごくあるんです。この『BURST POP ISLAND』の曲順もそうで、最初はバーッといって、「プロローグ」から「ゆりかご」、最後に「FAR EAST DISCO」で開いて終わる…絶対にそこに辿り着きたいと。前半のワーッというのももちろんWiennersだし、そこも伝えたいことではあるんですが、“ちゃんとWiennersを聴いてくれたら、その先にもうちょっと面白い景色があるよ”みたいな感じがラスト3曲だったりするんですよ。

ちゃんと作品の流れがあって、ひとつのアルバムとしてよくできていると思います。あと、ここまで話したWiennersらしさ以外にも、中盤で「Kindergarten Speed Orchestra」や「YA! YA! YA!」といった新しいWiennersサウンドもしっかりと示していますよね。この辺も実に楽しく聴かせてもらいました。

ありがとうございます。今までやってなかったことをやりたいという気持ちもすごくあったし、「YA! YA! YA!」に関しては最近のヒップホップやEDMの感じ…僕が最近聴いている音楽がそんな感じなので、それをバンドサウンドに落とし込めないかなと。そんなふうにメンバーがリアルタイムで聴いているものが自分たちの音楽に反映されていくのはすごく面白いし、ぶっちゃけて言うと、僕らはパンク好きだし、ロック好きですけど、最近あんまりバンドものって聴いてなかったりするんです(苦笑)。でも、そういうものがバンドに落とし込まれていったら面白いと思ってて。そういうところは今後もどんどん増えてくるんじゃないかと思いますね。

「YA! YA! YA!」のマイナー調のメロディーって新鮮でした。

マイナー調ってあんまりなかったですからね。

Wiennersの歌メロはメジャー感が強いですからね。

サビがマイナーコードって今までなかったんですけど、マイナーでああいうチャラくて悪いようなノリをやってみたかったんです。その頃、自分が聴いている音楽がチャラかったんで(笑)。

では、「Kindergarten Speed Orchestra」は? クラシカルなメロディーが導入されていますが、少なくともここまで分かりやすく取り入れた楽曲はこれまでなかったですよね?

はい。あのアイディアはずっとあって…それこそ『TEN』の頃からあって、いつかクラシックとパンクの融合みたいなものをやりたいと思ってたんですよ。僕、クラシックも好きで、一番好きなのは「展覧会の絵」なんです。なので、クラシックは自分の中にあって、“それをどうパンクに落とし込むか?”という研究はずっとしてたので、「Kindergarten Speed Orchestra」は長期的に作っていた曲というか。どうやったらクラシックっぽい感じで、しかも真似事で終わらないで、ちゃんとWiennersっぽくなるかということは結構長い時間かけてやりましたね。

「Kindergarten Speed Orchestra」は玉屋一族の系譜にある楽曲でしたか(笑)。

あははは。何かいろんなものをハイブリッドに融合していくというのはずっとWiennersでやってきたことだし、これからもやりたいことでもあるので、そのひとつとして自分の中ではすごくうまくいった曲ですね。

クラシックなメロディーを取り入れてますけど、取って付けた感じはないですよね。

それは良かったです。ちゃんとキャッチーでパンク…あと、ライヴでやった時にフロアーにモッシュ&ダイブが起こることが結構重要だと思ってるんですよ(笑)。

クラシックとモッシュ&ダイブはなかなか結び付かないですが(笑)。

そうですよね(笑)。そういうことをやろうとすると壮大になっちゃったりするんで、そうじゃないやり方で…という。

OKMusic編集部

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