Vaundy、MONGOL800、SUPER BEAVERら
出演ーー完全復活!幸福感に満ちた『
MONSTER baSH 2023』初日レポート

『MONSTER baSH 2023』2022.8.19(SAT)・20(SUN)香川県・国営讃岐まんのう公園
2023年8月19日(土)・20日(日)の2日間にわたって、香川県・国営讃岐まんのう公園にて開催された中四国最大級の野外ロックフェス『MONSTER baSH 2023』。今年で24年目を迎える同イベントに、東京と関西からライターの兵庫慎司と鈴木淳史が参戦。本記事では1日目のライブをピックアップして振り返りながら、それぞれの視点で『モンバス』の魅力をレポートする。
ステージをひとつ減らし、参加者数の上限も設定し、マスク着用必須・声出しNG等の感染予防対策を敷いた上で開催された2022年の『MONSTER baSH』に続く今年=2023年は、そのひとつ減らしたステージ=MONSTERcircus+が戻って、本来のキャパで、マスク等の制限もない形で行われた。2日間のチケット、2000年から現在までのモンバスの歴史の中で、最速で売り切れたという。2019年以来の本来の形の開催、ということで、一度失ったものがこの手に戻ってきた、そんな感覚をもって、参加者も、出演者も、当日に臨んだのではないかと思う。そんななんとも言えない幸福な空気が会場に満ちていた(おそろしく暑かったことを除けば)、そんな2日間だった。
あ、ただし、入場者全員にひとりサイズの「モンバスシート」を配って、会場内で使えるレジャーシートはそれのみ、というルールに関しては、今年も施行されていた。去年やってみて、これは続けるべき、と判断したのだと思う。で、そのように、「ただ元に戻すだけじゃない」姿勢、正しいと思う。
では以下、ライブの模様をお伝えしていきます。ステージは5つでライブが行われるエリアは実質3つ、でもライターは私=兵庫慎司と鈴木淳史の2人体制なので、全アクト網羅するのは物理的に不可能だったことは、ご容赦いただければと思います。あと、「そのふたつ、時間がかぶってるのに、なんで両方書けるんだよ」という箇所もありますが、そこは、編集担当のSPICE大西健斗が、ふたりの代わりに観てメモを取ってくれたものを参考に書いております。
『MONSER baSH』プロデューサー・DUKE 定家氏
9:55からSTAGE空海でThis is LASTが、10:25からSTAGE龍神でHakubiが4曲、それぞれオープニング・アクトを務めてから、モンバスプロデューサーDUKE定家氏の挨拶と開会宣言、と同時に銀テープがパーン! と豪快に放たれ、フェス本編がスタートする。なお、ワンマンならともかく、野外フェスでこういう銀テープの演出をやっている例、少なくとも私は、モンバスでしか見たことありません。
トップはUNISON SQUARE GARDEN(11:00/空海)。4ヵ月前に出たばかりのニューアルバム『Ninth Peel』からの「カオスが極まる」が1曲目、MCらしいMCもはさまず、駆け抜けるように7曲をプレイしていく。3曲目「オリオンをなぞる」では、田淵智也(B)、大暴れ。ラストの「シュガーソングとビターステップ」で、フィールドいっぱいのオーディエンスが、腕を上げてジャンプするさまが美しかった。
UNISON SQUARE GARDEN
続くSPARK!!SOUND!!SHOW!!(11:45/龍神)は、参加者をしゃがませてジャンプさせたり、「膝の運動をしますか!」と呼びかけたり、激しくモンキーダンスをさせたりと、やる方も観る方も忙しいステージをくり広げる。ベースのチヨ、「四星球のモリスに媚びに媚びた結果、出させていただきました、ありがとうございます!」。モリスにそんな権限はないと思うが。康雄かU太ならともかく。いや、ないか、そのふたりにも。
「倒れるなよ、倒すつもりでやるけど。付いて来いよ、置いて行くつもりでやるけど」というTAKUMAの言葉から始まった10-FEET(空海/12:30)は、1曲目の「goes on」から「おまえらまだ照れがあるな。隣の知らない人とハイタッチー!」などと、オーディエンスをアオりまくる。
10-FEET
「効果ゼロやと思うけどやってみよう」と、スマホのライトを点けてウェーブさせる一幕も。「絶対みんなモヤモヤせんと、楽しい気持ちで帰ろうな。あとちょっとだけやります」という言葉から最後に「ヒトリセカイ」をプレイするが、演奏を終えて「あと1分20秒あるから」と「CHERRY BLOSSOM」を時間いっぱいまで追加。フィールドいっぱいにタオルが投げ上げられる。去り際に「みんな仲良くね」と、もうひとこと添えたTAKUMAだった。
「モンバス、4年ぶり。初めて出たのは2014年、まだ10代でしたよ」。SHISHAMO(13:15/龍神)は、今年でCDデビュー10周年のメモリアル・イヤーであるせいか、そんなふうに振り返る。新曲「夏恋注意報」の時のみ撮影OK&SNS等へのアップOK、ということを、現在のSHISHAMOは行っていて、この日も多数のスマホが3人の動きを追った。宮崎朝子、演奏前に「ミスったらアップしないでください、それかその部分はカットしてアップしてください」。これ、各地で言っているが、いつもそんな必要のない演奏と歌である。
SHISHAMO
マキシマム ザ ホルモン(14:00/空海)は「maximum the hormone II~これからの麺カタこってりの話をしよう~」でライブをスタート、しかし2曲目「ぶっ生き返す」に入ったところで上ちゃんのベースのトラブルで演奏ストップ。すると、ダイスケはん「すいません、ケツメイシの方、ベース貸してください!」ナヲ「ないない!」ダイスケはん「すいませんCreepy Nutsの方ーー」ナヲ「ないない!」と、見事なフォローで場をつなぐ。
その次のMCでは「オープニングアクトとしてこちらのステージに立たせてもらったのが19年前。数あるフェスの中でも、ライブハウスを感じられる、現場を感じられるフェス」と、モンバスならではのこの空気感を称賛した。
それから、ホルモンのモンバスと言えば、高松出身のダイスケはんの母、光枝さんがおなじみだが、今年は去年と同じくFOHでマイクを持っているところがカメラで抜かれる、という登場のしかた。ダイスケはん「おかん、誕生日に何がほしい?」光枝「お母さんをアメリカに連れて行ってほしい」というフリで、新曲「恋のアメリカ」に突入する。この曲が人前で生で披露されたのは、1週間前の『RISING SUN ROCK FESIVAL』に続いて、二度目だった。
Creepy Nuts
アルバム『アンサンブル・プレイ』からの「2way nice guy」でライブをスタートし、「今日の主役はここに集まったお客さん。アーティストはあなたたちを盛り上げる助演です!」というR-指定のアオリからの「助演男優賞」で一気にオーディエンスに火を点け、タオルをぶんぶん振り回させたCreepy Nuts。R-指定、「全開で声を出せ、と明確にあおっていいフェスが戻ってまいりましたよ!」と喜びを伝えてから、「まずあれやな、去年はほんまにご迷惑おかけしました」と、1年前の遅刻を詫びる。
「堕天」「かつて天才だった俺たちへ」「生業」を経ての後半は、「みんなにも当てはまる言葉やから、みんなと一緒に歌いたいわけですよ!」と「のびしろ」で大シンガロングを巻き起こす。曲の後半、DJ松永がトラックを止め、アカペラ状態で大合唱になった瞬間は、かなり鳥肌モンな光景だった。
ラストは「一緒に歌えるやんな? 無理か、無理やな、新曲やから」と言いながら新曲披露。確かに新曲だが、途中からかなりの人が一緒に歌っていた。
1曲目の「アイラヴユー」から大シンガロングを巻き起こしたが、2曲目「グラデーション」が終わったところで、「熱いけど大丈夫? すこーしバテてる気がするぞ」と、オーディエンスを気遣っているようにも、ハッパかけているようにもとれるMCを渋谷龍太がしたSUPER BEAVER(15:30/空海)。
以降も、参加者の大合唱から入った「秘密」の間奏で「余力残してんな」とあおったり、「暑いな。でもまだ限界ではないな。まだやれるな」と言って曲に入った「青い春」でも合唱させるなどしながら、オーディエンスを導いていく。
SUPER BEAVER
「今日が最後かもしれないと思って、いただいた35分、全力でやらしていただきました。あなたと音楽できたこの時間を、俺は今日で最後でいい、と思いながら、来年に持っていきたいと思っています。また来年『MONSTER baSH』で会おう、なんて言いません。すぐにライブハウスで会いましょう」。という言葉から始まったラスト・チューンは「儚くない」だった。
SUPER BEAVER
(ここまで取材・文=兵庫慎司)

さて兵庫さんからバトンを渡していただき、ここからは私ライター鈴木淳史が書かせていただきます。まずは今年MONSTERcircus+ステージが4年ぶりに復活したのは何よりも大きなニュース。そして、そのステージの初日トップバッターを地元のバンドが初出場で登場するというのは地方開催フェスとして、何よりも有意義なことだと心から想う。朝10:25、愛媛は松山のバンドであるPRAY FOR MEのメンバーが両手を挙げたり、ピースをしたりと嬉しそうにステージに現れる。
PRAY FOR ME
まさしく一世一代の晴れ舞台。1曲目「Alright」から真っ直ぐド直球なメディックハードコアのスリーピースバンドだと伝わってくる。一気に短くて速い曲を鳴らしまくり、その一直線な姿は清々しい。フジモトタクマ(Ba.Vo)は松山でバンドを始めて、10年かかったがモンバスに出れた喜びを話す。松山のスタジオから来たと名乗るのも気持ち良かったし、地元のハコ(ライブハウス)、その地元のライブハウスの人たちへの感謝を述べるのも素敵であった。初見であるので、これまでの10年は知らないが、10年の感情を全てぶつけきっていたと思う。まだまだ走っていけるとフジモトも言っていたが、彼らのモンバスは始まったばかりである。
PRAY FOR ME終わり、MONSTERcircusエリアから、STAGE空海・龍神を越えて、STAGE茶堂へと向かう。山越え、峠越え、丘越え、ゆうに20分は歩いているのではと思うが、都心フェスではありえない、この広大な自然。道は舗装されているとはいえ、緑を通り越して、もはや原生林の中を歩いて移動しているような貴重な体験である。目指すステージは、お遍路さんが道中の疲れを癒すために憩いの場として設けられた茶堂をコンセプトにした場所であり、長距離移動の甲斐があるというもの。モンバスのためにわざわざ設営されたのだが、大昔から公園に存在していたような立派で雰囲気のある建物は、今年モンバス3回目となる私も個人的に大好きな場所であり、ゆっくり落ち着けるコンパクトでナイスなステージ。
昼12:30。STAGE茶堂のトップバッターは初出場のヒグチアイ。お遍路の白衣姿で傘帽子をかぶったスタッフが「ヒグチアイ」と書かれた掛け軸を持って登場して、ステージ後方に掛け軸を掛ける。早朝は曇天だったものの、いざ始まるとピーカンの晴天で、昼頃には灼熱の炎天下という中々の気候。そんな中、ヒグチは涼しい顔で笑いながら観客に話しかける。
「自分に敏感になりながらライブを聴いてもらえたら」
微笑みながらの、この言葉にはグッときた。フェスなのでお祭り騒ぎももちろん楽しいが、胸騒ぎの楽しさも教えてもらえた気がする。リズムを口ずさみながら、観客に手拍子を促して、1曲目「縁」へ。落ち着いたライブ運びに思わず感心して見入ってしまう。MCでヒグチは10‐FEETとフェスで出番が真裏になることが多いと明かし、その上で東京に出てきて2、3年目の頃にライブハウスで、飲みに来ていた10-FEETメンバーと話す機会があり、「高校生の時に聴いていました!」と伝えたという。するとメンバーに「聴いていたじゃなくて、今も聴いていて欲しいんだよね!」と言われたらしく、言葉の遣い方を教えてもらえたという想い、そしていつか感謝を伝えたいが、いつもフェス出番の真裏でお逢いできないと話す。何気ないエピソードだが、そのフェスにちなんだ話で、それも深くてグッとくる話であり、こちらもライブにより耳を傾けてしまう。観客の心の掌握具合が本当に凄くて、感心してばかりだが、やはり感心してしまう。
ヒグチアイ
ひとり鍵盤を弾きながらフェスで観客を魅了していく姿には本当に痺れるし、「悪魔の子」の楽曲のスケールの大きさには驚くしかない。そして、元々は香川の高松生まれで、ずっとモンバスに出たかったとも話す。一度遊びに来た時に楽しくて、でも出場していないのに何を楽しんでいるんだよと落ち込んだエピソードも、誠に彼女らしくて、その誠実さストイックさがたまらない。ラストナンバー「祈り」でも観客に合唱を促して、見事に巻き込んでいく。最後、軽く天を見上げる感じで終わったのも格好良かった。
続くはハンバート ハンバート。このふたりもヒグチ同様にモンバス初出場だが、STAGE茶堂の雰囲気が本当に似合う。佐藤良成は「なかなかないよ! 最初で最後かも!」と冗談を飛ばし、佐野遊穂も普段のライブの様に歌う前から漫談のようなMCを喋り出す。引き続き灼熱の炎天下だが、平常運転で、2曲目終わりも佐野はミョウガの話を延々と続けるが、それを無理やり遮るように、佐藤がカウントから「恋はいつでもいたいもの」を歌い出す。この咄嗟の判断はまさにライブでドキドキした。「リンダリンダ」のカバーでは、フォーキーなイメージのふたりが完全にパンキッシュであったし、「国語」での佐野のハーモニカもパンキッシュに吹きまくる。それに合わせてギターを弾く佐藤もロックンロールな感じで、生ならではの臨場感があった。場の空気を読みながら、ギアを入れてブッ飛ばす姿はむちゃくちゃホットでしかなかった。
再び移動して、この日初となるMONSTERcircusに向かう。水曜日のカンパネラ、二代目ボーカル・詩羽は初のモンバス出場だが、リハから「やっほー!」と無邪気に観客を煽り、3曲目に披露する「ディアブロ」の振り付けを指南したりと、大型フェスステージにも関わらずリラックスしている。いざライブが始まってからも、布団を持ったパジャマ姿のオオカミの着ぐるみと一緒に「赤ずきん」を伸び伸びと自由にパフォーマンス。どこか良い意味でふてぶてしさがあり、肝っ玉が据わっているが、しっかりちゃんと可愛い。そして、観客に何か話しかけながら動く仕草など、一挙手一投足に目がいってしまい、全てに躍動感がみなぎっている。表情も物凄く豊かであり、何かひとり芝居を観ている感覚に陥る。
水曜日のカンパネラ
「桃太郎」では、その物語の口上を述べているみたいだし、先代ボーカルのコムアイの時から十八番であるスケルトンボールの中に入り、観客の上を自由に動いていく必殺技も最高に決まる。観客の上を転がり跳ねながら、ずっと笑顔の詩羽。それと印象的だったのは、圧倒的に子供たちが多かったこと。子供が大人にフェスへ連れて来られているのではなく、子供が大人をフェスに連れて来ているような……、そんな光景は何だか微笑ましかった。最後に観客と万歳を繰り返す詩羽も最高にキュートである。

PRAY FOR MEという四国のバンドで始まったMONSTERcircus+は、四国のバンドで初日を〆る。2015年にモンバスに初出場してから、今やモンバスお馴染みのLONGMAN。しかし、ボーカルのひらいはモンバスに育てられていると話しつつも、「あの時みたいに嬉しいだけじゃなくて、悔しい気持ちもあって」と包み隠さず話す。この言葉を聞いた時に、モンバスに出場し続けることがゴールでは無くて、モンバスに何かを持って帰って来れること、そしてモンバスに何か爪痕を残すことを目的に頑張っているのが頼もしかった。
LONGMAN
「8月のシングルと10月のアルバムに賭けています。凄いアルバムを作って、モンバスに恩返しできるようにします!」
この言葉にLONGMANの想いは全て表れていたし、新曲「spiral」とラストナンバー「WALKING」に気持ちが乗っかっていた。以前、四星球がメインステージでトリを飾った様に、毎年四国のバンドがメインステージでトリを飾れる様になったら本当にドラマチックである。
MONSTERcircusトリは今年25周年のMONGOL800。それも60分というスペシャル枠! 登場SE「Enjoy Yourself」からドキドキが止まらない。それに1曲目が大人気曲「あなたに」と頭から最高潮を迎える。ドラムの髙里悟が2日前に43歳の誕生日を迎えたばかりなこともあり、場は祝福ムードに! ボーカルのキヨサク・髙里・サポートギターのKubotyという鉄壁の3人に加えて、「OKINAWA CALLING」のようなパーティーダンスチューンでは、サックスのNARIとトランペットのSeasirというホーン隊に、キヨサクの高校の先輩であるパーティーダンサーの粒さんこと粒マスタード安次嶺が加わり最強6人体制になる。とにかく粒さんが赤ランジェリーのようなタンクトップと黒ショートパンツ姿で踊りまくって盛り上げまくる。ハッピーでピースフルでしかない。
MONGOL800
MONGOL800は何が強いかというと、聴く者全てを躍らせるパーティーソングを歌うだけでなくて、聴く者全ての胸を揺さぶるメッセージソングも歌うこと。この日も新曲「pray」が披露されたが、暗闇に寄り添って祈り続けるという歌の説得力は凄すぎた。そしてモンバスの初年度や2年目から歌い続けている大人気曲「小さな恋のうた」へ。てか、大人気曲を何曲持っているのだという話でもあるし、歌われた時の祝祭感は桁違いすぎた……。当時は生まれていないような若い学生男女数人組が肩を組んで歌い、そこに年齢が違う上に知り合いでもない女性2人組が混じり、みんなで円陣を組んで笑顔で歌っている。何なんだ、この魔法のパワーは……。説明できない魔法に涙がただただ出るしかない。音楽は魔法である……、そう間違いなく想わせてくれる奇跡のマジカルタイム。特効の金テープが観客に向かって発射されたり、粒さんが観客と共にウェーブを巻き起こしたり、それはそれは特別な本編であった。
MONGOL800
アンコール1曲目は「琉球愛歌」。これだけ真っ直ぐに平和を訴える歌を終戦記念日もある8月に聴けるのは、沁みて沁みて沁みるしかない。アンコールラストナンバーは新曲「LAST PARADISE」。ホーンが高らかに鳴り、キヨサクが緩やかに歌い出すが、突如5人が楽器から離れて、音楽が流れる中、粒さんと共にアイリッシュメロディーに合わせて横一列で踊り出す! 何てハッピーでピースフルなエンディングなんだろうか。その楽しさに笑顔になるが、あまりにも美しすぎる楽しさに感激して泣けてしまう。これが真の笑い泣きであろう。曲終わり6人が横一列に並びカーテンコール。ワンダフルすぎる60分に我々は拍手をして賛辞を送るしかない。こうして私の初日は終わった。馬鹿みたいなことを最後に言いますが、本当に最高でした。後は兵庫さん宜しくお願いします。
MONGOL800
(ここまで取材・文=鈴木淳史)

ケツメイシ
「おまえらの声をきかせてくれ! 歌える?  一緒に歌える?」というアジテートからの「Don’ t Worry My Friend」でジャンプの渦を巻き起こし、「俺たちが出て来てんで? 暴れて暴れて帰れー!」とオーディエンスにさらにガソリンを注ぎ込んだHEY-SMITH(16:15/龍神)、「我々、夏フェス、9年ぶりになります。今日は特別にメドレー持って来ましたんで」と、キラ星のごときヒット曲をメドレーにしてオーディエンスを魅了したケツメイシ(17:00/空海)。
クリープハイプ(17:45/龍神)は「え、トリ?」と見紛うほどの、ものすごい人の集まりっぷりの中、「ナイトオンザプラネット」「キケンナアソビ」で、言うなれば「そっと」ライブを始める。オーディエンスがステージに注ぐ集中力のエネルギー、まるで目に見えるよう。
クリープハイプ
続く「HE IS MINE」では、曲中で、例のコールのタイミングが近づくと、「高知が母親の出身地で、今日は親戚がいっぱい来てるんです」と話し始める尾崎世界観。「小学校に上がる前の子とか。みなさん、大きな声であれをお願いします。帰りのクルマの中で『お母さん、せっくすって何?』って訊くぐらいの」。オーディエンス、声の限りに「セックスしよう!」と叫ぶ。

そしてトリ、Vaundy(18:30/空海)。「(体力を)それ全部、今日使える? 明日にとっとこうとか思ってない?」とオーディエンスに激を飛ばしながら、「恋風邪にのせて」「そんなbitterな話」「踊り子」「しわあわせ」「不可幸力」と、ヒット曲を次々と放っていく。「全部出しきるつもりで俺を楽しませてくれ、モンスターども!」。「オーディエンスを楽しませに来た」以上に、「自分が楽しみに来た」、そんなワクワク感が表れている。
Vaundy
9曲目「怪獣の花唄」とラストの曲の間に、ちょっとインターバルが空いたので、ライブが終わったと思った多くの人が手拍子を始める。Vaundyは、「おいおいまだいるぜ、俺は。呼ばれたのは初めてだぜ」と笑っていたが、オーディエンスの前のめりな気持ちが表れているようで、いい光景だった。
Vaundy
そんなオーディエンスに、Vaundyは最後に未発表の新曲をプレゼント。その余韻が覚めない会場の上空に、何発もの花火が打ち上げられ、2023年のモンバス初日は、終演を迎えた。
Vaundy
(ここまで取材・文=兵庫慎司)
撮影=Hoshina Ogawa、桃子
■2日目のレポートはこちら
■次のページは……『MONSTER baSH 2023』フォトギャラリー
レポートで掲載しきれなかったライブ写真やソロカットをたっぷりと公開
『MONSTER baSH 2023』2022.8.19(SAT)
■STAGE龍神
Hakubi

Hakubi
Hakubi
Hakubi
Hakubi
Hakubi
SHIHSAMO
SHISHAMO
SHISHAMO
SHISHAMO
SHISHAMO
Creepy Nuts
Creepy Nuts
Creepy Nuts
Creepy Nuts
Creepy Nuts
クリープハイプ
クリープハイプ
クリープハイプ
クリープハイプ
クリープハイプ
クリープハイプ
■STAGE茶堂
ヒグチアイ
ヒグチアイ
ヒグチアイ
ヒグチアイ
ハンバート ハンバート
ハンバート ハンバート
ハンバート ハンバート
ハンバート ハンバート
ハンバート ハンバート
■MONSTERcircus+
PRAY FOR ME
PRAY FOR ME
PRAY FOR ME
PRAY FOR ME
PRAY FOR ME
LONGMAN
LONGMAN
LONGMAN
LONGMAN
LONGMAN
■MONSTERcircus
水曜日のカンパネラ
水曜日のカンパネラ
水曜日のカンパネラ
水曜日のカンパネラ
水曜日のカンパネラ
MONGOL800
MONGOL800
MONGOL800
MONGOL800
■STAGE空海
UNISON SQUARE GARDEN

UNISON SQUARE GARDEN

UNISON SQUARE GARDEN
UNISON SQUARE GARDEN
UNISON SQUARE GARDEN
UNISON SQUARE GARDEN
10-FEET
10-FEET
10-FEET
10-FEET
10-FEET
10-FEET
10-FEET
SUPER BEAVER
SUPER BEAVER
SUPER BEAVER
SUPER BEAVER
SUPER BEAVER
SUPER BEAVER
SUPER BEAVER
ケツメイシ
ケツメイシ
ケツメイシ
ケツメイシ
ケツメイシ
ケツメイシ
Vaundy

Vaundy
Vaundy
Vaundy
Vaundy
Vaundy

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