シンプルとお洒落を追及するバンド。
「どこまでも自分達らしくある音楽
を」― sui sui duck

L→R 堀内さん(Gt)渋谷さん(Vo/Gt)安達さん(Dr)小湊さん(Ba)

皆さんこんにちは。Tune Core Japan学生アンバサダーです。今回インタビューするバンドは、20代4人組で結成され、東京を中心に活躍する「sui sui duck」。
知り合いにお勧めされてライブに行って、とっても良いなぁ~!と感動。彼らの音楽を聴くとなんだか自分がセンスの良い人間にしてくれるような気持ちになります。スカスカのある大学生が一瞬でお洒落なMVに出ているようなシティーボーイ・シティーガールになったような気分になる。

それって彼らが音楽のみならず、演出やアートワーク、細部までこだわってバンドを作り上げてきたからこそ、なのかもしれません。そんなお話をインタビューでは語ってくれています!
sui sui duck『Run』

エレクトロポップの新世代バンドがや
ってきた!

――本日はよろしくお願いいたします!簡単にバンド紹介をお願いいたします。

渋谷:sui sui duckは、2015年結成、ライブ活動は2016年4月から、初音源を出したのが2016年12月という、とても最近できたバンドです。メンバーは、ベース以外の3人は高校から一緒で、軽音部の先輩後輩で、元はそれぞれ別々のバンドをやっていたんです。

――最初は高校が同じ3人で音楽を始めたのでしょうか?

渋谷:最初は、僕と安達と前のベースでやっていて、9月くらいに堀内が入って。ベースは前のメンバーが海外に行ってしまって、新メンバーの小湊がちょうど今日加入しました。

――今日!(笑)これからが期待のバンドですね…!皆さん普段はどんな音楽をお聴きになるのでしょうか?

小湊:私導入はYUIだったんですけど、初期のきのこ帝国、THE NOVENVERSあたりが好きで。最近は、Bonoboとかディアンジェロとかジャミロクワイとかも好きです。
ちょうどこの間2か月前くらいにsui sui duckと対バンしてかっこいいなと思って見てたんですけど、まさか入るとは(笑)という感じですね。

堀内:ギターを始めたきっかけはYUIですね。

渋谷:なんでこんな俺らYUI推しなんだろう(笑)

堀内:高校で軽音部に入った時は、東京事変が1番好きでした。あとはフジファブリックも好きで。

――90年代生まれ世代のかんじ…わかります。

堀内:世代ですねー。最近は、洋楽いっぱい聴きますね。

――Foster the peopleとかsui sui duckっぽいですよね。

堀内:その感じやっぱりありますかね(笑)それはよかった。Foster the peopleを聴いて初めて洋楽いいなぁってなったんです。KISSとtotoが好きです。

安達:僕は最初スピッツからで…

渋谷:そういうのちょっと記事的に…。

安達:あっ(笑)じゃあYUIで。YUIしか聞いてないです。

――そんな、お気遣いなく(笑)

安達:高校生の時はRADWIMPSRed Hot Chili Peppersaikoとかを聴いてましたね。

渋谷:今sui sui duckやってるとは思えない (笑)

安達:このバンドを始めてからは、電子系の音楽教えてもらったりして、聴いてますね。ジョン・メイヤーとか。

渋谷:俺はお父さんが元々ミュージシャンだったので、その関係で古い洋楽ばっかり聞かされてました。ギター始めたきっかけがイーグルスとかジミヘンとか。中学の時はイーグルスとアヴリル・ラヴィーンをひたすら弾いてたな。

――確かにアヴリル・ラヴィーンも流行りましたね!聴いてきた音楽は、曲作りに反映されているのでしょうか?

渋谷:めちゃくちゃ反映されてますね。パクリかっていうくらい(笑)。Miami Horror、Justice、Daft Punkとか。ポップな感じはYUIだったり、J-POPにも影響受けてます。
高校に入ってからはUK寄りになって、フランツ・フェルディナンドとかクークス、Daft Punkも結構聞いてた。あと、Perfume。多分人生通してずっと好きです。オートチューンをかけたのもPerfumeの影響だったりしますね。

――この間のライブでも、曲の途中でDaft Punkの「Digital Love」にいきなり繋がって、個人的にとてもテンションが上がりました。

渋谷:完全にふざけ倒しました。最高でしたね。
Daft Punk - Digital Love

サラダが美味しく見えそうな曲とかい
いよね、なんて話しながらコンセプトを
決める

――作詞作曲をされている渋谷さんにお聞きします。曲作りはどんな風にされているんでしょうか?

渋谷:基本的に、1つのアルバムを出すことになったら、先にアルバムのコンセプトを決めて、それから連想しながら作っていくことが多いです。最初はすごく抽象的かなぁ。前の『Run』と『Walk』は、それこそ走る時に聴きたい曲、歩く時に聴く曲っていう風に統一したくて。次のコンセプトも決まっていて、今はそれに向けてひたすら作っています。

キューピーマヨネーズの曲良くない?サラダが美味しく見えそうな曲とかいいよね、みたいな話しながら。漠然としながらもだんだんと自分達のサウンドにしていく。大事なのはコンセプトですね。

――コンセプトありきなんですね。曲単体から作って積み上げる、というよりはアルバムっていう大きいものを完成させるというイメージですね。

渋谷:アルバム全体に関わってくるので、曲1曲の良さより、自分達らしさやそのアルバムに合うかどうかを優先することが多いですね。

――アルバムのコンセプトに沿って曲を作っていくという方法が面白いなぁと思いました。

渋谷:コンセプトがあったほうが俺らは曲ができますね。今まで貯めた曲で2アルバムくらいできるくらいの量はあるんですが、それを寄せ集めるだけでは自分たちが良しとしないというか、コンセプトが決まってないから曲がバラバラになっちゃうんだなって気づいて。それ以来コンセプトを先に絶対決めて作る。後々世界観が違うなってならないためにも。大事ですよね。

――アレンジは、どのようにやっているんでしょうか?

渋谷:俺1人でやるのがほとんどな気がするけど、皆でやることもありますね。皆良いフレーズを持ってるので、そういうのは取り入れてます。基本はドラムまで打って持っていく。

安達:最近のデモはクオリティが高いです。

渋谷:家でひたすら作ってますね。作って、寝て、また作る、みたいな。

シンプルで、わかりやすいということ

――ストイックな過程ですね…。バンドの世界観や、アルバムのイメージという部分をとても重視していらっしゃるんですね。

渋谷:めちゃめちゃ重視してますね。世界観は重すぎず、でもアルバムのコンセプトには沿ってて自分達らしいサウンドということ。どこまでも大事にしている。

――言葉で表すことが難しいと思うのですが、どのような世界観を目指しているのでしょうか?

渋谷:めっちゃ極端に言えば、「シンプルにお洒落でわかりやすい」というのが大前提にありますね。商品説明みたいになっちゃった(笑)
ごちゃごちゃしないというか。激しいシンセとか使わないよね?最近ヒップホップとかエレクトロでもダブステップとかEDMみたいな、激しいシンセでやっていたこともあったんだけど、あんまり肌に合わなくて、自分達ってこういうキャラじゃないなって。バンドの名前もかわいい感じだし、みたいな。

――お洒落、ですよね。本当に。

渋谷:そうなのかな(笑)。

小湊:うん、私もバンドに入る前、見ていてお洒落だと思いました。家具屋さんみたいな感じ。

――なんだか、わかります。流れていそうです。

渋谷:俺らバンドでめっちゃIKEAとか行くんです。本当にそういう世界観。木目調の机と合うような。

堀内:聞き流せるような…。

渋谷:うん。

――アートワークの素材や雰囲気と音楽のイメージの一体感ですね。

渋谷:それをどこまでも結びつけていこうっていう気持ちがあります。
次のアルバムのコンセプトが「Think」になる予定なので、「Think」は頭で考えることなので、「帽子」とか。「Feel」だったら、心や心臓かな、と思うので、トップス…肌着か?裸か?みたいな。素材じゃないけど(笑)。

音楽とファッションは、切り離せない

――お洒落だ、と言われるバンドはたくさんいますけど、「音楽」と「ファッション」2つの共通項としてのバンドになることを目指してやっているということが素敵です。

渋谷:元々、ファッション&ミュージックみたいなところ、2つを結び付けたい!みたいな感覚は最初から強かったですね。

――なんだか、勝手なイメージですが、雑誌みたいですね。

渋谷:確かに雑誌っぽいのかも。

――詞には日本語も英語も混ざっていると思うんですが、その区別もしているんですか?

渋谷:自分的にも憧れがあったんですけど、最近は自分の技術的にも日本語の方が表現しやすいなと思って。結構していて、前まではベースの子が海外志向強くて英語でもやっていきたいという気持ちがあって、全部英詩でやっていたのでその雰囲気は壊したくないなと思っていて、いい感じに日本語英語が混ざるように気を付けてます。

――洋楽の要素とJ-POPの要素うまく混ざっている感じですよね。

渋谷:今一番うまく取り入れられてる気がする(笑)声が中性的なので、あまり男らしいことを言わないとか。あとは、たまに毒づく。新しい曲は、ニュースを見て作ったりしているので…。

――その時思ったことを歌詞に落とし込む感じですか?

渋谷:そうですね。自分達の音楽が本当に身近にあってほしいというのがあるので、あまり浮世離れしたことは書かないようにしてます。
「日常的かつ毒」っていうコンセプトは強いですね。

――毒…なるほど。ポップもロックもエレクトロも混ざっているsui sui duck の音楽の原材料がなんとなくわかってきました。

渋谷:結構ギターロック要素も強いので、それはギターを始めたきっかけの音楽がギターロックだったからかなっていうのはありますね。シーズンによって、聞いている音楽が違くて、アルバム出す前に聴いていた音源が自分達の曲に反映されすぎちゃうこともありますね。

――機材はどんなものを使っているんですか?

渋谷:基本PCはキューベースで、ハリオンとコンプリート10、Native Instrumentsっていうドイツの会社のものを使っています。ソフト音源だと本当にメジャーな2つのソフトで作っています。あとは、電子ドラムで録音していたり…。

「sui sui duck」というブランドを確
立したい

――なるほど。渋谷さんがやっている音楽日記も、面白いですよね。シューゲーザーっぽいものや実験的なものから、もうイントロにできそうな完成度のものからいろいろあって…。

渋谷:ちょうど今制作時期とかぶってしまってやってないんですけど、基本は毎日上げるようにはしてます。

――始めたきっかけは何だったのでしょうか?

渋谷:なんか、去年に劇中の曲やドラマ、アニメーションとかに曲つけてよ、という依頼が結構多く舞い込んできて、その時に曲を貯めておいたほうがいいなということと毎日曲は作っているので、どこかに出さないのもったいないなと思ったから。じゃあやろう、と毎日気軽に10分~1時間で作ってやってます。毎日動いてる感じもあるしね。

――表に出してみて何か反応は来たのでしょうか?

渋谷:ちょいちょい来たり来なかったり、撮影をやっている友達からは劇中でこの曲使わせてよということが舞い込んできたりとかですかね。

――じわじわと。

渋谷:そんな感じですね。

――これからの楽曲に取り入れていきたいことはありますか?

渋谷:日記で色々やっているので、バンドに取り入れるとしたら何かな、と思うんだけど、曲というよりもCDジャケットとかの方で取り入れたいことが色々あります。自分達のコンセプトの中で、「着るような感覚」っていうことがある。曲もファッションの一部みたいな部分がかなり強くて、ジーンズの生地をジャケット写真にしたり。どこまでも素材みたいな感じを取り入れてる。
『Breath』

――アートワークもMVも音楽とすごく合っているな、と感じました。アートワークを担当していらっしゃる高橋一生さんとはどのように一緒にやることになったんですか?

渋谷:最初は、他のバンドの担当をしていた子なんですが、sui sui duckの音源を聴いて、アートワークやりたいって向こうから言ってくれて。こっちもアートワークできる人を探していたので。結構すんなり決まって、今はもう高橋くんにすべてアートワークは任せっきり。ライブのVJからMVまで。

――確かに、ライブでは視覚的なアプローチが印象的でした。

渋谷:そうですね。そこはとくに高橋くんが相当こだわっていますね。「sui sui duckは演出大事だから!」みたいな(笑)。

――照明だけではだめだったんでしょうか?

渋谷:前は普通に照明だけでやってたんですけど、なんだか合わなかったんです。すごく事細かにやっても、どうしても自分達の求める迫力とは違ったりして。だったら、自分達で全部やってやろうと思い、照明を全部切って、VJオンリーで。

――皆さんが理想としている存在はいらっしゃいますか?

渋谷:理想としているバンド…ないっちゃないかな。自分達でこうしていきたいという気持ちが強いのかな。sui sui duckとして1個ブランド確立したいなっていうのがありますね。

――対バンとかをしていく中で、ライバル的な存在のバンドはいますか?

渋谷:いないなー。一緒にやりたいバンドは無数にいます。逆に浮いちゃうんです。こういうバンドいそうでいなくて。

――LUCKY TAPESとか、対バンしていたら合いそうだなって勝手に思いました。

渋谷:うわ、合いそうー!普通に大好きで聞いているー。

堀内:Lucky Kilimanjaroとか…。

渋谷:合うね!あとはDATS!もうひとつ僕がやっているバンドは、DATSのギターとやっているので、彼らとはやりたい。

――楽曲の配信にTuneCoreを使ってみてどうでしたか?

安達:登録は僕がしてるんですけど、いいですね。グラフで日にちごとにストリーミングの再生数が見られるのが良いですね。

渋谷:そのグラフ見たことないよ。

安達:見せたことないもん。(笑)

堀内:1人占め!そういうの見ないとですね。

――それでは、最後にこれからの展望をお聞かせください。

渋谷:まず、リリースがあるからそれに向けて、ひたすら曲作りですね。来月は川沿いで合宿したりするんで。目標としては、年末に渋谷WWWでライブをすることですね。お客さん、というよりかは自分達の表現の場をとにかく広げていくのが今の目標ですかね。今は準備!

――本日はどうもありがとうございました!これからsui sui duckがどんなバンドになっていくのか、楽しみです!

sui sui duck

都内を中心に活動する4人組バンド。
"未来”を感じさせるエレクトロポップサウンド。


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Written by TuneCore Japan 学生アンバサダー インタビュー / 文:エンドウ
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