2018年10月20日 at 日比谷野外大音楽堂(THE MODS×THE COLTS)

2018年10月20日 at 日比谷野外大音楽堂(THE MODS×THE COLTS)

【THE MODS×THE COLTS
ライヴレポート】
『TOUR 2018 "GOOD-BYE
SCARFACES"』
2018年10月20日
at 日比谷野外大音楽堂

2018年10月20日 at 日比谷野外大音楽堂(THE MODS×THE COLTS)
2018年10月20日 at 日比谷野外大音楽堂(THE MODS×THE COLTS)
2018年10月20日 at 日比谷野外大音楽堂(THE MODS)
2018年10月20日 at 日比谷野外大音楽堂(THE MODS)
2018年10月20日 at 日比谷野外大音楽堂(THE MODS)
2018年10月20日 at 日比谷野外大音楽堂(THE MODS)
2018年10月20日 at 日比谷野外大音楽堂(THE MODS×THE COLTS)
 THE MODS が1991年に設立したレーベル“SCARFACE”。1994年末に解散したものの、THE MODS はもちろん、THE COLTSなどの後輩バンドの作品がいくつもリリースされ、2017年には“LITTLE SCARFACE FESTA”と銘打ったTHE COLTSとのスプリットツアーが実施されたことも記憶に新しく、MODSフリーク&ファミリーには印象深い存在として残っている。2018年秋、そんな“SCARFACE”に落とし前を付けるべく、“GOOD-BYE SCARFACES”と題したTHE COLTSとのスプリットツアーが再び開催された。その最終日、10月20日の日比谷野外大音楽堂公演は開演直前に雨が降り始めるという、1982年の伝説の“雨の野音”を彷彿させる一夜となったーー。

 17時を少し過ぎた頃、空には月が出ているが小雨が降り始め、程なくして大粒に変わる。そんな中、東京生まれL.A.育ちのAKIRA(Vo&Gu)率いるLuv-Endersがオープニングアクトで登場。9月に発表したばかりのアルバム『Luv-Enders' Explosion!』の収録曲を中心とした、キュートでフレッシュなR&Rナンバーに生まれ変わったロッククラシックスのカバー曲で、降りしきる雨の中をぶっ飛ばしていく。ラストはAKIRAが作詞をTHE MODSの森山達也(Vo&Gu)が作曲を手掛けた初のオリジナル楽曲「Homecoming」。夕暮れと雨によって気温が下がり始めた会場を十分に温め、次のTHE COLTSへとバトンを渡した。

 さらに雨足が強くなった野音。しかし、オープニングの「LIFE IS A CIRCUS」からパーティー感全開で、11月にリリースを控えるニューアルバム『MORE BASTARD!』から新曲「Dog day Afternoon」も披露し、のっけから軽快なスカビートが観客の高揚感を蹴り上げる。しかも、土砂降りの雨がバンドの、観客のテンションを焚き付けているかのようで、“雨の野音のビデオは100万回くらい観ましたけど、やるのは初めて。できれば、やりたくなかったね”と話す岩川浩二(Vo&Gu)の言葉もどこか嬉しそうだ。そして、Luv-EndersのAKIRAをゲストに迎えての「Pressure Drop」で観客を躍らせると一気にスパート! 雨を忘れさせるような定番曲のラッシュでピースフル&ハッピーに客席を盛り上げ、岩川がギターを置いてハンドマイクを手にし、スケール感たっぷりに歌い上げた「IT'S ONLY ENTERTAINMENT」で大団円。最後に再び「LIFE IS A CIRCUS」へとつなげ、雨の中のエンターテインメントショーを締め括った。

 トリを務めるのはTHE MODS。“ワン、ツー、スリー、フォー!”という森山のカウントから「HEY!! TRAVIS」のイントロダクションが放たれ、インターバルを置いていた観客のテンションに火が付けられる。拳を高く突き上げ、サビでは大合唱…1曲目にして、そこはもうTHE MODSの独せん場だ。続けて「CRAZY BEAT」が投下されるとオイコールが起こり、ますますヒートアップ! そして、森山の“久しぶりの雨です(笑)。1982年を思い出すような…博多弁で言いますけど、しろしいと思いますけど、最後まで楽しんでください”と挨拶代わりのMCをはさんで、ご機嫌なブギー「I SMELL TROUBLE」で客席を揺らし、苣木寛之(Gu&Vo)が“古い曲をやります”と歌った「TROUBLE JUNGLE」で魅了すると、人気曲のひとつ「TEENAGE BLUE」、シンガロングナンバー「THE MAN OF THE MATCH」が会場の熱量をグッと高める。さらに、雨はいっこうに止む気配はなく、むしろ激しさを増していったが、森山の“また近いうちに…このまま元気だったら、例の年に野音やるんで”という40周年に向けた宣言が客席(関係者席含む)を歓喜に震わせた。

 終盤戦は上半身裸になった北里晃一(Ba&Vo)が歌うパンクチューン「ROCKAHOLIC ROCK」から。北里の真っ直ぐなヴォーカルを押し出す、佐々木 周(Dr&Vo)のタイトなビート。その逞しさに彼も来年1月で正式加入して10年というキャリアを積んだことをまざまざと実感した。そんな佐々木の痛快なビートが躍動感を生む「LONDON NITE」、苣木のギターがドライブする「他に何が」で本編が終了すると、アンコールでは“昔を思い出したんで、曲を変えます”と屈指の代表曲「TWO PUNKS」が披露される。言うまでもなく、そのイントロが鳴らされただけで会場は興奮のるつぼに。あと、ヴォーカルは森山と言うよりも、もはやこの場にいた全員だったことも追記したい。そして、“SCARFACEが一番最初に契約したバンドで、最後まで残っているバンド”と紹介してTHE COLTSのメンバーを呼び込み、本ツアーの会場&通販限定で発売されたコラボマキシシングル「汚れた顔の天使達」の表題曲をはじめ、お互いのナンバーをセッション。森山と岩川のツインヴォーカル、“裸のキーボーディスト”こと北里のピアノなど、最後に観どころ&聴きどころ満載のR&Rパーティーが盛大に繰り広げられ、“雨の野音”にまた新たな伝説の一夜が刻まれたのだった。

 “GOOD-BYE SCARFACES”と掲げた本ツアー。正直言って、不本意なかたちで終わりを迎えたSCARFACEに対するけじめだと思っていた。しかし、そんな過去の清算などではなく、「汚れた顔の天使達」の歌い出しのように《あの日があるから 俺たちは今がある》ということなのだと確信。常に未来を見ているのだ。“例の年に野音やる”という約束もあったし、“みんなが望んでくれるんであれば、俺たちも…もちろんコルツもまだまだやっていこうと思ってます。SCARFACEはこれで終わるけど、この夜を忘れないでください”というMCもあったし、これは40周年に向けての開戦前夜だと思うことにした。

撮影:齋藤ユーリ/取材:石田博嗣


セットリスト

  1. 【Luv-Enders】
  2. 1. Misery
  3. 2. On your radio
  4. 3. I wanna go home
  5. 4. Homecoming
  6. 【THE COLTS】
  7. 1. LIFE IS A CIRCUS
  8. 2. パーティーやろうぜ
  9. 3. Dog day Afternoon
  10. 4. ROCKA ROMANTICO
  11. 5. Pressure Drop
  12. 6. DOWN BY LAW
  13. 7. NIGERO
  14. 8. 銀行強盗
  15. 9. IT'S ONLY ENTERTAINMENT
  16. 〜 LIFE IS A CIRCUS(Short Ver.)
  17. 【THE MODS】
  18. 1. HEY!! TRAVIS
  19. 2. CRAZY BEAT
  20. 3. I SMELL TROUBLE
  21. 4. TROUBLE JUNGLE
  22. 5. TEENAGE BLUE
  23. 6. THE MAN OF THE MATCH
  24. 7. T-O-K-Y-Oアイランド
  25. 8. ROCKAHOLIC ROCK
  26. 9. LONDON NITE
  27. 10. 他に何が
  28. <ENCORE>
  29. 1. TWO PUNKS
  30. 2. 汚れた顔の天使達
  31. 3. HONEY BEE〜HEY! DILLINGER
  32. 4. GO-STOP BOOGIE
THE MODS プロフィール

ザ・モッズ:1981年にアルバム『FIGHT R FLIGHT』でメジャーデビュー。以来、時代に流されることなく、音楽に対する真摯な姿勢を貫き、ファンのみならず多くのアーティストたちにも多大な影響を与え続けてきた。技術や理屈だけでは作り出せないバンド然とした強靭なサウンドと、リーダーである森山の類稀なる歌唱力とカリスマ性が最大の魅力である。THE MODS オフィシャルHP

OKMusic編集部

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