「21世紀だから童貞がモテる!?」54歳
童貞グルメ・山口明の連載24

54歳のカリスマ童貞・山口明だから分かる新しいモテ論

童貞モテ革命

　本日も童貞なり。
　先日、三和出版より刊行された『童貞入門』という本を読ませていただいたのですが、童貞のオレとしては興味深いというか、色々と考えさせられる面白い本でした。
「若い頃から女にモテてきた男の想像力は犬以下である」というニーチェの言葉を冒頭で紹介しながら、童貞だからといって周囲のネガティブなイメージに振り回されずに、童貞ならではの想像力や妄想力を愉しみ、来るべき「喪失の日」に備え、童貞力を磨いて最高のセックスを目指しましょう…といった童貞を非常にポジティブに考える本でした。童貞の定義に始まり、童貞史、童貞オナニー術、童貞の妄想シミュレーション、童貞肯定論など、盛り沢山の内容になっています。
　特に気になったのは「女性から見た童貞イメージ」というところで、「童貞についてどう思っているか」をネットや出版社を訪れたモデルさんやAV女優さんにアンケートした結果なのですが、最も多かった意見は「気にならない」というもので、それに続いて「可愛い」「清潔感を感じる」など、多くの女性は童貞を嫌っていませんし、バカにもしていません。

　しかし、オレが思うに21世紀のいまだからこそこの結果だと思うのですよ。この本にも書かれていますが、オレが10〜20代の1970〜80年代には雑誌やテレビが「女性にモテるファッション」や「理想のデートプラン」など、どうしたら女性にモテるのかという特集ばかりでした。とにかく世の男は女性にモテなければいけない…彼女を作って恋愛して、女性を知ってこそ一人前、という風潮だったわけです。本当に童貞にはキツイ時代でした。
　これが2000年代に入って何か世相が変わった感じがします。童貞のオレに雑誌やテレビの取材が来るようになったり、色々なメディアに露出するようになったのも、21世紀に入ってからなんです。21世紀になって童貞のイメージが変化したのかもしれませんよ。
　この本によれば「ヤリチンと童貞、結婚するなら断然童貞」という女性が増えてきたとのこと。もう童貞の人はオレのようにカミングアウトしましょうよ！　童貞がモテるという現実が、もう目の前にあるわけですから!!
　ついに21世紀童貞がモテる時代が到来しましたよ。これがまさに「童貞モテ革命」ですよ!!

　そしてもう一冊気になる童貞関係の本があります。凸ノ（とつの）さんの『童貞骨牌（どうていかるた）』という本で、童貞のあるあるネタのコミック・エッセイという感じなのですが、ことらも面白く読ませていただきました。
　もしかしたら今、出版界で童貞関係の書籍がブームなんですか？　若い世代の童貞率が高くなってきたといわれるこの21世紀。もしかしたら「童貞本」が長引く出版不況を救うかもしれませんよ。オレの本もどこかで出版しませんかね。意外と売れるかもしれませんよ、どうですか？
　ではでは、また来週〜。

【山口明：プロフィール】
やまぐちあきら…54歳カリスマ童貞デザイナー。
「21世紀も童貞のオレが、20世紀の高校生のころによく聴いていたのがキング・クリムゾンの『21世紀の精神異常者』ですが、この曲が入った『クリムゾン・キングの宮殿』は名盤です。このアルバムに入っている『エピタフ』は、当時の雑誌『ロッキング・オン』とか読んでる頭のいいロックファンがこの曲について熱く語っていました。信じがたいが、この『エピタフ』、西城秀樹とあいざき進也がカバーしてます。70年代のアイドルって音楽の趣味がマニアックですよね」

オススメ書籍：童貞入門 (ライト・マニアック・テキストシリーズ・6) （三和出版）／マニアックラブ研究会・著
オススメ書籍：童貞骨牌（エンターブレイン）／凸ノ・著
オススメCD：クリムゾン・キングの宮殿 (ファイナル・ヴァージョン)(紙ジャケット仕様)（WHDエンタテインメント）
オススメCD：ビッグ・ゲーム’79（BMGメディアジャパン）／西城秀樹