私立恵比寿中学、新体制初のツアー&
音源リリースへの想いを訊く「がむし
ゃらに頑張って、みなさんの好きなエ
ビ中を全国に届けたい」

「永遠に中学生」というコンセプトでスタートした10人組グループ私立恵比寿中学、通称エビ中。2022年末で長年エビ中の歌唱力をけん引してきた柏木ひなたが卒業。新たに約7000名応募のオーディションを経て、当時中学生の桜井えま、仲村悠菜の2名が加入して10人体制で走り出した。全国16公演のツアー『私立恵比寿中学 spring tour 2023~100%ebism~』、そして10人体制初の音源となる4年振りのシングル「kyo-do?」のリリースを前にした星名美怜、小林歌穂、中山莉子、小久保柚乃、桜井えまのメンバー5名に、約1万字のロングインタビューで今の想いに迫る。
――まず、柏木ひなたさんの卒業公演と、桜井えまさんと仲村悠菜さんが加入した新体制初ライブの感想から聞かせてください。
小林:本当に切り替えが難しい2日間だったと言いますか。「どうやって自分の気持ちを持っていけばいいんだろう……?」ってちょっと迷ったし、ファンのみなさんの中にも「どういう気持ちで見たらいいんだろう……」って思っていた方も多かったと思うんですけど、私としてはひなちゃんの最後は、「いい思い出だったな」って存分に楽しんで笑って送り出せたらいいなっていう気持ちで臨んでいました。次の日の新体制のライブは、エビ中の「これから」を作っていかないといけなかったので気合は入っていたんですけど、変に心配をしていて。でも実際にやってみたら「そんな心配いらなかったじゃん、なんか大丈夫かも」ってライブ中に思えましたし、春ツアーに向けていい感じで進んでいけたらっていう希望が持てて、すごくよかったと思います。
星名:柏木の卒業式は、ずっと一緒にやってきた仲間を見送るという意味で久しぶりな気持ちでしたが、彼女とはまた会うことができるということもあって、寂しいけれどちゃんと送り出せました。彼女の卒業を発表したとき、ファンの皆さんの戸惑いをすごく感じていましたし、新体制を受け入れていただくには「これが新生私立恵比寿中学だ」というものをしっかりとライブで見せないとずっと応援してくださったファミリーが離れてしまう、と覚悟を決めてやっていました。でも、ライブ中に「曇天」のつなぎのところで自然にクラップが発生したときに「あ、私たち、ファミリーの心を動かすことができる」と確信して、希望に変わりましたし、ほっとしました。
中山莉子
――中山さんはどうでしたか。
中山:「ebichu pride」(2008年に開催された「私立恵比寿中学新春大学芸会 ~ebichu pride~」。その前日には元メンバー廣田あいかの転校公演が行われた)のときのように2日間で全く違う公演で、ひなたちゃんのライブは笑顔で送り出して楽しくハッピーに終われたらいいなという気持ちで楽しんでやってたんですけど、2日目は今後のエビ中が決まってくるライブだったのでプレッシャーがありました。でも、リハーサルの時点で「大丈夫だ」って思えるぐらいの自信は持てていたし、実際にライブを終えてみても、「この10人だったら大丈夫!」って思えたので、無事終えられてよかったなと思っています。
――やっぱり、「ebichu pride」のときとは違いました?
中山:全然違~う!
小林:そうですねえ。あのときはメンバーが抜けてお姉さんメンバーだけになった最初のライブだったんですけど、今回の場合は卒業と転入のどちらもあったので、また違う雰囲気ではありました。
中山:あのときは本当に何もない状態で、オトナとメンバーとで気持ちの持ち方も全然違ってて。でも、あれを経験したからこそ今回のライブができたんじゃないかなって思います。
――小久保さんはどうでしたか。
小久保:私にとっては初めての先輩メンバーの卒業で、「卒業するときってどんな感じなんだろう……?」っていうのが全然わからなくて、ライブが始まってからやっと実感が湧いてきました。卒業式の次の日に新体制ライブってことを考えると頭の持っていき方が分かんなくなっちゃうから、とりあえずその日その日のことに集中することにして頑張ったんですけど、気持ちの浮き沈みがすごく激しい2日間でした。
小林:そうだよね……。
小久保:卒業した直後にも実感はしていたけど、終わって数日後のほうがもっと「もう違うんだ……」っていう気持ちになりました。
――では、桜井さん、初ライブはどうでしたか。
桜井:やっぱりプレッシャーがすごくて。まさか初ライブが幕張メッセだなんて思ってもなかったので、うれしいという気持ちはもちろんあったんですけど、やっぱり「大きいな……!」っていう。会場の大きさもそうですけど、ひなたちゃんのパートを歌わせてもらうことが多かったので、1日目のリハーサルを見ているうちにすごく苦しくなっちゃって……っていうのもおかしいんですけど、「ひなたちゃんの次の日にこんなの歌えないよ!」って思っちゃって。でも、えまはひなたちゃんの穴を埋めるわけに入ったわけじゃないし、えまはえまらしくやっていいんだよっていうことを先輩メンバーから言ってもらえたので、当日はすごく緊張していたんですけど、ライブが進むうちに「楽しいな」っていう気持ちになれたのですごくよかったなって思います。
――それにしてもフル稼働でしたね。ちょっと出てきて数曲歌うぐらいなのかなって思ってました。
桜井:最初はそうだったんです。あんなに全部じゃなくて、本当にちょっとだけ出る予定だったらしくて。
小林:今回はメンバーもライブの打ち合わせに参加させてもらって、セトリをどうするかとか、どういうライブにするかとか考えるところまで関わらせてもらったんですけど、ファンの方を納得させるにはとにかく必死こいて頑張ってる姿を見せることだと思ったし、それは「新メンバーがこの子たちでよかったな」って思ってもらうきっかけにもなるので、「ここは甘えず、全部やろう」って。メンバーそれぞれほかの仕事があったりして、その話をしたときにその場にいたメンバーは私とまやさん(真山りか)だけだったんですけど、ほかのみんなも「そのほうがいいよね」って。ライブ後半、バンドセットでメドレーをやったんですけど、それを乗り越えない限りはエビ中にはなれないよね、って自分たち自身に試練を与えるためにもガッツリとやりました。
――鬼になったわけですね。
小林:鬼になりました(笑)。
星名:やっぱり、私たちはがむしゃらにやってきたグループなので、がむしゃらにやる姿がファミリーの方に刺さると思いました。
小林:本当にそうです。
――たしかに、あそこまでやったからこそ純粋にすごいと思ったし、「エビ中のすごさってこれだよな」と強烈に感じました。
小林:うれしい。
――そういう意味でもかなり意味のあるライブになったと思います。その後、新体制の雰囲気というのはどんな感じですか。
小林:すごくいい方向に進んでます。エビ中ってリーダーを決めずにやってきて、メンバー個人個人で成立しているのがはっきり出ているのがすごくいいなと思うし、みんなでエビ中を作り上げていくことで本当にいい雰囲気になっていると思います。
星名美怜
――新メンバーが入ったことで、受け入れる側のメンバーの変化はあったりしますか?
星名:カホリコ(小林と中山)がかなりお姉さんになりました。
小林:あー、20歳を超えたっていうのもあって、確かに前よりも大人にはなりました。
――お2人は新メンバーが入るごとに大人になっていますよね。
中山:妹ちゃんたちにお姉さんにしてもらいましたね。
小林:してもらいました。
――新メンバーが入って、ココユノノカ(桜木心菜と小久保柚乃と風見和香)の変化はありますか?
中山:あ、すごい変わった~。
小久保:(小声で)ふぅ~ん……。
――あ、本人は自覚なし?
小林:柚乃なんて最初は「どうしたらいいんだろう……」って戸惑ってばかりだったんですけど、今は自分から「こうしたい」とか「こうしなきゃいけない」って気づけるようになってきて、新メンバー2人のおかげで柚乃もしっかりするところはしっかりするようになったと思います。
小久保:2人が入ってから「新メンバー」って呼ばれることがなくなって、1年だけだけど先輩になったから甘えられないというか。「新メンバーだから可愛い」とか、新メンバーだから許せていた部分ってファミリーの皆さんの中にも多分あったと思うんですけど、それがほとんどなくなって、今はやらなくちゃいけないことだとかを自分で考えるようになりました。
――リアルに中2になる感覚ですよね。
小久保:そうですね。中学校1年生だったところに後輩ができた、みたいな感じです。
――具体的に変わったところは?
小久保:えー、なんだろう……周りの人の反応を見るようになりました。もともと人のことを見たりはしていたけど、自分からはあんまり発言はしてなくて。でも、最近はちょっとずつだけど自分の意見も言うようになってきたと思います。
星名:(低学年メンバー)5人の役割がだんだんと分かれてきていて、ちゃんとアイドルになっていると感じます。自分を客観視してアイドル力が高くなっている気がします。
――そういう感覚ってありますか。
小久保:確かに、心菜と和香の補助、みたいなのが自分の役割なのかなと思ってます。幕張が終わってから5人で武者修行フリーライブを何本かやっていくなかで立ち回り方を勉強しました。
――3人の中では補助の役割なんですか。
小久保:心菜は一番お姉さんだから5人をまとめてくれて、和香も(新メンバーの)2人と同い年だけど先輩っていう立ち位置ですごく頑張っているから、柚乃は2人の補助をやったりしてます。
――そういう立ち位置はどうですか?
小久保:いやー、2人とも大変そうだなって思います。
全員:(笑)。
小林:本当に補助してるのかなあ?(笑)大丈夫かなあ?
桜井えま
――今、小久保さんの話にも出た武者修行フリーライブですけど、桜井さんはどうでしたか。
桜井:初めて5人だけでライブをすることになって、お姉さんメンバーがいない中で、アップの時間に何をやるのかとか最初はどうしたらいいか分からなくて。しかも、場当たりとかリハーサルとかも全部自分たちでやらないといけなくて、まだまだ学ばないといけないことがいっぱいあるんだなっていうことをそこですごく気づかされました。ココユノノカちゃんたちは褒めてくれるときもあるし、「ちょっとだらけちゃってたよ」って注意してくれるときもあって、そういう部分でも助けられてたなって感じます。
――全部自分たちでやるってハードですよね。お姉さんメンバーがいないって崖から突き落とされて「這い上がってこい」って言われてるようなものじゃないですか。
桜井:自分の中では「ここはうまくいかなかったな」とか、「ここは練習どおりできたかも」とかいろいろあるんですけど、一番大変だったのはそれまでのレッスンとか練習で。心菜ちゃんが作ったフォーメーションを教えてもらったり、振りも先生じゃなくてココユノノカちゃんたちが教えてくれたり、自分たちで全部やったのですごく大変だったなって思います。
――それはココユノノカの3人もめちゃめちゃ成長しますね。
小久保:心菜と和香が頑張って教えてくれたので。
――自分じゃないっていう(笑)。小久保さんから見て2人のパフォーマンスはどうですか。
小久保:パフォーマンスで言うと、柚乃よりも2人のほうが全然できていることが多いです。2人ともフリーライブを通して「ここはこうしたほうがいいのかな」っていうのを自分で発見して楽屋で練習していたり、分かんないところがあったらすぐに聞いてくれたりします。
――小久保さん自身についてはどうですか。
小久保:柚乃は、心菜と和香がちょっとこんがらがっちゃったりしてるときに、「こうなんじゃない?」って2人の横でふわふわと囁いてる人なんですけど、自分自身についても「もうちょっとここはこういうふうにできたよな」とか考えることもあるし、フリーライブの最初のほうではできなかったことが、少しずつできるようになってきてちょっとはよくなったかなと思います。
――2人の話を聞いて、お姉さんメンバーの3人としてはどうでしょう。
星名:武者修行フリーライブは、いろんなライブやライブの作り方を経験することで、「あとで『やってよかった』と思うときが来たらいいな」という気持ちで私たちメンバーから提案しました。あと、このライブを通じてファンの方に5人のパーソナルを見てほしいという思いもありました。
小林:本当にアイドルとしての下積みがないので、いきなり10年続くグループでやるとなるととやっぱり経験を積まない限りは……っていうのもあって。私たち(小林と中山)も下積みがない状態でエビ中に入って、「いつどん底に落とされるのか……」って不安になったことがあったので、5人は本当にいい機会を設けてもらってるなって思うし、いい経験になったと思います。2人は加入して5か月で臨機応変にライブで対応しなきゃいけなかったり、柚乃だって加入して2年でいきなり無茶なことをこなせてるので、ハイパー中学生すぎて単純にすごいなって思ってます。
中山:入って5か月と2年のメンバーだけで「セトリも自分たちで全部決めなさい」って言われても……。
――あ、そうなんだ!
小久保:5人でやりたい曲を出し合って、心菜がまとめてくれました。
中山:エビ中を背負ってやってもらってるから大変だった部分もあるだろうけど、ちゃんと成長して自信につながってるんだなっていうのはすごくわかるので、エビ中はどんどん明るい未来が見えてきてるなって思います。
私立恵比寿中学
――さて、新曲「kyo-do?」です。
小林:この曲って、好きな人に向けてなのか、友だちに向けてなのか、大人数に向けてなのか、聴く人によって解釈の違いがあると思うんですけど、最近、「自己肯定感」っていう言葉をよく聞くし、自信が持てなくて自分のことを下げちゃう子も多いと思うので、この曲のサビにある<一緒にいいね!とかも付けあえたら>とか<お互い好きのために戦える感じがする!>とか、自己肯定感爆上げ曲だなって個人的には思ってます。すごく明るいしキャッチーなので、自信が持てない子たちにも届けばいいなって思ってます。
――この曲、めちゃめちゃ難しくないですか。
全員:難しいです!
――音の跳躍もあるし、メロディーもコロコロ変わるし。
中山:最初に楽曲をいただいたときは、今TikTokで流行ってる楽曲をつくってらっしゃるヤマモトショウさんの曲ということで、私はアイドルらしくてかわいい楽曲がすごく好きなので「やったー!」と思って聴いてみたら、「え……この曲をエビ中が……?」って。でも、実際すごく難しかったけど、完成形を聴いたときにちゃんとエビ中になってて、それがすごいなと思いました。私も<お互い好きのために戦える感じがする!>っていうサビの歌詞が好きなんですけど、自己肯定感とか気分を上げてくれる曲だなって思いました。
――今回、どういうことを意識してボーカル録りを行ったんですか。僕の印象としては、それぞれの個性を全開にするというよりも、全員一丸となりつつも、一人ひとりの持ち場をしっかり守る団体戦という印象を受けました。
星名:言葉遊びが多くて、エビ中の昔の楽曲に近しい部分もあると思うのですが、実はとても難しい曲です。サビのユニゾンでファルセットを使う部分や音階などが非常に難しいです。かわいくておもしろい楽曲は過去のエビ中にもあるのですが、そこに技術面の難しさが足されているので、10年以上エビ中で経験させていただいているものをしっかり表現しなければならない曲だと思います。
――これまでの経験をもってしてもハードだった楽曲にいきなり臨んだ桜井さんはどうでしたか?
桜井:仮歌を聴いたときはすごくかわいい曲だなって思ったんですけど、(中山)莉子ちゃんが言ってたようにRECのときはすごく苦戦しました。でも、歌詞には深い意味がたくさん込められてるし、サビのダンスはTikTokで流行りそうというか、みんなが踊りやすい振り付けになってるので、皆さんにも踊ってほしいなって思います。
――小久保さんの<どうする?>はライブでファンが沸くポイントのひとつになるんじゃないかと思ってるんですけど、ここはどういう気持ちで表現したんですか。
小久保:もう、本当に、「どうする?」って。
全員:あはは!
――(笑)イメトレはしたんですか?
小久保:自分がセリフパートをもらうとは思ってなくて……これ、1回しか録ってないんですよ。
――ああ、そうなんだ。
小久保:1回目は上手くできたけど、2回目はタイミングがすごくズレちゃって、「1回録れてるし、いっか」ってなって、最初のが使われてます。
小林:すごい! ファーストテイクだなあ。
小久保:だから、すごくいい「どうする?」だったんだなって。リズムとかを気にしながらいろいろ考えてたので、ちょっと慌てた「どうする?」になりました。
――ああ、だからこそ、「どうする?」感がちゃんと出てたんですね。
小久保:そうですね(笑)。
――偶然なのかはわからないですけど、星名さんは各ブロックの頭を担当していますね。
小林:レコーディングのときに(星名)美怜ちゃんはちょうど喉の調子を悪くしていたので、美怜ちゃんだけパートを指定されて録ったんです。
――ああ、なるほど。
星名:初めて歌うパートが決まってる状態で録りました。
小林:普段、エビ中ってみんな1曲丸々つるっと歌うので、完成するまで自分のパートがどこになるのかわかんないんです。
星名:30分でレコーディングが終わりました。
中山:あ、そうなの!?
小林:こんな難しい曲を30分で(笑)。
――それもすごいですね。
小林:すごいですよね(笑)。
小久保柚乃
――小久保さんは今のエビ中の楽曲の雰囲気についてどう感じていますか。
小久保:私が初めて参加した曲が「イヤフォン・ライオット」で、そのときも明るくてポップな曲だと思っていたけど、今回も明るくてポップだけどタイプは全く違うし、前回のアルバム『私立恵比寿中学』の頃とも違って、いろんなエビ中が見れてすごく楽しいし、曲の振り幅がさらに広がって、かわいい曲からカッコいい曲まであって、より楽しめるようになったなと思います。
――あの……僕が小久保さんとお話するのは今回が初めてなんですけど、こんなこと言うのも失礼なんですが、小久保さんってもともとこんなにお話ができる方だったんですか。
中山:もともと頭がいい(笑)。
小林:機転の効く子です(笑)。
――ラジオを聴いてるときの印象と違って。
中山:緊張するよね、ラジオはね。
小林:ちょっと危ういところはあるけど(笑)。
小久保:ラジオとかたまに「ははは」しか言ってないときとかあるけど(笑)。
――僕、「エビ中☆なんやねん」をよく聴いてるんですけど。
小久保:「なんやねん」は本当に「ははは」しか言えてなかったんですけど、最近やっとちょっとずつ喋れるようになってきました(笑)。
小林:よかった。
――小久保さんが苦手だというオジサンたち(共演者のなすなかにし)への対応もちゃんとできるようになってきました?
中山:そこはまだちょっとね(笑)。
小久保:ちょっとずつ慣れていきます……(笑)。
――面白いのでそこはずっと慣れないでほしいという気持ちもあります(笑)。話を戻しますが、「kyo-do?」はライブで披露するのがすごく難しそうですね。
小林:リハーサルはこれからなんですけど(※インタビュー時)、育つまでけっこう時間かけないと。
中山:ダンスもけっこう踊るし歌も難しいので、ツアーを通して育てていかないと。
――自分のパートが歌えればいいというわけじゃなくて、ちゃんと次のメンバーに渡していくのも難しそうですね。
小林:この曲に限らず、そこは9人になったときから苦戦しているところですね。悩んだときもあったんですけど、それも込みで育てていくしかないので、練習頑張ります!
小林歌穂
――ツアーはどうなるんですかね。
小林:どうなるんですかね~。
中山:10人になって初めてのツアーで、ライブ自体もまだ数本しかやってないですけど、今はさいたまーパーアリーナでライブをすることを目標に活動しているので、ここでちゃんと掴みたいなって思います。最初が大事!
――歌割りがどうなっていくのかも気になるところです。これまではここぞというパートを柏木さんが担うことが多かったですが。
中山:でも、ここは……(ぼーっとしている桜井に気付いて、手をパチパチ叩きながら)眠たそうにしてる……!(笑)
小林:これまでは莉子ちゃんがよく「眠たい?」って言われてたのに(笑)。
中山:もうちょっとで白目むくところだったよ(笑)。
小林:帰っておいで!
――あはは! いつ話が飛んでくるからわからないので気をつけてくださいね(笑)。
中山:(桜井を見ながら)幕張の初ステージでも堂々と歌い上げてたので楽しみ。どんどん大事なパートを任せることが増えると思うので。
小林:引っ張ってくれるはず。
――個人的に気になっていることなんですけど、「紅の詩」って今後どうなっていくんですか。
小久保:フリーライブで一応、5人では歌いました。
――そうなんですね! どうでした?
小久保:ファンの方々はすごく喜んでて、「また聴けると思ってなかった」って。5人でやっていく覚悟みたいな気持ちで「紅の詩」を選んだのでよかったですね。
――よくやりましたね。
小久保:自分たちでも「一番最初の公演でやるんだ」って思ってました。
小林:攻めたね。
――それだけ強い気持ちがあった。
小久保:5人のことをもっとファミリーのみんなに知ってもらうために、認めてもらうために選びました。
――カッコいい! ちょっと話は変わりますが、以前、別のアイドルグループのインタビューをしたとき、ちょうどエースと言われるメンバーが卒業するタイミングで、今後エースを担うのは誰かという話になったときに、「元々いるメンバーではなくて入ったばかりの新メンバーになるんじゃないか」という話をしていて。元々いるメンバーは自分たちのキャラがすでに確立されてるから、若いメンバーのほうが合ってるのかもしれない、みたいなことを言っていて、そういう考え方もあるんだと思ったんです。今の話を聞いてどう感じますか。
小林:エビ中はいいとこ取りをできる体制になってるんですよね。もちろん、えまとかに任せる場面もあれば、お姉さんメンバーで固めていく場面もあったり、どっちも見せられるんです。
中山:キャラがちゃんとあるというか、「ここは私!」っていうのがそれぞれあるから、一人ひとりがエースだと思って活動していきたいです。
小林:みんなで背負っていきたいよね。
星名:場面によって中心が変わっていくのがエビ中だよね。
――確かにそうですね。ずっとそれでやってきてますもんね。
小林:そうですね。リーダーもいないし、みんなで協力し合ってっていうのがエビ中の味なんじゃないかなと。
――これができる人がエース、じゃなくて、一人ひとり飛び抜けた個性があるからみんなエース、みたいな。
小林:そうやって聞くとカッコいいね。
中山:カッコいいね。
星名:そういう個性を発揮できる場所が与えられているから長く続けられるんだと思います。
小林:たしかにー。
――なるほど。だから、メンバーに対して変なライバル心がないっていう。
中山:そういうことか。
星名:尊重してるよね。
小林:それぞれで成立しているから戦う人もいない。いいグループですわぁ! あはは!
――これからさいたまスーパーアリーナを目指していくにあたって、今度の春ツアーもすごく大事なものになると思うんですけど、そのほかに何が必要になってくると思いますか? やっぱり、そう簡単に立てるステージではないと思うんですよ。
小林:そうですね。エビ中は人間味がとてもあるアイドルで、そこをすごく大事にしてるので、とにかくがむしゃらにやるのは大事だとは思っていて。私たちの泥臭さが響いて「エビ中っていいよね」と言ってくださる方も多いので……泥まみれになりましょう!(笑)
――あはは!
小林:もう一回気を引き締めて、と言いますか。年齢や歴の差はあるけど、「みんなでスクラム組んでいこうぜ」みたいな。
中山:スクラブ?
小林:肌ツルツルになるヤツじゃなくて。
中山:そっちではなくて!(笑)
小林:肌もツルツルにしてほしいんだけど、肩組んで、もう一回改めてエビ中というものをより良いものにしていくために、みんなでがむしゃらに頑張りたいなって思います。
星名:エビ中らしさというものが今は変わったので、それを受け入れてもらえるようにすることがまずは大事なのかなと思います。私たちに相当なパワーがないとファンの方も変化を受け入れようという気持ちにはならないと思うので、私たちは変わったけど、みなさんの好きなエビ中を全国に届けたいと思います。
――小久保さんはどうですか。
小久保:ツアーを通してもだし、5人でやったフリーライブもそうだし、そういうことを通じてどんどんどんどん新しいファミリーを増やしていかなきゃなと思います。エビ中はメンバーの年齢が幅広いからこそかわいいアイドルとかカッコいいアイドルとかいろんな見せ方ができるし、アイドルが好きな方なら誰にでも好きになってもらえるグループだと思うので、もっとみんなに知ってもらえるように頑張らなくちゃなと思います。
――桜井さんは今後、どんな存在になっていきたいですか。
桜井:美怜ちゃんが言ってたように、私はまだ入ったばかりなのでエビ中のメンバーとしてファミリーの方々から認めてもらえるように頑張っていきたいし、歌穂ちゃんが言ってくれたようにひなちゃんが歌ってたところを引き継いでいけるように頑張っていきたいです!

取材・文=阿刀"DA"大志 撮影=大塚秀美

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