L→R 清弘陽哉(Dr)、汐田泰輝(Vo&Gu)、中村龍人(Ba)、岩橋茅津(Gu)

L→R 清弘陽哉(Dr)、汐田泰輝(Vo&Gu)、中村龍人(Ba)、岩橋茅津(Gu)

【Bye-Bye-Handの方程式
インタビュー】
「FRIDAY」を届けるために
“すくーぷ”と名づけた

真似しようとするけど、
いつも全然似ていないものになる

リード曲になっている「midnight parade」についてはいかがですか?

汐田
もともとは『ろまんす快速特急』のリード曲になる予定だったんです。でも、これはこれでいいけど、タイミング的にもう少しあとに出したほうがいいと思って、その時は前回のリード曲用に「romance tower」を新たに作ったんですね。だから、アレンジも固まった状態で、一年以上放置していたんですよ。作ったのはコロナ禍が始まった頃で…それこそ今のメンバーになってから初めてアレンジした楽曲なんです。曲を作った経緯としては、自分たちの地元にTOYONAKA LIP2ndというライヴハウスがあって、レーベルと契約する前はそこのブッキングマネージャーの方にすごくお世話になっていたんです。“こういう曲があるといいんじゃないか?”とか“もっとこうするといいと思う”というようなアドバイスをたくさんしてくれたし、レーベルに入る準備みたいなこともやってくれて。そういう中で、“アニソンみたいな曲も作れるの?”という話になって、僕はアニメとかはあまり観たことがないから“こういう感じかな?”と思いながら作ったのが「midnight parade」なんです。
岩橋
この曲は『ろまんす快速特急』の前の『Flowers』(2020年9月発表)というアルバムをリリースした直後に作ったんです。その頃の僕は自分の中でギタリストとして納得のいくフレーズが作れるようになってきたばかりで、ちゃんと曲に合って、なおかつインパクトも強いフレーズやリフ、ギターソロを入れることができたのは「midnight parade」が初めてだったんですよ。なので、思い入れがありますね。それ以降、曲を作る際に「midnight parade」ができた時の感動を思い返すことが多いんで、“あの時の感動を超えるものを!”という僕の原動力にもなっている曲なんです。
中村
僕的にはこのバンドに入って初めてかたちにした曲なんです。その結果、これが基盤になったというか。“こういうベースを弾くのがBye-Bye-Handなんかな?”みたいなことを感じて、もっとロックにしたり、バラードにしたりする時に、この曲のアプローチを基準にして考えるようになったんです。だから、僕にとっても「midnight parade」は大きな意味を持った一曲ですね。
清弘
この曲のドラムに関しては直感的というか、何も考えずに作りました。だいたいドラムを作る時はパソコンで打ち込みながら考えるんですけど、実際に叩くことを考えずに頭の中に浮かんだのをそのまま起こすんですよ。で、レコーディングでめっちゃ苦労する…みたいな(笑)。『ろまんす快速特急』では「目を閉じるだけ」という曲でやったんですけど、まぁ苦労しまして(笑)。でも、いい方向に行ったと思っているんです。ライヴでも楽しいし。そういう曲が今回のアルバムでもあるといいなと思って、「midnight parade」は直感に任せて作りました。ただ、アルバムに入れる時にちょっと作り直したので、意識しないように意識しました。
全員
なんだ、それ!(笑)
汐田
深そうで浅いな(笑)。みんなの話を聞いていて思い出したけど、あと、「midnight parade」は織田哲郎風の曲にしたかったんです。織田さんのYouTubeチャンネルがあって、自分が作ってきた曲の美味しいポイントを紹介する動画があったんですよ。それで、「世界中の誰よりきっと」か何かのコードの解説でBm♭5を使ってみてくれと言っていて、その時に「midnight parade」を作っていたから使ってみたくなった…というのを、今思い出しました(笑)。

汐田さんはいろいろな音楽からインスパイアされながらも模倣で終わることなく、自分のものに昇華されていますね。

汐田
真似しようとするけど、いつも全然似ていないものになる(笑)。よく“それ、どこから持ってきたの?”と言われるんですよ。僕的には王道を真似してやっても、完成したらまったく別のものになっているという(笑)。昔はそれが悔しかったけど、今はそれでいいと思っています。

それが新たな魅力を生むことになりますからね。「midnight parade」の歌詞ですが、“思い出になってしまう前に触れていたい”ということを歌っていますよね。

汐田
例えば恋愛している時に“愛してる!”とか言い合って、その次の日に相手から“別れよう”と言われ、“昨日の言葉は何やったんやろう?”みたいなことってあるじゃないですか。別れるまでいかなくても、愛情表現には“好き”“大好き”“愛してる”というふうに段階があって、最上級の言葉を言い合った次の日に、むちゃくちゃ不機嫌やなと思うことがあったりするし。友達同士でもそれに近いことがあって、“どういうことやねん”ってなることが結構多い。逆に、めちゃくちゃ静かな恋人同士や友達同士で、あまり多くを発さなくても長くつき合っている人もいますよね。別に、毎日“好き”とか言わへんけど、ずっと一緒にいるカップルとか、言わずもがなで分かる友達とかは、ちゃんと行動で示していると思うんですよ。言葉だけじゃなくて、それ以上のもので示している。そういう関係性っていいなと。僕は毎年誕生日にプレゼントをくれたりするよりも、呼んだらすぐにきてくれる友達のほうが好きだし、自分もそうありたいと思っているんです。夜中に思い立って会うというのは、好きな人同士だからやれることじゃないですか。真夜中に寝る間を惜しんでやれるというのは、好きなこと以外ではあり得ないから。そういう曲を書きたいとずっと思っていたんで、「midnight parade」を作った時にそういう歌詞を書きました。

OKMusic編集部

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