LUNA SEAとソロ、尊さは同じ。量れるも
のではなく、“両翼”

加えて、「one reason」という、駆け出していくような勢いに満ちた新曲も収められていますが。

今の自分が書いた新曲も入っていることで、過去と今と未来をつないでくれるんじゃないかなって思ったんですよね。とにかくベクトルは“前へ”。そういうエネルギーを持ったアルバムにしたかったので。曲のタイトル通り、20年間続けられてきた理由、続いてきた様をそのまま表現できるような、その答えになるような曲になればいいなと思いながら作っていました。

Jさんの書かれる歌詞には“炎”や“光”、“燃える”、“永遠”といった際立ったキーワードがあり、「one reason」も例外ではありませんね。《青く燃える》という表現からは、一見冷静に見えて実は熱いという温度感が伝わってきます。

あえて、そういうこれまで何度も使ってきたような言葉を使ったという部分もあるんですよ。そこから逃げることなく向き合うことで、俺らしい部分が出てくるんじゃないかなと。自分自身にとっては、思い返した過去も、見つめている未来も、この場所からはものすごく静かに見えるというか。その嵐の前の静けさみたいなものが、“青く燃える”のイメージとしてはあって。もっともっとこれから盛り上がって、突き抜けていきたいと思ってるから。

20周年で“そろそろ落ち着こう”ではなく、“もっともっと”と渇望する熱量が減らないのはなぜなのでしょうか?

長くやっているといろんなことがだいたい分かってくるじゃないですか。でも、分かってきたからこそ、“こうなっちゃうんでしょ?”という常識をぶっ壊したくなるんですよ。読者のみなさんもいろんなことを経験してくると、だんだん“あぁ、こうなるのかな?”みたいな予想が付いちゃうことがあると思うんだ。例えば、若い頃に思っていたことに対して、“そんなこと言ってられねぇんだよな”という想いを味わうかもしれない。でも、もう少し経つと“だからこそぶっ壊して、何かを作っていきたい!”と思うようになるはず。まさに今の俺がそうなんだよね。そういう意味ではニヤニヤしてます(笑)。

LUNA SEAが2010年にREBOOT(再始動)し、並行しての活動となって早7年。ソロ始動当初と比べ、ソロの位置付け、バンドとの距離感が変化してきた部分もありますか?

最初は期間限定でソロをやっていて、全身全霊でひとつのことに打ち込んでいくことが当然、必要だと思っていました。その後、LUNA SEAが終幕(2000年)を迎えて以降、『GOD BLESS YOU 〜One Night Déjàvu〜』(2007年の一夜限りの復活)に至るまではソロでずっとやってきたわけで。そして、時を経てLUNA SEAに対する想いというものも、やっぱり変わっていく部分もあったわけですよね、いい意味でね。当然俺たち5人のバンドではあるんだけど、いろんな人の想いを乗せた船のようなものだから。存在していることの意味、その曲たちに熱を吹き込んでいくことの意味。そして、過去に対しての決着というか、責任を持つ意味…5人それぞれがいろんな想いを持ってたと思うんですよね。だからこそ、REBOOTを迎えたんだろうし。そういった中で、自分自身ソロの音と5人で出す音を分け隔てるほうが不自然だよなと思うようになっていったんです。それは洋服を着替えるようなことではないし、俺自身がLUNA SEAに行ってベースを弾く、そこでグルーブする…それだけの話じゃない?と気付いた。だから、5人でプレイすることの尊さ、ソロでやり続けることの尊さは同じだし、それは量れるものではないし。もっと言うと、羽ばたくための両翼に近いのかなと今は思ってますね。

ベストアルバムを携えたツアーが5月から始まりますね。

当然、20年間で一番熱いツアーにしたいですね。今までのどのツアーにもなかったような感覚で挑んでいけるんだろうなって思っています。20年という長い時間を、これから先へとつないでいく日々になるんだろうな。その振り幅が広いほど未来へとつながっていく速度が上がっていく気がするし、世界が広がっていくような気もするし。本当に今までで一番熱くて一番やんちゃなツアーにしたいですね。
『J 20th Anniversary BEST ALBUM <1997-2017> [W.U.M.F]』
    • 【2CD + Blu-ray】
    • CTC1-20066~7/B
    • 12960円
    • 【2CD + DVD】
    • CTC1-20064~5/B
    • 12960円
    • 【2CD + Blu-ray】
    • CTZD-20056~7/B
    • 12960円
    • 【2CD + DVD】
    • CTZD-20054~5/B
    • 12960円
    • 【2CD + Blu-ray】
    • CTCD-20060~1/B
    • 6480円
    • 【2CD + DVD】
    • CTCD-20058~9/B
    • 6480円
    • 『J 20th Anniversary BEST ALBUM <1997-2017> [W.U.M.F]』
    • 【2CD】
    • CTCD-20062~3
    • 2017.03.22
    • 4104円
J プロフィール

ジェイ:1992年にLUNA SEAのベーシストとしてメジャーテビュー。97年、LUNA SEA の活動休止を機にソロ活動を開始。翌年LUNA SEA を再開するが、00年12月の東京ドーム公演にて終幕し、本格的にソロ活動をスタートする。03年にはアリーナ・オールスタンディングによる、ソロ活動初の武道館公演を実施。その後もとどまることなく自身の音楽を追求し続け、17年3月にはソロデビュー20周年を記念したベストアルバム『J 20th Anniversary BEST ALBUM <1997-2017> [W.U.M.F.]』を発表。現在は10年に再始動したLUNA SEAとソロの両輪で活動中。J オフィシャルHP

LUNA SEA プロフィール

ルナシー:1989年、町田プレイハウスを拠点にライヴ活動を開始(当時の表記は“LUNACY”)。90年にバンドの表記を“LUNA SEA”に変更し、翌91年に1stアルバム『LUNA SEA』をリリース。そして、92年にアルバム『IMAGE』でメジャーデビューを果たす。00年12月26日&27日の東京ドーム公演を最後に終幕を迎えるが、07年12月24日の満月のクリスマスイヴに東京ドームにて一夜限りの復活公演を経て、10年に“REBOOT(再起動)”を宣言。13年12月には13年5カ月振りとなる8枚目のオリジナルアルバム『A WILL』を発表する。その後、バンド結成25周年を迎え、自身初の主宰フェスとなる『LUNATIC FEST.』も開催し、17年12月にはオリジナルアルバム『LUV』を、19年12月にはグラミー賞5度受賞のスティーヴ・リリーホワイトとの共同プロデュースによる10枚目のオリジナルアルバム『CROSS』をリリース。LUNA SEA オフィシャルHP

OKMusic編集部

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