【嵐】2005年“ブレイク前夜”時代を
覚えてる? ある手紙から読み解く「1
0年前の嵐」の姿

今年2015年の11月3日でめでたくCDデビュー16周年を迎えた。しかし、今ほどの人気が昔からあったわけではありません。今回は“とあるきっかけ”から紐解かれた「10年前の嵐の姿」を、当時のジャニーズシーンの動きも交えて振り返ります。

昨年デビュー15周年という区切りの年をハワイの記念ライブで華々しく飾り、今年2015年の11月3日でめでたくCDデビュー16周年を迎えた嵐。この16年で日本のトップアイドルの座にまで駆け上がったと言っても過言ではないほどの人気を得た彼ら。しかし、今ほどの人気が昔からあったわけではありません。
【嵐アンケート】2015年発売シングルで、いちばん好きな曲は?
2005年、相葉くんの初単独主演作となった舞台『燕のいる駅』。今でも他人事ではない、環境汚染や戦争問題が背景の2085年を設定とした舞台で、会場では、愛知県の博物館明治村と提携し、10年後の自分に手紙を贈る“タイムレター”企画を実施。それがついに先日手元に届いたという人もいるでしょう、10年の時を超えて!
舞台の内容のように、どうなってしまうかわからない未来について考えるきっかけを与えてくれる企画だと思うのですが、観劇前に書いて持って行った自分の手紙の内容は、とってもお気楽。
「書くことが特にないから近況報告するよ」と、当時の嵐以外のすっかり忘れていたジャニーズ事情まで書いてくれていたので紹介します。あなたも懐かしいと思うはず!
2005年、『ごくせん』でKAT-TUN人気が爆発!筆者自身ではあまり感じていなかったのですが、現在から考えると2002年~2006年あたりは嵐低迷期だよね、と周りから言われることも。この頃のコンサートは横浜アリーナやさいたまアリーナで、初単独ドーム公演にはまだあと2年もあるんです。ウィキペディアなどをみても、ここらへんの時代はまとめられて書かれていますしね……。
さて、嵐がそんな感じだった頃、世の中に吹き荒れていたのはKAT-TUN旋風! 2005年1月に放送されたドラマ『ごくせん』第2シリーズのヒットで、主演の仁亀人気が爆発! 『ごくせん』からのファンが“ごく出”と言われるほど、ファンが急増! “ごく出”とか懐かしい! 手紙を見るまで思い出しませんでした、この言葉。さらに同じ年の4月から放送されたドラマ『anego』で仁がお姉さま方のハートを鷲掴みにし、人気はうなぎのぼり!
先日、『日テレ系音楽の祭典 ベストアーティスト2015』の生放送中に、田口くんが来年春をもってKAT-TUNを脱退することを表明しました。まさか、結成当初から3人も抜けることになるとは、この頃想像すらしていません。4人になったKAT-TUNは、良い楽曲も多くバランスが取れているように見えていたので、筆者もショックを受けました。KAT-TUNは来年デビュー10周年。支え続けてくれたファンと、笑顔で素晴らしいアニバーサリーイヤーを過ごせることを心から願います。
そしてこの年は、関ジャニ∞が2枚目のシングル『大阪レイニーブルース』を発売、珍しく握手会が緊急開催されたのです。筆者も握手会に向かい、めでたく目当てのすばるとヒナ(ヨコは別レーンでした)と握手できました。
そんな当時の自分に、「今の村上くん(ヒナ)は、ひとりでMCを務める番組がいっぱいあるし、CMにもたくさん出てる! すばるはこの前の主演映画『味園ユニバース』が素晴らしかったよ」と、現在の彼らの活躍を伝えてあげたい!
10年前に芽生えた、嵐人気を押し上げる“片鱗”
手紙に綴られた、嵐の人気を押し上げる“片鱗”さて、嵐に話を戻すと、手紙を書いた9月のタイミングでは、「今度、松潤が『花より男子』に出る」と書いています。そう、この後の10月から放送するドラマ『花より男子』が、嵐の人気をグッと押し上げることになるのです!
そうとも知らずに、「最近の嵐は『まごまご嵐』とか『Dの嵐』とか相変わらずだよ」と変わらないバラエティレギュラー番組のライナップにのん気に構える手紙の中の筆者。
この“花男”が好評で2年後にはドラマの続編が放送され、主題歌シングル『Love so sweet』の初回盤を初めて買い逃す(人気が出て買えなかった)、という挫折を味わうことも知らずに……! それこそ“ごく出”ならぬ、“花男出”が急増。嵐の人気が一気に高まったのは、“花男”のおかげと言っても過言ではないでしょう。
2005年、松潤はV6の岡田くんが主演の大ヒット映画『東京タワー Tokyo Tower』にも出演。振り返ると、『きみはペット』や『ごくせん』、『花より男子』など、嵐人気の火付け役となるのは松潤が多く、ドラマの効果ってすごいな、と感じます。
また、この年は相葉くんの『燕のいる駅』の他、『理由なき反抗』(ニノ)、『バクマツバンプー~幕末蛮風~』(大ちゃん)など、嵐メンバー主演の舞台が目白押しの1年でもありました。
そして、2005年は『サクラ咲ケ』発売の記念イベントを珍しく開催し、サプライズで嵐全員との握手会を実施! その後11月には“花男”の最初の主題歌『WISH』の握手会も実施されるという、2枚連続で握手会が行われた稀な時期でもあります。さらに年明けには、翔くん、大ちゃんそれぞれがソロコンサートを開催! ソロコンや握手会を実施できるほど、まだまだくすぶっていた、ということが伝わるのではないでしょうか?
10年前のアルバムやコンサートは?10年前、2005年に発売された嵐のアルバムは『One』。5人が歌うスローテンポなラップの楽曲「Overture」から始まるちょい攻めな本作は、デビュー5周年を終え、アルバム5枚目にして初めてそれぞれのソロ曲が収録されました。収録シングルはなんと『サクラ咲ケ』のみ。
初回限定盤は、各メンバーのソロ曲のレコーディングの様子やインタビューを収録したメイキングDVD付き。……このDVDの存在もちょっと忘れていましたが、久しぶりに見てみると、それぞれのレコーディング風景にメンバーのコメントが入っている豪華仕様。
相葉くんのテンションの高いレコーディング風景に思わず笑ってしまう翔くんは、まだコメントがとっ散らかり気味。ニノのレコーディング風景にコメントを入れていた相葉くんは、「なんだかニノに会いたくなってきた、今何してんだろ?このあとメシいけないかな?」と相変わらず自由な発言。
大ちゃんは、「心は18才なので踊りたい。歌は納得いかないですよ、一生。嵐はリーダーだけど、一生まとめられることはないでしょうね。嵐はもっと一人一人を視聴者にわかってもらえるように頑張らなきゃいけないな、とは思います」など、この特典DVDで意外にも一番真剣に語っています。今の嵐のみんなが見た感想も聞いてみたいですね。
10年前といまの嵐の、“不思議な巡りあわせ”
10年前といまの嵐、不思議な巡りあわせとはさて、この年は夏コン「嵐 LIVE 2005 “One” SUMMER TOUR」が行われていますが、アルバムの発売前にスタートした異例のツアーで、少し不安な思いで会場に向かったファンもいたのではないでしょうか。
しかし、このツアーでセンターエリアにいるお客さんの頭上を移動する画期的な透明ステージ“ムービングステージ”を初お披露目! 毎回、お客さんにより楽しんでもらうにはどうしたらいいか、と考えを巡らせてくれる嵐ですが、2002年の“ジャニーズスーパークレーン”に続く、嵐のコンサートの変革を感じさせるセットを登場させたのでした。
MCでは缶蹴りをやったり、大宮SK、マツケンサンバを真似た金ピカ衣装の“マツジュンサンバ”を披露するなど、嵐らしく会場で遊ぶのはこの頃も一緒。
ソロ曲で印象的だったのは、サビでみんな一緒になって腕を大きくまわした相葉くんの「いつかのSummer」や、女性ダンサーと絡んだ松潤の「W/ME」、キュートな指差し振りで、バッキュンバッキュン会場のファンのハートを撃ちぬいたニノの「秘密」。特になかなかソロ曲でダンスを披露することのないニノのあざといほど可愛らしい楽曲と振り付けに、悲鳴にも似た歓声があがっていたのを思い出します。
また、この『One』ツアーは、次のアルバム『ARASHIC』初回限定盤の特典DVDにダイジェストが入っているだけで、残念ながら本編すべては映像化されていません。
「夏の名前」や「Yes?No?」「ROMANCE」、「Lai-Lai-Lai」、Queenの「We Will Rock You」など、爽やかかつ熱い、すごく夏らしい仕上がりだったこのツアー。暗闇で光る“ポイ”をくるくると回したり、着物の衣装にチェンジした「RIGHT BACK TO YOU」ではライトセーバーを使用するなど、光の演出を盛り込んでいたのが印象的。(『ARASHI AROUND ASIA+ in DOME』でも同じ演出を見ることが出来ます!)
今まで相葉くんのソロを抜かせば、嵐のステージで特に“和”を意識したものといえば、この「RIGHT BACK TO YOU」ではないでしょうか。
そして10年経ち、今年発売したアルバム『Japonism』は“和”がコンセプト。和のテイストが入ったジャケット写真の衣装、布袋寅泰さんに書き下ろしてもらった楽曲「心の空」も、和を感じさせるロックナンバーに仕上がっています。
さまざまな挑戦を続け、大きく成長した嵐。ちょうど10年の時を経て、また和をコンセプトにしているのが、なんだか面白い巡り合わせですね。さらに、なかなかソロ曲で踊らないニノが、今回アルバムツアーでは7年ぶりにダンスをすることでも盛り上がっています!
10年前、「あなたの一番大切な“One”はなんですか?」の投げかけからスタートした『One』ツアー。10年経った今、あなたの大切な“One”は何になっているでしょうか?

ウレぴあ総研

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