【上坂すみれ インタビュー】
いろんな思い出と一緒に
駆け抜けられるセットリストにできた
MCは打ち上げ花火的に
深く残らないのがちょうどいい
16曲目「パララックス・ビュー」以降の終盤は怒濤の展開でした。
いつもはここに「七つの海よりキミの海」や「ウエサカダイナミック」が来ていたのですが、今回はすごく久しぶりに声出しをした「来たれ!暁の同志」や、初声出しとなった「EASY LOVE」があって。本編最後の「革命的ブロードウェイ主義者同盟」は私たちのテーマソングのような感じで、たくさん盛り上がったあとは「革命的ブロードウェイ主義者同盟」で締めるという流れはこれまで同様ですが、新旧織り交ぜたことでいろんな思い出と一緒に駆け抜けられるセットリストにできたと思います。
2日目はアンコールで「ラムのラブソング」を歌いましたが、ここはいかがでしたか?
もともと『うる星やつら』のパッケージの特典としてカバーさせていただいたのですが、いろんな方がカバーされている名曲だし、ラムちゃんのキャラクターソングとして歌うということで、そのレコーディングに行く時が一番緊張しました。でも、今回は自分のライヴでカバーさせていただけるということで、緊張よりは嬉しさのほうが勝っていました。声優とアーティストをそれぞれ10年やってきて、ラムちゃんと出会うことができて、それをみんなの前で、みんなと一体となって披露できたことは、得がたい経験だったと思います。
「ラムのラブソング」は歌詞も含めて、上坂さんの同志への感謝の気持ちを表すのにぴったりの曲だったと思います。
本当にそうだと思います。2分半くらいの短い曲ですけど、すごくモダンで、これが40年くらい前のアニソンだとはとても思えない、今聴いてもすごく素敵な曲です。誰もが知っている曲だけど、歌うたびに新しい発見があるということを、改めて感じることができました。
ここは衣装も黄色と黒で“ラムちゃんカラー”でしたね。
はい。ライヴのグッズTシャツをアレンジした衣装で、2日目はセーラーとか黄色とかラムちゃんモチーフで、でもコスプレにはならないように、ニュアンスを取り入れた感じでアレンジしてもらいました。
そして、今年は10周年イヤーということですが、10年を振り返っていかがですか?
もともと音楽は好きでしたけど、歌唱経験が全然ない状態でのアーティストデビューだったので、最初はまったく勝手が分からず、困惑した部分もありました。でも、応援してくれる方が集まるようになり、それが同志となり、曲もたくさん増えて、アニメタイアップとかリリースごとに、本当にたくさんの思い出が積み上げられていった10年間でした。ライヴは声優の時とはまったく違ったコミュニケーションの取り方ができる場所だし、同志と会えるのが毎回楽しみで、それがモチベーションになっていました。声とかキャラクターを使い分けていろんなジャンルの曲を歌うことができるのは、声優アーティストならではの楽しさがあると思いましたし、アーティストをやることで声優に必要な度胸もついて、逆に声優をやることでアーティストとしての表現力を身につけることができて、すごく良い相互作用があることに少しずつ気づいていった、そんな10年でした。
MCでは同志のみんなは自分と似ているとおっしゃっていて。上坂さんのMCは同志が思っていることの代弁でもあると思ったし、それが共感につながっているんだと実感しました。
そうですね。みんなは会場を出れば全然違う生活をしているけど、まったくストレスがなく生活している人はいないと思います。そういう人たちをどうにかしてスカッとした気持ちにさせてあげて、それを少しでも長く持続できるようにしてあげられたらと、いつも思っています。MCで何を言うかは事前に決めているわけではないのですが、目の前にいる同志を見て“こういうことを思っているんじゃないか?”みたいなことは考えたりもします。
“幸せでも不幸せでも健やかでいてくれさえすればいい”とか“不幸せは時に価値がある”など、名言もたくさん生まれました。
それらの言葉は広い意味で、私の中での人生のテーマでもあるのですが、それをラジオやSNSで言うのはちょっと違うと思っていて。打ち上げ花火的に決して深く残るわけではないというところで、ああいうMCの中で言うのがちょうどいいのかなと。MCは毎回お客さんと一緒に作っているようなもので、公演ごとにいろいろ変わりますから、この映像を観て興味を持ってくださった方は、ぜひライヴの現場に足を運んでくれたら嬉しいです。
最後に今後の展望などお聞かせください。
デビューからの10年を乗りきれたのは自分でも驚きですけど、この夏はフェスにもお邪魔させていただいたり、次のシングルが決まっていたり、10周年イヤーはまだまだ楽しみなことがたくさん待っています。音楽活動歴の長い先輩方を見ると、みなさんすごく活動を楽しんでいらっしゃって、その背中を追いかけているファンの方々もすごく楽しそうなので、私もみんなが楽しめてスカッとできて、私と同じ気持ちで盛り上がれるライヴを続けていきたいです。曲もまだやったことのないジャンルもありますし、声優と並行してまだまだいろんな活動ができるんじゃないかと今から楽しみです。
取材:榑林史章
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Blu-ray『SUMIRE UESAKA LIVE 2023 TALES OF SUMIPE』2023年8月23日発売
KING RECORDS
ウエサカスミレ:2011年に声優デビュー。アーティストとしては13年放送のTVアニメ『波打際のむろみさん』の主題歌「七つの海よりキミの海」でデビューを果たす。昭和歌謡、メタルロック、ロリータ、プロレス、髭等、多方面に興味を示し知識を持つ、唯一無二の声優アーティスト。上坂すみれ オフィシャルHP
幕間映像
「テイルズ オブ モフティニー&
モフティニー2」
(「SUMIRE UESAKA LIVE 2023
TALES OF SUMIPE」Blu-ray 収録)
「七つの海よりキミの海」
(「SUMIRE UESAKA LIVE 2023
TALES OF SUMIPE」Blu-ray)
「Car♡Wash♡Girl」
(「SUMIRE UESAKA LIVE 2023
TALES OF SUMIPE」Blu-ray)
「SUMIRE UESAKA LIVE 2023
TALES OF SUMIPE」
Blu-ray 全曲トレーラー