総集編にしたくなかった、ダイスケ
ベスト盤で導き出した答え
シンガーソングライターのダイスケが2月1日に、メジャーデビュー5周年を記念した初のベストアルバム『THE BEST』をリリースした。Disc1ではシングルコレクションに加え、ストリートライブ時代から歌ってきた「コスモグライダー」を初音源化。Disc2にはファン投票による楽曲と、既存曲4曲をリアレンジし、全29曲を収録した。「ベストアルバムを総集編にしたくなかった」というダイスケが今作で導き出した答えとは。そして、リアレンジ曲にどのような思いを込めたのか。「コスモグライダー」収録までの経緯とともにその背景に迫った。
ミュージシャンってきっと幸せにはなれないんだな
――活動5周年目の昨年を振り返ってどうでしたか?
色々“気づけた”1年でした。僕はこの5年を節目にしようとしていたんです。ここから自分は新しくどんな音楽を作ろうかという事や、やりたい音楽とは何だろうかとか、そういう事を考えられた1年でした。
――ダイスケさんは毎回新しい音楽を模索していますが、それをブラッシュアップしていくという事は体力的にも精神的にも大変な事だと思います。
5年間やってきてミュージシャンって精神的に辛いなと思いました(笑)。
――「心を削っている」と表現する方もいます。作品を作る為にどんどん自分の内側に入っていくとも。
そうなんですよ。幸せだと曲が出来ないから…。ハッピーな時って別に伝える事が無いというか。でも自分が悩んでいたり、精神的に病んでいる時は曲を書いて発散したいんです。それを考えるとミュージシャンってきっと幸せにはなれないんだなと思ったりします。そんななかでも、幸せに感じる事もあるんですけどね。ライブをやってお客さんの反応を受けたりと。
――ダイスケさんには「HAPPY」に代表されるように明るい曲もあります。そのなかで自身が不幸せと言うのも不条理だなと思う部分もありますが。
自分の曲を振り返ってみると「こうなりたい」というものが多いと思ったんです。例えば「あなたにしか出来ない事があるよ」というメッセージだったら「自分にしか出来ない事があるぞ」という事を自分自身に言っていたりとか。「ありのままで居ようよ」という事であっても、「ありのままで居たい」と自分に言っていたり。全部自分が「こうなりたい」というビジョンを歌っているのだなと思います。ただ、「HAPPY」を書いたからといって自分が「HAPPYだ!」という訳じゃないんですよね(笑)。「HAPPYになりたい!」と思って自分が歌っている事が多いです。
――今作のDisc1にはシングルコレクションとして15曲、Disc2にはファン投票の曲が収録されています。ファン投票とシングルコレクションという形態をとった意図は?
自分が出すときは今までの総集編にしたくなくて、色々考えていたらたくさんアイデアが出て来ちゃって、結果一枚に収まりきらなくなっちゃったんですよ。
必ずどこかに新しいものがあったり、面白い事を詰め込みたいなと思って、今回はシングルコレクションだけではなくて、新曲「コスモグライダー」があったり、Disc2にはリアレンジしたシングルを入れたり、ファンベストを入れたりしたんです。思い通りのベストアルバムにしたという感じです。
――ベストアルバムは、そのアーティストの登竜門としては凄く便利なんですよね。「これを聴いておけば、だいたいの遍歴が分かる」という点が大きいのですが、コアなファンからするとベストアルバムであってもコンセプト的なものがあった方が良いなと思ったりしますね。
そうなんですよね。僕はどうしても、シングルだけでは自分の音楽性を伝えきれないなと思っているんです。シングル曲は「シングルを書こう」と思って書いた曲が多いんです。だけど本当に書きたい曲はカップリングにあったり、アルバムに入っていたりするんですよね。だからそういう所も垣間見えるベストにしたかったですね。
――カップリングは実験室的な役割もあったり?
そうですね。縛られる事も無いんですよね。シングルの表題曲だとどうしても「キーを高めに作らなければ」とか、「テンポも上げないと」とか、そういう細かい計算もするんですけど、カップリングはもう好き放題ですよ。やはりそういうのこそ聴いてもらいたいという気持ちがあるんです。
――個人的には「B-Sideコレクション」といった作品は好きですね。
いいですよね!
――そういった意味ではDisc2の方はそれに近い部分もあったりしませんか?
だいぶありますね。アルバムとカップリング曲から構成さてれているので。
――マスタリングの時など、曲が出揃った段階で聴いて振り返ってみて、「こんなだったんだ」など感じたりしました?
ありましたね! 初期の歌い癖ヒドい! と思ったりとか(笑)
――今とは感覚が違うなと?
今になると意識して変わったという訳ではないんですけど、当時自分の中の流行とか癖みたいのがあって、「こんな声で歌っていたんだ…」というのは確かにありましたね。あと、「酒焼けしてるな」とか(笑)。
――ちなみにどの曲が酒焼けの声?
ファーストアルバムは全部(笑)。
――まあ、若さ故の…。ロックで良いと思いますが。
そうなんですよ。その姿勢はロックなくせに音楽はめっちゃポップで。
路上でライブをやっていた時は必ず1人スタッフを付けていた
――ダイスケさんの「分析力」は凄いと感じるんです。ストリートでライブをやっていて、そこで触れる人達に「この人達に響く音楽とはなんぞや?」など考えていたと思うんです。そこでの経験がメジャーに行ってからの曲にも反映されていると思うんです。ストリートでライブをしてきたアーティストは分析力に長けていると思います。
確かに路上でライブをやっていた時は、必ず1人スタッフを付けていたんです。専属スタッフとかではなく、友達とかですけど。そこでノートを取ってもらって、各曲で「何人立ち止まって、何人去ったか」という事をチェックしてもらっていたんです。「バラードは意外と響かないんだ」と分かったり。時間帯も見たりしましたね。夕方18時には女子校生がたくさん帰ってくるから、「そのラッシュの時間はキャッチーな曲やカバーを多くやる」とか、そういう事をしてましたね。
――もうマーケティングですよね。
完全にそうですね(笑)
――先ほど声が酒焼けとの話がありましたが現在はどうでしょう?
ははは(笑)。今はもうないですけど、レコーディングやライブの前日は凄く気を遣いますね。
――そういう事に対する失敗などがあったのでしょうか?
特に失敗は無いんですけど、仮に失敗したり本調子ではなかったりした時に、絶対それが言い訳になってくるじゃないですか? 酒飲んだからとか。そうすると酒が悪者になっちゃうんですよね。僕、お酒が大好きなのに。
Disc1の収録曲は3シーズンに分かれる
――このベストアルバムで特に思い入れのある曲はありますか?
まず、このDisc1に収録されている14曲なんですけど、3シーズンに分かれるんですよ。まず1、2曲目で区切られるんです。これらはデビューしてすぐ、さまよいながらプロに馴染もうとしている時なんです。
――ということは1、2曲目は“さまよい期”ですね。
そう。それで3曲目から7曲目までが、日本を旅していた旅人の時期なんです。旅をしながら、「朝の番組のポップなダイスケ」を意識していた時期なんです。
――ジプシーな時期ですね。“スナフキン期”とでも言いましょうか。
そうしましょう。3〜7曲目は“スナフキン期”ですね。8曲目から14曲目「クリスマスチキン」までは“チャレンジ期”でしたね。色んな曲を提供して頂いたりして、「自分の音楽ってなんだろう?」と考えている時期ですね。だいたいこの3つの時期に分かれるんです。
――そういう聴き方すると面白いですね。「ああ、この頃はさまよっていた時期なんだ」と。
そうですね(笑)。でも一番の衝撃は「ボク☆ロケット」じゃないですかね。ストリートでずっとアコギ1本でやっていて、メジャーデビューするにあたって曲を作ってきてと言われて、出来たものをアレンジャーさんに渡して、上がってきたものが思い切り打ち込みのスペーシーな楽曲で。「こんな風になるのか?!」と感じて、プロってこういうものなのかと。
若干の戸惑いもあって。これに馴染まないといけない、ギター1本でいける訳ないんだと。「じゃあこれからどうやって曲を作っていけば良いんだろう?」と思いました。弾き語りから完成形までこんなに振り幅があるんだったら、何をイメージして曲を書けば良いのだろうという迷いもあったりしました。
――それでさまよっていたのですね。「ボク☆ロケット」はアコギと打ち込み電子音のミックスは見事にマッチしていると感じました。イントロなんかちょっとDaft Punkっぽく感じますし。
なるほど。確かに!
――そこにアコギが絡むという所は斬新でした。
面白いミックスですよね。
――「あなたにしかできないこと」は旅をしている時のテーマソングでもありますよね。
そうですね。ここら辺も人生勉強をさせて頂いた期間なんです。今となっては笑って懐かしめるかなと思います。
――「クリスマスチキン」や「スノウドーム」はチャレンジですよね。
9曲目の「愛は散って ライライラライラ」あたりからチャレンジが始まって「面白い音楽って何だろう」って考えていたんです。
――そういったテーマで進んでいった時期?
ここのあたりまでくると、アレンジがどうとかいう様な悩みはもう無くなっていて、「どうしたら皆に引っかかる曲が出来るんだろう」と思って作って、タイトルも「愛は散って ライライラライラ」にしたりとか(笑)
――タイトルが長いですよね(笑)
みんな噛むんですよ! MVで島崎和歌子さんに踊ってもらったりとか、女性目線で歌ってみたりとか。10曲目の「せかいにひとつのフタリ」は、逆に大物プロデューサーに楽曲を提供してもらいまして。自分の作曲の手癖とかがあるじゃないですか? それを一度ほぐす為にも、誰かに作ってもらった曲を歌ってみようと思って提供してもらったのがこの曲なんです。
――作曲は本間昭光さんですよね?
そうです。やっぱり凄いなと思いました。本間さんのコード感は。また、あんなに大物なのに凄く優しいんです。でもひとたび喋ると優しいおじちゃん(笑)。勉強になりましたね。
――そこで培った事がその先に出てくるのですね。
エッセンス、経験値として出てきていると思います。「HAPPY」「birthday」が両A面シングルだったんですけど、これは対比させたかったんです。12曲目「birthday」も本間さんが書いてくれた曲で、「発展途上な若い子とやるのもダイスケには合う気がするよ!」って言ってくれたんです。それで「HAPPY」は僕と歳が近いプロデューサーの村山☆潤さんにアレンジをお願いしたんです。
――そういう流れがあったんですね。
本間さんが「どうせなら一緒に成長していった方が絶対良いよ」と言ってくれて。だから「HAPPY」のアレンジは凄くはっちゃけていますね。
――若さ溢れる感じが功を成したのかこの曲にとても合っているアレンジと感じました。
ありがとうございます! よく聴くと本当に音を積んでいて、アコギのスラップ(編注=弦を叩いたりはじいたりする奏法)が全面に入っていたりとか。聴いていても派手で面白いんです。この頃から自分でもアレンジにガツガツと口を挟む様になってきたんです。
――ダイスケさんがCubase(編注=音楽制作ソフト。DAW)を使う様になったのはこの頃からなんでしょうか?
それはもう少し前からなんですけど、それまでプロデューサーやアレンジャーに対してけっこう遠慮している所があったんです。だけど、ちゃんと自分の作ったものに責任を持たなければと思い始めた頃が、この時期なんです。
――時系列で曲を並べていると色んな話が見えてきて面白いですね。
歴史なんですよね。曲って、当時感じていた事や過ごしていた環境、情景が1曲毎に詰まっているんですよ。15曲も並べると5年間の情景が浮かぶんですよね。
――写真のアルバムみたいですよね。
そうですよね。4曲目の「晴れ空のマーチ」は山梨県甲府市のモツ焼き屋の上のビジネスホテルで、ロケから帰ってきてから一生懸命作っていたな、とかそういう思い出やその時の景色が浮かびますね。
「コスモグライダー」の収録は諦めていたんです
――「コスモグライダー」はインディーズの頃からやられている曲ですよね。
はい。ストリートライブでよく歌っていました。
――ファンの方々は音源化を熱望していたとの事で。この曲は元々今作に収録する予定だったのでしょうか?
実は僕は諦めていたんです。この曲は入れられないかなと。諦めというかは放置していた感じですかね。僕も凄く大好きな曲で、本当はデビューしてすぐにリリースする予定だったんですけど、いかんせんサビの歌詞が<みんながみんな幸せにはなれない世界だとしても♪>というのが、「ちょっと暗い」という事で(笑)。当時は震災があったりと時期的なものもあったりして、リリースを控えたというか…。
――そういった理由があったんですね。
曲としては、「みんながみんな幸せにはなれない世界だとしても」だけど、それって僕の中では凄くポジティブな事で、それを分かった上で「でも君だけは幸せにしたい」という事が、自分の中ではポジティブなメッセージだと思っていたんです。
――そこだけ切り取って聴いてしまうと、確かに暗い方に取ってしまう方もいるという事ですよね。
そうなんですよ。だから実は歌詞を一度ガラッと変えたりしてリリースしようとしたんですけど、しっくりこなくて。
――この曲はイジっちゃ駄目だと。
はい。でも出す出さないは自分だけで決める事ではないのでずっと温めていたんです。それで、去年の7月に同じ会場で5Daysをやった『ダイスケ 5th Anniversary Tour 2016 ~君とぼくでかける魔法~』の時に「5日もやるからインディーズの頃の曲を何かやっていいよ」とスタッフさんに言われたんです。「何かある?」と言われたので「一応『コスモグライダー』という曲があるんですけど…」と怯えながら言ってみたんですよ。また「暗い」とか言われないかなと思ったりして。
そういう訳でちょっと歌ったら「いいじゃん!」って言ってくれたものだから「おや?」と思ったんですよ。実際にライブでやったらお客さんにも好評だったんです。「これはいける!」と思って、今回のベストアルバムというタイミングもあったので、フルアレンジをして、満を持して収録する事が出来ました。
――昔からのファンの方々は喜んだのではないでしょうか。
喜んでくれていますね! 5年越しというか、もっと前ですからね。学生の頃に作っていた曲なので。
――そんなに昔の曲なのですね。一番古い曲なのでは?
今作の中ではそう言っても過言ではないですね。歌詞も若々しいといいますか。僕は当時、浅野いにおさんが大好きだったんです。彼の作品の「おやすみプンプン」という割とニッチなサブカル的な漫画をよく読んでいて曲を書いていたんです。
――「おやすみプンプン」が参考書的な感じ?
そうですね。その作品は曲に投影されている感じがあります。
スイッチが入ったものに対してはとことんハマります
――あとダイスケさんの作品には「宇宙」を感じる部分が多いです。
僕は全くもって意識はしていないのですが、その割には宇宙的なのが多くて…。「ボク☆ロケット」「コスモグライダー」「コスモノート」「惑星プラトニック」「流星」「三日月ロッキンチェア…、まだきっとあると思うんですけど、多分、潜在的に宇宙が好きなんだろうなと思います。現実逃避したいんですかね(笑)。
――『スターウォーズ』が大好きだったりと、ダイスケさんの宇宙愛はたいへんなものと聞いています。
そのうち「宇宙ベスト」みたいのを作りたいですね。JAXA(宇宙航空研究開発機構)でライブもしたいですし!
――宇宙もそうですけど、「スノウドーム」の制作もスノードームインストラクターの資格取得までやるなど、一つの事に対するこだわりが半端ではないですよね。
“スイッチ”なんだと思うんですけど、スイッチが入ったものに対してはとことんハマりますね。スノウドームもギターもスターウォーズもそうですね。でもその“スイッチ”の入れ方が、今まで生きてきた28年間でまだ分かってないんですよね。
――5周年を経て、6周年からの課題というのはどうでしょう?
そうですね。自分でそのスイッチのオン・オフを操れる様になったら、もっと器用に出来るんでしょうね…。いや、でも別にいいのかな? 変に器用になるよりかは、ハマる事にハマって、燃やす所に情熱を燃やせばいいのかな。
もう滅茶苦茶モイスチャーで
――1月14日にはあぶくま洞でライブをなさっていましたね。これからは“洞窟モノ”が多くなったりして。
洞窟モノですか(笑)。洞窟の歌はなかなか難しいですけど、鍾乳洞に行った時に大自然のロマンを感じましたね。鍾乳洞で歌う事は初めてでしたね。鍾乳洞でぶら下がっている鍾乳石っていうツララみたいなやつ、1センチ伸びるのに100年かかるらしいんです。だからあの鍾乳洞が出来るのに8千万年かかるんですよ! 8千万年って僕らが石槍とか持ってマンモスを追いかけていた時代ですよ? そんな時代からある環境で歌を歌うって、科学と自然のミクスチュアな感じが凄く面白かったんですよ。そんな歌詞を書くかもしれないですね。そういうテーマは好きかもしれないです。
――時間軸であるとか、結局“宇宙”なんですね(笑)
結局そうなるんですよね!
――鍾乳洞の中での音の響きも音楽的に面白そうですね。
やはり自然のリバーブ感が凄かったですね。今回はマイクとアンプを使ってやったんですけど、次回はそれらを使わずに生の響きだけで成り立たせたいですね。湿気も凄かったですね。
――歌う環境としては湿度は良さそうですね。
もう滅茶苦茶モイスチャーで。
――モイスチャー?(笑)。こういう時にも使う言葉なんですね。
髪の毛のケアの話の時だけじゃないんですね(笑)。ギターとか機材には良くない環境かもしれませんけどね。でもそういう事を抜きにしても、またやりたいと思いますね。
――レコーディング環境としても面白そうですね。昔、ビョークが「headphones」という曲で洞窟レコーディングをやっていましたね。
そういうのをやってみたいですね! スタジオではない環境音も入れたり。街角でレコーディングをして雑踏の環境音を入れて良い感じに録音されるという話もニューヨークあたりではありますし。
――そういった自然でアナログ的なサウンドも取り入れていくと更に面白くなりそうですね。
挑戦していきたいですね。「いつだって。」は洞窟が合いそうですし。
「Moshimo」は僕のzippeiに対する気持ち
――リアレンジした4曲に対して、元からイメージはあったのでしょうか?
なぜリアレンジを入れようと思ったかというと、曲って、自分の中で作って、歌詞を書いて、アレンジをして、リリースをして産み落として完成、ではないのだなと5年経って知ったんです。曲ってリリースしたばかりの頃は小さな子供みたいなもので、それがライブで何回も歌ったりする事によって成長していって、自分の気持ちが乗ったり、ライブでのアレンジを変えたりとかして、曲は成長していくものだと気付いたんです。リアレンジした4曲は、ライブでやる度にどんどん成長していった曲たちなんです。それで、出来た当時からだいぶ変わったので、それをパッケージしたいなと思ったんです。
――「Moshimo」はリアレンジしたものが本来あるべき姿だと感じました。
「Moshimo」は2つテーマがあったんです。一つはアニメ『ナルト疾風伝』のオープニングテーマで、ちょうどその当時の話がサスケとナルトの別離という感じだったので、それをテーマにして書いたんです。もう一つは、当時僕が一緒に旅をしていた犬のzippeiが事故で死んでしまって、僕自身の別れの悲しみ、それらがどっちも入っているんです。言うならば、原曲の「Moshimo」はアニメ『ナルト疾風伝』用のアレンジだと思って、今回の「Moshimo」は僕のzippeiに対する気持ちだったり、当時の別れを切なく歌ったバラード、ありのままのものだと思います。
――そういった背景があったのですね。ところでファン投票で選ばれた曲の1位は?
「流星」だったんです。
――これは予想通り?
順位は置いといて、この10曲はほぼドンピシャリでした。自分がファンだったら選ぶ10曲をメモっておいたんですけど、ほぼ一致していました。そんなにも一致するのだなと思ってびっくりしました。
――個人的には「音符の傘」が1位かなと思っていました。
その気持ちが嬉しいですね。この中では「音符の傘」と「流星」がファンの為に書いた曲なんです。面白いのがカップリングの曲が3曲も入っている事ですよね。ファースト、セカンド、サードシングルのカップリングが入っているんですよ。当時は迷っていると言ったじゃないですか? でもカップリング曲は自分を信じてやってみようと思っていたんです。だから縛りが無く遊び心のあるカップリング曲たちが選ばれたのかなと。
――それは嬉しい事ですよね。“さまよい期”の中の等身大のダイスケさんの曲を選んでくれた訳ですから。最後にファンの方にメッセージをお願いします。
この『THE BEST』アルバムは、本当にファンの方々の事を想って作りました。ちゃんと皆が満足出来るし、新しく僕の音楽を聴いてくれる人も楽しんでもらえるような、本当に良いベストアルバムが出来ました。本当に濃厚なアルバムになったので、是非心行くまで堪能して下さい。そして、このアルバムを引っさげて3月にバンドでツアー、そして6月から弾き語りツアーもやるので是非遊びに来て下さい!
(取材=村上順一)
作品情報
ベストアルバム「THE BEST」 2月1日発売 【初回生産限定盤A】CD(DISC1)+DVD 【初回生産限定盤B】2CD(DISC1&DISC2) 【通常盤】CD(DISC1)のみ CD DISC 2 |
LIVE情報
ダイスケ 5th Anniversary Tour 2017 No You No Live ~A NEW DEPARTURE~ 2017/3/17(金) 名古屋 場所:ell.FITS ALL 開場18:30 開演19:00 2017/3/19(日) 大阪 場所:ROCKTOWN 開場16:30 開演17:00 2017/3/26(日) 東京 場所:WWWX 開場16:00 開演17:00 ダイスケ Acoustic Journey 2017 |