L→R 大橋卓弥(Vo&Gu&Harmonica)、常田真太郎(Piano&Cho&Organ&Other instruments and total sound treatment)

L→R 大橋卓弥(Vo&Gu&Harmonica)、常田真太郎(Piano&Cho&Organ&Other instruments and total sound treatment)

【スキマスイッチ】“ポップス”って
聴く人が決めることかもしれない

ふたりで楽しく作ったものを みんなに
楽しく聴いてもらう

すごくいいなぁと思ったのは、DISC1とDISC2の間に、ちょうど活動休止期間が入るんですよね。そこで曲の表情というか、傾向というか、バッ!と景色が変わるのが鮮やかで。

常田
ちょうど切れ目なんですよね。分数もそこなんですよ。どっちも74分ぐらい。

やっぱりあそこは、最大のターニングポイントでした?

常田
間違いなく、そうですね。曲のターニングポイントというよりも、ふたりの関係として、あそこが一番大きかったと思います。ふたりの関係性の中で、音楽を作る楽しさを、あそこからまた構築し出したというか。“ふたりで楽しく作ったものをみんなに楽しく聴いてもらう”というところに、完全にシフトしてると思います。

DISC2は完全にそうですね。「虹のレシピ」以降は。

常田
もちろんDISC1も楽しさはあるんですけどね。いろんな曲を作りたい気持ちがあっても時間が足りなかったり、連絡を密に取りたくても会う時間すら取れなかったり。物理的な問題もあったので、その時期は。

すごいスピードで動いてましたからね。

常田
だから、ああいうかたちで止めるしかなかった。ちょっと乱暴だったかもしれないですけど、結果的には意味のある1年間を送ったと思うので。
大橋
やっぱりソロ活動以前と以降では、全然違いますね。この『POPMAN’S WORLD』を作る時に、曲を全部聴いてても、時代の流れをちゃんと感じて1曲目から順番に聴きましたし。DISC1のほうが明らかにキャッチーなんですよね。DISC2のほうは…なんというか、中期っぽいというか。

何の中期?(笑)

大橋
ビートルズで言うところの中期(笑)。『RUBBER SOUL』とか。
常田
いろいろやり出したぞこいつら、みたいな。
大橋
DISC1の曲を聴くと、やっぱり尖ってるところがあって、“若いな”と思うんですよ。でも、DISC2の1曲目「虹のレシピ」は若い頃とは違う尖り方をしているというか、違う感じでふたりがぶつかり合ってる気がする。ふたりでもう一回やり出して、最初の第一弾シングルとしてこれを作るということで、“自分たちが今これをやりたい”ということをここでやっておかないと、今までの流れも変わらないし、それ以降の活動の仕方が分かんなくなりそうだったというのも、きっとあったと思います。「虹のレシピ」なんか、シングルでこんなもん売れるわけないと思いましたもん。
常田
(笑)。
大橋
こんなエゴのカタマリみたいな曲(笑)。
常田
しかも、ちっちゃいエゴね。シングルとしてのテーマは“ちっちゃい”(笑)。
大橋
“サビで絶対に声を張らない”とか、なんだかよく分からない(笑)。それもたぶん、洋楽に対する憧れがあったんですよね。シングルっぽく“サビは高い声で突き抜ける感じ”とかいうのを、あえてやらない。それが当時の自分たちなりの、自分たちを保つための反抗心だった気もします。「虹のレシピ」なんか、シングルだったことを知らない人もいると思いますよ(笑)。
常田
「雫」がシングルだと思ってる人が結構いたかも(笑)。

いやー、「虹のレシピ」は本当に素晴らしい曲。このベストでぜひ再発見してほしいです。

大橋
世の中の音楽コアファンに向けたものというか、聴きやすい作品ではなかったと思うので。でも、これがやりたかったんだよね、当時。
常田
ファンの人たちが、ポップスにしてくれてるのかもしれない。
大橋
そうだね。
常田
て言って終わっちゃうと、こっちがどれだけポップスを作っても、終わっちゃうんで。ポップスって、聴く人が決めることかもしれない。

それを結論にしましょうか。11年目も期待してます!

『POPMAN’S WORLD ~ All Time Best 2003-2013 ~』2013年08月21日発売Ariola Japan
    • 初回生産限定盤A(Blu-spec CD2×2+DVD)
    • AUCL-30005~7 4410円
    • 初回生産限定盤B(Blu-spec CD2×2+Bonus CD)
    • AUCL-30008~10 3990円
    • 通常盤
    • AUCL-136~7 3465円
スキマスイッチ プロフィール

スキマスイッチ:大橋卓弥、常田真太郎のソングライターふたりからなるユニット。1999年結成。2003年にシングル「view」でメジャーデビュー。大橋の温かく包み込むような独特の歌声、それを支える常田の卓越したサウンドクリエイトで「奏(かなで)」「全力少年」など、ヒット曲を次々と生み出している。スキマスイッチ オフィシャルHP

OKMusic編集部

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