【THE MODS インタビュー】
“それでも俺たちはここにいる”
っていうことが全て
82年の伝説となった“雨の野音”の再現のようなアクトを繰り広げたTHE COLTSとのカップリングツアー最終公演のライヴDVD『GOOD-BYE SCARFACES』と、アコースティック作品『ROCKIN' CABARET BLUES』を同時リリースするTHE MODS。それぞれの作品について、森山達也(Vo&Gu)に語ってもらった。
あのシーンとしては
「TWO PUNKS」が正解なのかなって
2018年10月20日に日比谷野外大音楽堂で開催された、THE COLTSとのカップリングツアーの最終公演を収めたDVD『GOOD-BYE SCARFACES』がリリースされますが、当日は“雨の野音、再び!”という感じでしたね。
俺的には雨は好きじゃないんですけど(笑)、みんな“思い出に残る”って言ってましたね。THE COLTSの連中もオープニングアクトだったLuv-Endersも“雨の野音”を経験できて良かったって。全員とは言わないけど、それはお客さんもね。
演っている側はどうだったのですか? 82年の伝説となった“雨の野音”の時は、感電したり、苣木さんのギターが全部鳴らなくなって最後は森山さんのギターを弾くというエピソードがありましたが。
あの頃よりは良かったですね。昔よりも屋根が少し出てるから、ちょっと奥に入れば濡れない…もちろん降り込んではくるけど。昔はね、どこにいようがびじょびじょだったから。機材も発達してるから感電とかもなかったし、そういう部分では大丈夫でした。
では、ステージから観る客席の光景はいかがでした?
嬉しそうな連中もいたけど(笑)、みんな大変だったと思う。82年の時は6月だったけど、10月だったからね。でも、みんな一生懸命に観てくれていたから、こっちも最後まで気を抜かずに、ちゃんと成功させたいと思いましたね。
確かに10月で寒かったのですが、北里さんは上半身裸になって演奏されていたので、さすがだなと。
そんな当日のエピソードとなると、アンコールで“昔を思い出したんで、曲を変えます”と「TWO PUNKS」がプレイされたことで。
変えたね。「LOOSE GAME」の予定だったんだけど、ファンを観ていたら“「TWO PUNKS」かな、ここは”って。82年を経験した奴もいただろうし、まったく知らないファンもいるだろうけど、俺たちにとっても思い入れのある曲だから、あのシーンとしては「TWO PUNKS」が正解なのかなって。自分で歌ってても思い出しましたよ。フラッシュバックしたっていうか。“まだこの曲を演ってるんだ”って感覚にもなったし。
あのイントロが流れただけで鳥肌でした。ヴォーカルは森山さんというより、もはや観客でしたし。
そうだよね。82年の野音の時、「TWO PUNKS」の途中でマイクの音がどんどん消えていって、それでファンが歌い出した…あの時が初めてだったわけ。「TWO PUNKS」でファンが歌うっていうのは、82年の野音があったからだし、あの時もそういう曲になると思ったしね。その後、「TWO PUNKS」はどんな会場でも客が自然に歌うようになって今日まである…そういう曲ですね。
実際、このDVDを観られた感想は?
実際よりもきれいに映るよね(笑)。足場は悪いわ、雨は酷いわで、演ってるほうは大変なんだけど、観る分にはきれいに観えるっていう。でも、いいよね。82年の時はマイクに雨の音が入ったりして正式な発売ができなかったんですよ。機材も全部ダメになったし。何年か後にラインの音で発売したんだけどね。だから、技術の進歩とかもあって、ちゃんと発売されるのはすごいことだなって。まぁ、楽しめるものになっていると思いますね。このSCARFACESのツアーというのは、俺たちも楽しむことが前提だったし。こういう企画ってそうそうできるもんじゃない…みんなそれぞれの持ち場に帰るわけだから。